1 利益積立金額の計算に関する明細書

(1) この明細書の用途

この明細書は、法第2条第18号に規定する利益積立金額を計算するために使用します。

(2) 各欄の記載要領

記載要領 注意事項
「区分」の「 積立金2」以下の空欄  「利益準備金1」以外の利益積立金額 (税務上の否認金額のうち留保した金額を含みます。) について、その名称を記載します。  
「期首現在利益積立金額1  前期分のこの明細書の「差引翌期首現在利益積立金額5」の各欄の金額 (更正又は決定があった場合には、その際にお知らせしてある金額) を移記します。  この申告が中間申告であるときは、この欄だけを記載し、「当期中の増減」、「当期利益金処分等による増減4」及び「差引翌期首現在利益積立金額5」欄の記載は必要ありません。
「当期中の増減」  原則として、「減2」には別表四の「減算」の「留保2」の金額を、「増3」には別表四の「加算」の「留保2」の 金額を、その内容に応じて記載します。 この場合に別表四の「減算」欄に記載した仮払法人税額、仮払道府県民税額又は仮払市町村民税額については「増3」に△印を付けて記載します。
 なお、次のような場合には、別表四と関係なく次により記載します。
(1)  納税充当金を取り崩して、法人税 (利子税、延滞税を除きます。)、道府県民税又は市町村民税の額を納付した場合には、「納税充当金27」の「減2」にその合計額を記載するとともに、「未納法人税28」、「未納道府県民税29」又は「未納市町村民税30」の「減2」にこれらの税額をそれぞれ記載します。
(2)  当期の中間納付額として納付すべき法人税、道府県民税又は市町村民税の額がある場合には、納付の有無に関係なく、別表五(二)の「当期発生税額2」の「3」、「9」及び「14」の金額を「未納法人税等28〜30」の「増3」にそれぞれ記載します。
(3)  当期中に支払を受ける利子等 (当期末までにその利払期の到来しているものに限ります。) に係る道府県民税利子割額がある場合には、納付の有無に関係なく、別表五(二)の「当期発生税額2」の「8」の金額を「未納道府県民税29」の「増3」に記載します。
(4)

 中間配当積立金を取り崩していわゆる中間配当をした場合には、その積立金の取崩額を「減2」に記載するとともに、「繰越損益金26」の「増3」欄に記載します。
 なお、この場合に商法第288条《利益準備金》の規定により積み立てた中間配当に係る利益準備金の額は、「利益準備金1」の「増3」に記載します。

(5)  適格合併又は適格分割型分割により被合併法人又は分割法人から引継ぎを受けた利益積立金額がある場合には、令第9条第1項又は同条第2項に規定する金額を「増3」に記載します。
(6)  減資等により払い戻した利益積立金額がある場合には、「減2」に記載します。
(注)

 この場合には、資本に組み入れた利益積立金額又は減資等により払い戻した利益積立金額の金額だけが、この表の左余白に記載された検算式と不符合となります。

(1)  別表四の「加算」の「損金の額に算入した法人税 (附帯税を除く。) 2」、「損金の額に算入した道府県民税 (利子割額を除く。) 及び市町村民税3」及び「損金の額に算入した道府県民税利子割額4」の「留保2」の金額については、「未納法人税28」、「未納道府県民税29」及び「未納市町村民税30」の「減2」にそれぞれ記載します。
(2)  利益処分の方法により経理した準備金の金額で損金の額に算入するものについては、その積立額を「当期利益金処分等による増減4」に記載し、別表四において「減算」欄に記載した金額を「当期中の増減」の「増3」に△印を付して記載します。
(3)  中間配当又は中間配当に係る利益準備金の積立てのため取り崩した繰越利益金の額は、「繰越損益金26」の「減2」の金額に含まれることになります。
「繰越損益金26」  「期首現在利益積立金額1」には、前期繰越利益金を黒書し、前期繰越欠損金を△印を付して記載し、同一金額を「減2」に記載することによって「期首現在利益積立金額1」を0とし、改めてその事業年度の利益処分による翌期繰越額を「当期利益金処分等による増減4」に記載します。  「増3」の金額がある場合には、「1」の金額と「3」の金額との合計額を「2」に記載します。
「未納法人税 (附帯税を除く。) 28」  所得に対する法人税 (リース特別控除取戻税額、使途秘匿金の支出の額に対する法人税、土地譲渡利益金額に対する法人税及び同族会社の留保金額に対する法人税を含みます。) の本税の額を記載します。  
「当期利益金処分等による増減4」の「未納法人税等」の各欄  この申告により納付すべき法人税、道府県民税又は市町村民税の額について別表五(二)の「期末現在未納税額6」の「4」、「10」及び「15」の本書の金額をそれぞれ記載します。  別表五(二)の「期末現在未納税額6」の「4」、「10」及び「15」に外書(△印) の金額がある場合 (すなわち、中間納付額の還付金がある場合) には、「3」から「25」までの空欄に「未収還付法人税」等と記載の上、「当期利益金処分等による増減4」にその金額(△印は付けません。) を記載します。

