申告所得税標本調査の概要

1 調査の目的

 この調査は、申告所得税納税者について、所得者区分別・所得種類別の構成、所得階級別の分布及び各種控除の適用状況の実態を明らかにし、併せて租税収入の見積り、税制改正及び税務行政の運営等の基礎資料とすることを目的としている。

2 調査の沿革

 この申告所得税標本調査は、昭和26年分から始まり、以後毎年実施している。調査結果は初回以来、国税庁統計年報書に掲載されてきている。さらに、昭和38年分からは、「税務統計から見た申告所得税の実態」として、若干の解説を加えて公表している。

3 調査の対象

 調査の対象は、各年分の申告所得税について翌年3月31日現在(平成24年分以降は、翌年3月31日までに申告又は処理をした者のうち、6月30日現在)において申告納税額がある者(以下「申告納税者」という。)全部である。したがって、所得金額があっても申告納税額のない者(例えば、還付申告書を提出した者等)は、調査対象から除かれている。

4 調査の方法

 全国524税務署より、所得者区分別・合計所得階級別に、一定の方法で標本を抽出し、その標本の基礎データを基に、母集団全体の計数を推計したものである(一部の調査項目については、全数調査である。)。

申告所得税標本調査の結果

1 用語の解説

  1. (1) 申告納税額は、算出税額から税額控除及び源泉徴収の方法により納付した税額を差し引いたものである。なお、平成25年分以降は、申告納税額には復興特別所得税を含む。
  2. (2) 源泉徴収税額は、源泉徴収の方法により納付した税額をいい、平成25年分以降は、源泉徴収の方法により納付した税額には復興特別所得税を含む。
  3. (3) 解説中の「税額」は、申告納税額に源泉徴収の方法により納付した税額を加えたものである。
  4. (4) 本統計の合計所得金額は、営業等所得、農業所得、利子所得、配当所得等(平成28年分以降は、総合課税の配当所得のほか、分離課税の配当所得及び特定公社債等に係る利子所得を含む。)、不動産所得、給与所得、総合譲渡所得、一時所得、雑所得、山林所得、退職所得、分離短期譲渡所得、分離長期譲渡所得及び株式等の譲渡所得等の合計額から繰越損失額を控除した金額である。なお、雑所得については、先物取引にかかる所得金額を含めたところで表章を行っている。

2 利用上の注意

  1. (1) 各表の階級区分は、合計所得金額による。ただし、第7表「給与収入階級別表」については、給与収入金額、第8表「公的年金等収入階級別表」については、公的年金等収入金額による。
  2. (2) 第3表「所得控除表」のうち、生命保険料控除の「一般」、「個人年金」及び「介護医療」は、各保険料の金額から算出される控除額を示しており、その合計額は最高限度額のある「生命保険料控除」の金額と必ずしも一致しない。
  3. (3) 各表の計数は、単位未満を四捨五入しているので各表の内容と合計が符合しない場合がある。なお、単位未満の計数は「0」、該当する計数のないときは「−」と表示している。
  4. (4) この調査は標本調査であり、抽出された標本の影響が大きく表れる箇所が存在し、実態とは乖離する可能性がある。
  5. (5) 本統計における所得者区分については、各人の所得を1事業所得、2不動産所得、3給与所得、4雑所得及び14以外の所得を合計した所得(以下、「他の区分に該当しない所得」という。)の5つに区分している。
申告納税者 事業所得者 各種所得の金額のうち事業所得の金額が他の各種所得の金額の合計額より大きい者
その他所得者 各種の所得を有する者で、事業所得者以外の者
  不動産所得者 その他所得者で、利子所得、配当所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の金額のいずれよりも不動産所得の金額の方が大きい者
給与所得者 その他所得者で、利子所得、配当所得、不動産所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得、雑所得の金額のいずれよりも給与所得の金額の方が大きい者
雑所得者 その他所得者で、利子所得、配当所得、不動産所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、一時所得の金額のいずれよりも雑所得の金額の方が大きい者
他の区分に該当しない所得者 その他所得者のうち、不動産所得者、給与所得者、雑所得者以外の者

(注)上記の判定を行う場合の各種所得の金額について

1 各種所得の金額の計算上生じた損失額がある場合には、その損失額はないものとした。

2 総合課税の長期譲渡所得の金額又は一時所得の金額がある場合には、それぞれその金額の2分の1に相当する金額とした。

3 分離課税の譲渡所得の金額がある場合には、その金額から譲渡所得の特別控除額を控除した後の金額とした。


【補足1】平成13〜19年分の所得者区分については次のとおりである。
申告納税者 事業所得者
(事業所得だけを有する者及び事業所得の金額が他の所得金額より大きい者)
営業等所得者 事業所得のうち、営業から生ずる所得が最も大きい者をいう(農業所得者を除く)。
農業所得者 事業所得のうち、農業から生ずる所得が最も大きい者をいう。
その他所得者 事業所得者以外の者をいう。

【補足2】平成12年分以前の所得者区分については次のとおりである。
申告納税者 事業所得者
(事業所得だけを有する者及び事業所得の金額が他の所得金額より大きい者)
営業等所得者 事業所得のうち、営業から生ずる所得が最も大きい者をいう。
農業所得者 事業所得のうち、農業から生ずる所得が最も大きい者をいう。
その他事業所得者 事業所得者のうち、営業所得者及び農業所得者以外の者をいう。(例えば、弁護士、医師、芸能人、外交員などの自由職業人である。)
その他所得者 事業所得者以外の者をいう。
  1. (6) 第10表は調査項目に関する標本が僅少なため参考値であり、第1〜9表とも関連しない。

3 正誤情報

4 統計表一覧

統計表
第1表 総括表
第2表 所得種類別表
第3表 所得控除表
第4表 税額控除表
第5表 源泉徴収税額表
第6表 専従者表
第7表 給与収入階級別表
第8表 公的年金等収入階級別表
第9表 扶養人員別表
第10表 租税特別措置法関連項目(参考)

公表予定

問い合わせ先
 本調査についてのお問い合わせは下記にお願いします。
 〒100-8978
 東京都千代田区霞が関3-1-1
 国税庁長官官房企画課 データ活用推進室 調査統計第一係 調査統計第二係
 電話:03(3581)4161 内線3508、3875