平成31年4月に消費税法の一部が改正されました。消費税の仕入税額控除制度に関する主な改正内容は次のとおりです。
改正の概要については、「消費税法改正のお知らせ(PDF/120KB)」をご覧ください。
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課税仕入れに係る資産が納付すべき消費税を納付せずに保税地域から引き取られた課税貨物(いわゆる密輸品(※))であり、当該課税仕入れを行う事業者がその課税仕入れを行う際に、買い取る資産が密輸品であることを知っていた場合には、当該課税仕入れに係る消費税額について仕入税額控除制度の適用を受けることができないこととされました。
※ ここでいう密輸品は、金又は白金の地金に限られず、密輸された全ての資産が対象となります。
【適用開始時期】平成31年4月1日以後に行う課税仕入れから適用されます。
事業者が「金又は白金の地金」の課税仕入れを行った場合において、その課税仕入れの相手方(売却者)の本人確認書類(運転免許証の写しなど)を保存しない場合には、当該課税仕入れに係る消費税額について仕入税額控除制度の適用を受けることができないこととされました。
※ 災害により保存できなかったなど、やむを得ない事情がある場合を除きます。
【適用開始時期】令和元年10月1日以後に行う課税仕入れから適用されます。
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保存する本人確認書類の範囲 | |
保存する本人確認書類は、以下の書類が対象となります。 |
課税仕入れの相手方の区分 | ![]() |
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個人 | 国内に住所を有する方 | ![]() ※ 個人番号が記載された裏面の写しを保存することはできません。 ![]() ※ 個人番号が記載されていないもの ![]() ![]() ※ 写しの被保険者等記号・番号等が記載された部分は、復元できない程度にマスキングする必要があります。 ![]() ![]() ![]() |
国内に住所を有しない方 | 上記![]() ![]() |
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法人 | 内国法人 外国法人 |
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人格のない社団等 | ![]() ![]() ![]() ![]() |
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法人課税信託の受託事業者 | 受託者の本人確認書類(※)に加え、信託約款その他これに類する書類の写し ※ 受託者の区分に応じた本人確認書類(例えば、受託者が内国法人の場合には登記事項証明書など)の保存が必要となります。 |
(注) | 1 | 次の書類は、「課税仕入れの日に有効なもの」が対象です。 マイナンバーカード(個人番号カード)、特別永住者証明書 |
2 | 次の書類は、「課税仕入れの日前1年以内に作成等されたもの」が対象です。 住民票の写し、住民票の記載事項証明書、戸籍の附票の写し、印鑑証明書、登記事項証明書、国税・地方税の領収証書、納税証明書、社会保険料の領収証書 |
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3 | 「官公署から発行された若しくは発給された書類」については、「課税仕入れの日前1年以内に作成されたもの(有効期間又は有効期限のあるものにあっては、課税仕入れの日において有効なもの)」が対象です。 | |
4 | 課税仕入れが媒介、取次ぎ又は代理を行う者を介して行われる場合には、当該課税仕入れの相手方の本人確認書類に加え、当該媒介等をした者の本人確認書類の保存が必要となります。なお、媒介等を行う者を介して行われる課税仕入れが、商品先物取引法第2条第10項に規定する商品市場における取引及び金融商品取引法第2条第17項に規定する取引所金融商品市場(同条第24項第3号の3に規定する商品に係る同条第21項に規定する市場デリバティブ取引が行われるものに限る。)における取引により行われる場合には、媒介等をした者の本人確認書類のみを保存すればよいこととなります。 | |
5 | 令和4年4月1日以後、「国民年金手帳」が廃止されたことに伴い、本人確認書類の対象から除かれています。 なお、経過措置として、令和4年4月1日前に交付済みの「国民年金手帳」は引き続き本人確認書類として認められますが、いわゆる「基礎年金番号通知書」については、経過措置の対象外となっていますので、本人確認書類としては認められないことになります。 |
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6 | 令和6年12月2日以後、健康保険証が廃止されたことに伴い、国民健康保険、健康保険の被保険者証等の写しは本人確認書類の対象から除かれています。 なお、経過措置として、令和6年12月2日時点で有効な国民健康保険、健康保険の被保険者証等の写し(※)は、有効期限までの間、最長1年間(令和7年12月1日まで)本人確認書類として認められます。 ※ 写しの被保険者等記号・番号等が記載された部分は、復元できない程度にマスキングする必要があります。 |
本人確認書類の電磁的記録による保存
保存する課税仕入れの相手方の本人確認書類については、紙により保存する方法のほか、電磁的記録により提供を受けて保存する方法も認められます。 この場合、電磁的記録により提供を受けた本人確認書類については、電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律施行規則第4条第1項各号に掲げるいずれかの措置を行って、同項の要件に準じた方法により保存する必要があります。 具体的には、次の ![]() ![]() ![]() |
【事業者が講じる措置】
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次のイから二のいずれかの措置を行うこと イ 本人確認書類に係る電磁的記録にタイムスタンプが付された後、その電磁的記録を受領すること ロ 次に掲げる方法のいずれかにより、本人確認書類に係る電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すようにしておくこと
ハ 本人確認書類に係る電磁的記録の記録事項について、次のいずれかの要件を満たす電子計算機処理システムを使用してその電磁的記録を保存すること
二 本人確認書類に係る電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、その電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと |
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本人確認書類に係る電磁的記録の保存等に併せて、その保存に係るシステム概要書の備付けを行うこと |
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本人確認書類に係る電磁的記録の保存等をする場所に、その電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、その電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力できるようにしておくこと |
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本人確認書類に係る電磁的記録について、次の要件を満たす検索機能を確保しておくこと
※ 国税に関する法律の規定による電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときは、A及びBの要件が不要となります。 また、当該電磁的記録の提示又は提出の要求に応じることができるようにしている場合で、かつ、その判定期間に係る基準期間における売上高が5,000万円以下の事業者であるとき又は国税に関する法律の規定による電磁的記録の出力書面(整然とした形及び明瞭な状態で出力され、取引年月日その他の日付及び取引先ごとに整理されたものに限る。)の提示又は提出の要求に応じることができるようにしているときは検索機能の全てが不要となります。
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※ | 1 | 提供を受けた電磁的記録を紙に印刷して保存することもできます。この場合は整然とした形式及び明瞭な状態で出力し、紙で受領した場合と同様に保存する必要があります。 |
2 | 紙で受領した本人確認書類をスキャン文書により保存(スキャナ保存)することもできます。その場合については、請求書等をスキャン文書で保存する場合と同様の手続が必要となります。 |
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3 | 電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律(電子帳簿保存法)上の保存方法等については、国税庁ホームページの「電子帳簿等保存制度特設サイト」 に掲載されている「電子帳簿保存法取扱通達解説(趣旨説明)」や「電子帳簿保存法一問一答(Q&A)」を参考としてください。 |