(3) 根拠条文 法2十八

2 資本積立金額の計算に関する明細書

(1) この明細書の用途

この明細書は、法第2条第17号に規定する資本積立金額を計算するために使用します。

(2) 各欄の記載要領

記載要領 注意事項
「区分」の「33」及び「34」の空欄  「資本準備金32」以外の資本積立金額について、その名称を記載します。  
「期首現在資本積立金額1  前期分のこの明細書の「差引翌期首現在資本積立金額4」の各欄の金額 (更正又は決定があった場合には、その際にお知らせしてある金額) を移記します。  この申告が中間申告であるときは、この欄だけを記載し、「当期中の増減」及び「差引翌期首現在資本積立金額4」欄の記載は必要ありません。
「当期中の増減」
(1)  次の1から10までの金額を「資本準備金32」から「34」までの各欄の「増3」欄に記載します。
1

 株式 (適格現物出資により現物出資法人に発行するものを除きます。) の発行価額のうち資本に組み入れなかった金額

2  自己の株式を譲渡した場合(合併、分割又は株式交換により新株を発行することに代えて自己が有していた自己の株式を交付した場合を除きます。 )における譲渡対価の額(新株予約権の行使により新株を発行することに代えて自己が有していた自己の株式を交付した場合には、当該新株予約権の発行価額に相当する金額を含みます。)から当該自己の株式の当該譲渡の直前の帳簿価額を減算した金額
3  協同組合等及び令第8条各号に掲げる法人が新たにその出資者となる者から徴収した加入金の額
4  合併、分割型分割又は分社型分割 (以下「合併等」といいます。) により移転を受けた資産及び負債の純資産価額 (注1) から次の金額の合計額を減算した金額

 合併等により増加した資本の金額又は出資金額 (その合併等が法人を設立する合併等である場合にあっては当該法人の資本の金額又は出資金額)

 合併等により交付した当該法人の自己株式の合併等の直前の帳簿価額 (注2)
 合併等により交付した金銭の額と金銭及び合併法人等の株式以外の資産の価額との合計額
(注)
1

 合併等により交付した合併法人等の株式、金銭又は当該株式及び金銭以外の資産の合併等の時の価額をいいます。
 ただし、適格合併又は適格分割型分割の場合は、被合併法人等の適格合併等の日の前日の属する事業年度終了の時の移転資産の帳簿価額から移転負債の帳簿価額及び被合併法人等から引継ぎを受ける利益積立金額を減算した金額をいい、適格分社型分割の場合は、適格分社型分割の直前の移転資産の帳簿価額から移転負債の帳簿価額を減算した金額をいいます。

