1 この明細書の用途

(1) この明細書は、減価償却資産について定額法又はリース期間定額法により償却額を計算する場合に使用します。

(注) リース期間定額法は、平成10年10月1日以後に締結するリース取引に係る契約の目的とされている減価償却資産について適用されます。

(2) 措置法又は震災特例法による特別償却(措置法第49条の規定による鉱業用坑道等の特別償却を除きます。)を行うものについても、この明細書によります。

(3) 減価償却に関する明細書の提出について、この明細書に代えて令第63条第2項《減価償却に関する明細書の添付》の規定による合計表を添付する場合にも、この表の書式により記載します。
 この場合、その記載に当たっては、「構造2」から「事業の用に供した年月4」まで、「残存価額又は見積残存価額8」から「引当金等の期中取崩額11」まで、「耐用年数14」、「償却率15」、「翌期への繰越額の内訳」の「38」及び「39」の各欄の記載は必要ありません。

(注) 特別償却の対象になった減価償却資産については、第46条及び第46条の2第1項の規定の適用を受けるものを除き、合計表によることはできませんので、御注意ください。 

2 各欄の記載要領

 この明細書は、種類等及び耐用年数の異なるごとに別行(当期の中途で事業の用に供したものについても別行とします。)に記載し、その種類等及び耐用年数の同じ資産については、その合計額により記載します。
 ただし、特別償却の適用を受ける資産は、他の資産と区分して別行に記載してください。

  欄    記載要領  注意事項
「種類1」、「構造2」及び「細目3」
 耐用年数省令別表第一から別表第八までに定める種類、構造及び細目に従って記載しますが、機械及び装置については、耐用年数省令別表第二の番号を「構造2」に記載してください。  
「事業の用に供した年月4」  当期の中途で事業の用に供した資産について、その事業の用に供した年月を記載します。  
「圧縮記帳による引当金又は積立金計上額6」  圧縮記帳により損金の額に算入する金額を帳簿価額の減額に代えて引当金又は積立金(確定した決算において利益又は剰余金の処分により積み立てたものをいい、税効果会計を採用している場合には、その積立金に係る税効果相当額を含みます。以下同じ。)に計上した場合に、その引当金又は積立金に計上した金額のうち、損金の額に算入された金額を記載します。  
「残存価額又は見積残存価額8」
(1)  有形減価償却資産(坑道を除きます。)については、「差引改定取得価額7」の金額の10%に相当する金額を記載するとともに、「(  )」には、「差引改定取得価額7」の金額の5%に相当する金額を記載します。
 ただし、令第48条第1項第7号に規定する国外リース資産については、その国外リース資産をその賃貸借の終了の時において譲渡するとした場合に見込まれるその譲渡対価の額に相当する金額を記載し、「(   )」には 記載を要しません。
(2)  牛馬果樹等については、耐用年数省令別表第十で定める割合により計算した金額(牛及び馬については、その金額が10万円を超える場合には、10万円)を、坑道及び無形固定資産については0と、それぞれ本書として記載します。
 
「期末現在の帳簿価額9」 法人計算の期末帳簿価額を記載します。  
「期末現在の引当金等の金額10」及び「引当金等の期中取崩額11」  圧縮記帳に係る引当金又は積立金及び昭和42年5月31日以前に開始した事業年度において昭和42年改正前の法第31条《減価償却資産の償却費の計算及びその償却方法》の規定により償却に係る引当金を設けている場合に、その引当金又は積立金について記載します。  
「耐用年数14」  耐用年数省令別表第一から別表第八までに定める耐用年数を記載します。  
「償却率15」  耐用年数省令別表第九に掲げる償却率(耐用年数省令第4条第2項《事業年度が1年未満の場合の償却率》の規定の適用を受ける場合には、同条第1項に規定する定額法の償却率に暦に従って計算した当期の月数を乗じて12で除した償却率)を記載します。  耐用年数省令第4条第2項の規定により計算した定額法の償却率は、小数点以下3位未満の端数は切り上げます。
「リース期間の月数16」及び「当期に含まれるリース期間の月数17」  令第48条第1項第7号に規定するリース取引に係る契約において定められている国外リース資産の貸賃借の期間の月数及び当期におけるその国外リース資産の貸賃借の期間の月数を記載します。  
「算出償却額18」  次の区分に応じ、それぞれ次により記載します。
(1)  定額法により償却限度額の計算を行う場合
((13)×(15))
 なお、当期の中途で事業の用に供したものについては、更にその金額にその事業の用に供した日以後の月数(暦に従って計算し、1月未満の端数は切り上げます。)を乗じ、これを当期の月数で除した金額を記載します。
(2)  リース期間定額法により償却限度額の計算を行う場合
((13)×(17)/(16))
 令第60条の2《陳腐化した減価償却資産の償却限度額の特例》の規定の適用を受けた場合には、その陳腐化償却限度額をこの欄及び「合計25」欄にそれぞれ外書きします。この場合には、償却限度額の計算の明細を別紙に記載して添付してください。
「増加償却額19」  令第60条《通常の使用時間を超えて使用される機械及び装置の償却限度額の特例》に規定する増加償却の適用を受ける場合に、規則第20条《増加償却割合の計算》の規定により計算した増加償却割合を「( )」に記載するとともに、「算出償却額18」の金額にその割合を乗じた金額を本書として記載します。  この場合には、令第60条の届出書を所轄の税務署長に提出するとともに、平均的使用時間を超えて使用したことを証する書類を保存していなければなりません。
「租税特別措置法適用条項21」及び「割増償却額22」並びに「租税特別措置法適用条項23」及び「特別償却額24」  措置法又は震災特例法による割増償却に関する規定又は特別償却に関する規定の適用を受ける場合に、その割増償却率又は特別償却率を「( )」に記載するとともに、その割増償却額又は特別償却額を本書として記載します。  震災特例法の規定の適用を受ける場合には、各欄中「租税特別措置法」とあるのは「震災特例法」として記載します。
「計25」  「22」又は「24」に記載した金額のうち、措置法第52条の3《準備金方式による特別償却》(震災特例法第17条第5項又は第18条第5項の規定により読み替えて適用する場合を含みます。)の規定により特別償却準備金として積み立てるものについて、その積立てに係る特別償却限度額を外書として記載し、それ以外の特別償却限度額を本書として記載します。  この外書の金額は、別表十六(七)「特別償却準備金の損金算入に関する明細書」の「当期の特別償却限度額3」へ移記します。
「前期から繰り越した償却不足額又は合併等特別償却不足額26」  青色申告法人が特別償却限度額につき損金経理により償却額を計上する方法を採用した場合に生じた特別償却不足額のうち当期首前1年以内に開始した事業年度に係るものの合計額を記載します。
 なお、適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立(以下「適格合併等」といいます。)により特別償却対象資産の移転を受けた場合で措置法第52条の2第5項に定める合併等特別償却不足額があるときは、当該金額を記載します。
 
