2.得意先強化事業

事業の実施状況 事業の効果 事業実施上の問題点
 環境変化に対応するため、努力をして実績を上げている小売店や年齢が若くてやる気のある経営者がいる小売店など、現状の利益だけではなく将来の可能性を見据えた選択基準で、今春から特に調査に力を入れ、重点得意先をリストアップしている。
 一方、従来の業界の保護環境に甘んじ、努力を怠ってきた小売店や、高齢でやる気のない経営者の店は、取引縮小先としてリストアップしている。
 顧客に対するリベート率は、約3%程度であるが、今後は廃止していきたい。
 取引先の評価選別実施を行っているが、現時点では進行中の段階であり、実績の数値向上までには至っていないが、倒産の危機に面している小売店の情報を早めに入手できる等、リストの整備による効果の実感は得られている。  調査にあたる営業マンは殆どが古参の社員であり、得意先との関係は、従来から現在に至るまで、当然のことながら非常に親密である。反面、業績が悪化してきている小売店に対し、今後の取引関係を見直す候補に挙げることには、心情的に割り切りことが困難であり、調査の障害になる可能性がある。
 重点得意先と業態別に区分した得意先別業績管理表を作成し、月次の売上高と粗利益を取引先毎に把握している。  業態別の粗利益が把握できたことで、より客観的な損益計画の立案が可能となった。また、業態毎の変遷が判明し、今後の得意先選択の判定資料にも有効である。  予想を上回る酒類全体の消費の落込みと後継者問題を抱える一般酒店の多くが事業継承意欲を失いつつあり、これに対するサポートが難しい。
 受発注形態の変化に対応しない、或はルール無視の発注を行う等、旧態依然たる得意先も数多く存在し、意識改革が進まない。
 企業内の要件としては、得意先管理の概念を理解し、積極的に実践できるレベルまでには人材が育っていない。
 平成15年度に得意先約300店を、売上高、売上総利益高によるABC分析を行い、得意先別の実態を把握した。結果として約3割の得意先で約8割の売上高を得ていることを把握し、リベート率の決定や訪問頻度、Aグループには専門営業担当者、その他は配送兼任によるリテールサポートを行う等、差別化等に活用している。  得意先あたりの維持経費に対する意識が明確化された。この結果販売額の大きい得意先の確保が重要であるとの観点から、大量販売が想定される新規免許販売店の確保に注力することになり、新規に3得意先の確保を実現した。これによりAグループ以外の得意先の売上高減少をカバーして、減少を続ける売上高を平成17年には前年を僅かではあるが上回ることができた。  得意先ごとの具体的な提案について研究しているが、なかなか良い案が出てこない。
 過疎地における得意先で、後継者もなく経営者の老齢化した店舗では、向上意欲を失ったものもあり、経営上は取引を辞退したい得意先もあるが、地域での有力者である場合も見られ、一概に取引を停止することが得策ではないと考えられるので、その対応に苦慮している。
 販売会議を毎月1回設け、売上(業態別等)、粗利、回収率を確認している。
 得意先の債権管理を重視し、回収状況の把握に努めているが、営業担当者個々の個別的な対応になっている。
 売上拡大のため、百貨店・スーパーマーケット等の量販店、業務用店、中小小売店などの業態別に営業展開を行っている。特に、量販店に対する企画提案や、専門の担当者による業務店の開拓などに注力している。
 販売会議において実績数値を把握することにより、得意先の業態別実績を反映した管理ができている。
業態別の結果として、小売段階の業態変化に沿うように量販店向けの売上を伸ばすとともに、中小小売店向けの販売(数量割合)も回復した。
 営業担当者はじめ組織的にも、予算・実績管理のノウハウや習慣が身についていない。
 日常業務が繁忙なため経営基盤強化計画になかなか本格的に取り組めない。
経営幹部・管理職の計数管理に対する重要性の理解・認識が十分でなく、改善・改革への意思と意欲が足りない。