2  当該株式を被合併法人等が有していた場合で、当該合併等が適格合併等に該当しない合併等であるときは、合併等の時の価額に相当する金額とします。
5  適格現物出資により移転を受けた資産の現物出資法人の当該移転の直前の帳簿価額(注)から適格現物出資により増加した資本の金額 (その現物出資が新設現物出資である場合にあっては、その設立の時における資本の金額) を減算した金額
(注)  当該資産と併せて負債の移転を受けた場合にあっては、現物出資法人の移転直前の資産の帳簿価額から負債の帳簿価額を減算した金額となります。
6  適格事後設立により資産の移転を受け、又はこれと併せて負債の移転を受けた場合における帳簿価額修正益に相当する金額
7  株式交換又は株式移転による完全親会社の完全子会社株式の受入価額からその株式交換により増加した資本の金額その他の令第8条の2第6項に規定する金額又は株式移転により設立された完全親会社の資本の金額その他の令第8条の2第7項に規定する金額の合計額を減算した金額
8  資本又は出資の減少 (株式を消却したもの及び金銭その他の資産を交付したものを除きます。) により減少した資本の金額又は出資金額に相当する金額
9  資産再評価法又は旧企業資本充実のための資産再評価等の特別措置法の規定により再評価積立金又は商法第288条ノ2第1項 (有限会社法第46条において準用する場合を含みます。) の資本準備金として積み立て、又はこれに組み入れた金額
10  財団である医療法人又は社団である医療法人で持分の定めがないものが、その設立について贈与又は遺贈を受けた金銭の額又は金銭以外の資産の価額(相続税法第66条第4項の規定によりこれらの資産につき贈与税又は相続税を納付する場合には、その贈与税又は相続税の額に相当する金額を控除した金額)
(2)  次の1から10までの金額を△印を付して「資本準備金32」から「34」までの各欄の「増3」欄に記載します。
1

 商法第293条ノ2 (配当可能利益の資本組入れ) 又は同法第293条ノ3 (準備金の資本組入れ) の規定により資本に組み入れた利益の額又は準備金の額に相当する金額

2  組織の変更により増加した資本の金額又は出資金額に相当する金額
3  分割法人の分割型分割(適格分割型分割を除きます。)の日の前日の属する事業年度終了の時 (3において「期末時」といいます。) の分割資本等金額(当該分割法人の期末時の資本等の金額を基礎として令第8条の2第8項の規定により計算をした金額)から分割型分割により減少した資本の金額又は出資金額を減算した金額
4  分割法人が適格分割型分割により分割承継法人に移転する資産の適格分割型分割の日の前日の属する事業年度終了の時 (4において「期末時」といいます。)の帳簿価額から移転をする負債の当該期末時の帳簿価額、分割承継法人に引き継ぐ利益積立金額及び当該適格分割型分割により減少した資本の金額又は出資金額を減算した金額
5  適格事後設立により資産の移転を受け、又はこれと併せて負債の移転を受けた場合における帳簿価額修正損に相当する金額
6  減資等の直前の資本等の金額を基礎として令第8条の2第9項の規定により計算をした金額 (減資資本等金額) から減資等により減少した資本の金額又は出資金額を減算した金額 (減資資本等金額が当該減資等により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額を超える場合には、その超える部分の金額を減算した金額)
7  株式の消却(取得した株式について行うものを除きます。)の直前の資本等の金額を直前の発行済株式又は出資の総数で除して計算した金額に消却に係る株式の数を乗じて計算した金額 (消却資本等金額) から消却により減少した資本の金額又は出資金額を減算した金額 (消却資本等金額が消却により交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額を超える場合には、その超える部分の金額を減算した金額)
8  株式の消却(取得した株式について行うものに限ります。) の直前の株式の帳簿価額を直前の株式の数で除し、これに消却に係る株式の数を乗じて計算した金額から消却により減少した資本の金額又は出資金額を減算した金額
9  社員の退社又は脱退の直前の資本等の金額を直前の出資総口数で除して計算した金額に退社又は脱退をした社員の出資口数を乗じて計算した金額 (退社資本等金額) から退社又は脱退により減少した出資金額を減算した金額 (退社資本等金額が退社又は脱退による持分の払戻しとして交付した金銭の額及び金銭以外の資産の価額の合計額を超える場合には、その超える部分の金額を減算した金額)
10  法第61条の2第4項 (合併及び分割型分割による株式割当等がない場合の譲渡利益額又は譲渡損失額の計算) の規定により、株式割当等を受けたものとみなされる自己の株式の帳簿価額に相当する金額
 

(3) 根拠条文 法2十七  

法人税申告書の記載の手引