「当期償却額28」  償却費として損金経理をした金額を記載します。  特別償却準備金として積み立てた金額は、償却費として損金経理をした金額ではありません。

「前期からの繰越額31」

 適格合併、適格分割、適格現物出資又は適格事後設立により移転を受けた減価償却資産について法第31条第5項に規定する満たない部分の金額がある場合は、その金額を外書きします。  
「償却不足によるもの32」  当期に償却不足額がある場合において、前期から繰り越された償却超過額があるときは、その償却不足額に達するまでは損金に認容されますから、その認容される金額を記載します。  
「引当金等取崩しによるもの33」  当期に圧縮記帳に係る引当金又は積立金及び昭和42年改正前の法第31条の規定による償却に係る引当金を取り崩した場合において、その引当金又は積立金及び昭和42年改正前の法第31条の規定による償却に係る引当金が設定されている減価償却資産に係る償却超過額(当期に生じた償却超過額を含みます。)があるときは、その取り崩した金額に達するまでは損金に認容されますから、その認容される金額を記載します。  
「償却不足額」の各欄  青色申告法人に限り、記載します。  
「当期において切り捨てる償却不足額又は合併等特別償却不足額36」  当期の末日以前1年以内に開始した事業年度前の事業年度において生じた特別償却不足額又は適格合併等により移転を受けた特別償却対象資産に係る措置法第52条の2第5項に定める合併等特別償却不足額で当期末までに損金の額に算入されなかった金額を記載します。  
「当期分不足額39」  「合計27」の金額から「当期償却額28」の金額及び「前期から繰り越した償却不足額又は合併等特別償却不足額26」の金額又は「償却不足によるもの32」の金額を控除した金額と、「計25」の金額とのうち、いずれか少ない金額を記載します。  
「合併等特別償却不足額40」  適格合併等により移転を行った特別償却対象資産に係る措置法第52条の2第5項に定める合併等特別償却不足額の金額を記載します。  

3 付表の添付

  措置法又は震災特例法の規定による特別償却の適用を受ける場合には、措置法第49条《鉱業用坑道等の特別償却》の規定の適用を受ける場合を除き、特別償却限度額の計算に関する付表の添付が必要です。
 なお、この付表の用紙は税務署の窓口に用意してありますので、御利用ください。 

4 証明書等の添付

 特別償却制度についてその適用を受けるときは、所定の証明書等が必要とされます。この場合の各特別償却制度ごとに必要とされる証明書等及びその保存要件又は確定申告書等への添付要件は、次表に掲げるとおりとされています。