 会社としての方向性として、得意先強化は重視しており、システム導入によって、現状分析のところまではほぼできている。管理手段としてのOA化は完成しており、小売店のABC分析、売れ筋管理、品揃えなどは管理可能な仕組みになっている。  小売店側の弱小化、意欲低下などの状況から、また当社の営業活動をどのように行うか定まっていないため、手段やツールはあっても、得意先への支援・指導は成果がはっきりとは現れていない。 ・高齢化しつつある営業担当の意識をいかに変えていくか。
・衰退しつつある小売店の意識をどう高揚させるのか。
・現実的には、効果の高い方法が見出せないため具体的な動きを指示できない状態。
 シーズン毎に酒類チラシを作成し斡旋している。頒布会セールのサポートの一環として豪華なカラーチラシを作成(酒類だけでなく地方特産品も掲載)、配布先は経営意欲の旺盛な酒販店を対象に無償配布を実施した。  酒販店向けのチラシ作成斡旋は好評、特にカラー印刷チラシは、厳選された掲載商品とあいまって多いに期待されている。 チラシ、ギフトセール及び利き酒フェア等、販売促進策の企画立案は本社・営業部の専門組織で行っているが、年々マンネリ化は歪めない。この対策として、毎月実施の店長会議で、販促の成果、よかった点、悪かった点を検討、次の販売促進策に反映をしているが、期待している効果は得られにくい。
 中元、歳暮シーズンに特別厳選品パンフレットを制作斡旋(1部10-12ページ、20部までは無償、超過分は有償(斡旋価格は原価の半額))、酒販店からの注文書に基づき当社において包装・荷作りの上、注文主に直送、送料は県内無償、県外は実費徴収している。  ギフトセールは当社の柱となるリテールサポートであり、受注後の包装、配送は当社で一括処理するため酒販店は販売促進に注力できる。加えて、酒類だけでなく地方特産品や話題商品も掲載されているので、新規取引先開拓、スリーピング取引先等の掘り起こしに大きな効果を発揮している。  
 量販店には、販売計画、催事計画、商品サイクル等の検討、実需促進として棚割管理、従業員対象の商品知識勉強会等を随時実施。さらに、非価格競争サポートとして、スーパー、コンビ二等量販店向けに効果的な棚割提案を継続的に実施、特に新製品発売時の店頭陳列手法を提案した。  量販店向けの棚割提案はデジタル写真でビジュアルに作成され、MD(商品企画)やSV(店舗指導員)に好評である。  
 リテールサポートは実施計画書の作成には至っていないが、営業会議を通じて個別対応を指示している。特に、酒小売免許緩和に伴い新たに酒販業に進出した小売店への支援は重点策として取り組んでいる。  新免許店への重点対応の実施(最近2年間で約30店にアプローチ)により、対象店での当社のインストアシェアがアップし、得意先の囲い込み効果がみられた。  
 顧客ファンづくりの一環として、地酒及び焼酎メーカーの協賛を得て、試飲会を実施、対象は酒販店のみでなく業務店主、飲食店主に至るまで対象とし、有償券(1枚1000円)を発行している。  試飲会フェアは、酒販店にとっては取引先業務店との絆を深めるだけでなく商品知識の深掘にもつながり、さらに協賛メーカーにとっても来場者のアンケート分析により当地区の需要動向が把握でき、当社のリテール及びメーカーサポート機能の強化に結びついている。  
 平成17年1月、日配品のフランチャイズに加盟。地域本部として機能している。
 販売店には「1坪の売場を作る」という提案を行った。日配品は顧客の来店頻度を高める効果が期待できるため、販売店に「毎日来店していただいて酒の購入の機会を増やす」と呼びかけた。現在8店舗と契約を締結している。
 従来のお客を固定化するには効果があったが、小売店での売上相乗効果がどのようになっているかは数字で把握していないため不明である。 フランチャイザーが大量に生産販売をしたので、FC契約当初からすれば品質が落ちている。
東京で生産しているため、製造から販売店に届くまで1日の地域的なハンデがある。
日販2万円で毎月の売上目標は60万円を確保する予定であったが、現状は日販1.5万円にも届かない状況である。粗利益率25%であるがロスを考慮すると、経費がやっとまかなえる状態にある。