(注) 次表は平成14年4月1日現在の法令に基づいています。

特別償却の種類 該当条項 必要とされる証明書等 保存
要件
添付
要件
エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却 平成14年改正前の措置法42の51 平成14年改正前の措置法令27の510に規定する認定に係る書類  
事業基盤強化設備を取得した場合の特別償却 措置法42の71 改善事業が構成員により実施されるものである場合は、措置法令27の78に規定する証明に係る書類  
特定設備等の特別償却 措置法431表一 特別償却の対象とされるものが中小企業者以外の法人の一定の新増設設備である場合は、措置法規則20の63又は4に規定する書類  
特別償却の対象とされるものが更新設備である場合は、措置法規則20の66又は7に規定する書類  
関西文化学術研究都市の文化学術研究地区における文化学術研究施設の特別償却 措置法43の21 措置法令28の21二に規定する証明に係る書類  
特定中核的民間施設等の特別償却 措置法43の31 措置法規則20の71に規定する書類  
事業革新設備等の特別償却 措置法44の41 措置法規則20の92に規定する書類の写し  
措置法44の42 措置法規則20の93に規定する証明に係る書類  
特定余暇利用施設の特別償却 措置法44の51 措置法規則20の103に規定する書類  
特定電気通信設備の特別償却 措置法44の61表一 措置法令28の91に規定する証明に係る書類  
措置法44の61表二 措置法令28の92に規定する証明に係る書類  
措置法44の61表三 措置法令28の94に規定する証明に係る書類  
措置法44の61表四 措置法令28の95に規定する証明に係る書類  
措置法44の61表五 措置法令28の99に規定する証明に係る書類  
商業施設等の特別償却 措置法44の71表二 特別償却の対象とされる共同利用施設が商店街整備計画又は店舗集団化計画である場合は、措置法令28の102一に規定する書類  
措置法44の71表五 措置法規則20の121に規定する証明に係る書類  
措置法44の71表六 措置法規則20の122又は3に規定する証明に係る書類  
措置法44の71表七 措置法規則20の124又は5に規定する証明に係る書類  
措置法44の71表八 措置法規則20の126に規定する証明に係る書類  
措置法44の71表九 措置法規則20の128に規定する証明に係る書類  
措置法44の71表十 措置法規則20の129又は10に規定する証明に係る書類  
特定集積地区における輸入関連事業用資産の特別償却 措置法44の101 措置法規則20の14に規定する書類  
医療用機器等の特別償却 措置法45の31表一ハ 措置法規則20の16の22に規定する書類  
措置法45の34 措置法規則20の16の25に規定する書類  
経営基盤強化計画を実施する特定組合等の構成員等の機械等の割増償却 平成14年改正前の措置法461 平成14年改正前の措置法令291に規定する証明書  
割増償却の対象とされる漁船が燃料の使用の合理化に著しく資するものに該当する場合は、平成14年改正前の措置法規則 20の17に規定する書類の写し  
措置法461 措置法令291に規定する証明書  
平成11年改正前の措置法461 平成11年改正前の措置法令291に規定する証明書  
平成11年改正前の措置法461 平成11年改正前の措置法令295又は6に規定する証明書  
障害者を雇用する場合の機械等の割増償却等 措置法46の21 割増償却の対象とされる資産が車両及び運搬具に該当する場合は、措置法令29の22に規定する証明に係る書類  
措置法令29の27及び8に規定する証明に係る書類  
措置法46の22表一 措置法規則20の181に規定する証明に係る書類  
措置法46の22表二から四まで 措置法規則20の182に規定する証明に係る書類  
農業経営改善計画等を実施する法人の機械等の割増償却 措置法46の31一イ 措置法規則20の191一に規定する書類  
措置法46の31一ロ 措置法規則20の191二に規定する書類  
措置法46の31一ハ 措置法規則20の191三に規定する書類  
措置法46の31一ニ 措置法規則20の191四又は五に規定する書類  
措置法46の31一イからニまで共通 措置法規則20の198一に規定する書類(割増償却の適用を受ける最初の事業年度のみ)  
措置法46の31 措置法規則20の1956に規定する書類  
措置法規則20の198二に規定する書類(割増償却の適用を受ける最初の事業年度のみ)  
措置法46の31 措置法規則20の197に規定する書類  
措置法規則20の198三に規定する書類(割増償却の適用を受ける最初の事業年度のみ)  
優良賃貸住宅等の割増償却 措置法471 措置法規則20の202に規定する申請書の写し及び書類の写し(割増償却の適用を受ける最初の事業年度のみ)  
措置法471二イ 措置法規則20の203に規定する書類の写し、確認通知書の写し及び検査済証の写し(割増償却の適用を受ける最初の事業年度のみ)  
措置法471二ロ 措置法規則20の204に規定する書類、確認通知書及び検査済証の写し並びに同項各号に定める書類(割増償却の適用を受ける最初の事業年度のみ)  
措置法473 措置法規則20の205に規定する書類  
特定再開発建築物等の割増償却 措置法47の21 措置法規則20の218に規定する書類(割増償却の適用を受ける最初の事業年度のみ)  
倉庫用建物等の割増償却 措置法481 措置法規則20の228に規定する書類(割増償却の適用を受ける最初の事業年度のみ)  
被災者向け優良賃貸住宅等の割増償却 震災特例法17 震災特例法規則83一又は二に規定する書類  

5 根拠条文 法31、令56〜63、規則9の3〜21の2、耐用年数省令、平成14年改正前の措置法42の51、42の71、 42の81、42の101、42の111、平成14年改正措置法附則212、43〜49、52の2、措置法令27の5〜30、措置法規則20の2〜20の22、震災特例法17、18、震災特例法令15、16、震災特例法規則8  

法人税申告書の記載の手引