【照会要旨】

 当社は、X1年4月1日にA社、B社及びC社の出資(いずれも、法人であり、出資状況等は以下のとおりです。)により、資本金350万円で、3月決算法人として設立されました。当社のX1年4月1日からX2年3月31日までの課税期間(設立1期目)及びX2年4月1日からX3年3月31日までの課税期間(設立2期目)の納税義務はどうなるのでしょうか。

(出資状況等)

  1. A社:100万円、B社:200万円、C社:50万円
      なお、X3年3月31日までの間に出資状況に変更はない。
  2. C社はB社の100%子会社である。
  3. A社及びB社の課税売上高は常に5億円以下であり、C社は、常に5億円超である。

【回答要旨】

 貴社は、特定新規設立法人に該当することから、設立1期目及び設立2期目の納税義務は免除されません。

(理由)
 その事業年度の基準期間がない資本金1,000万円未満の新規設立法人のうち、その基準期間がない事業年度開始の日において特定要件(注1)に該当し、かつ、新規設立法人が特定要件に該当する旨の判定の基礎となった他の者及びその他の者と一定の特殊な関係にある法人(以下「特殊関係法人」といいます。注2)のうちいずれかの者の課税売上高(新規設立法人のその事業年度の基準期間に相当する期間の課税売上高)が5億円を超える法人については、特定新規設立法人に該当し、その基準期間がない事業年度について、事業者免税点制度は適用されません。
 貴社は、X1年4月1日において、B社により50%超の出資が行われており、その後の出資状況に変化がないことから、設立1期目及び設立2期目ともに特定要件に該当します。また、B社の100%子会社であるC社は特殊関係法人に該当し、同社の課税売上高は常に5億円超であることから、貴社は特定新規設立法人に該当するため、事業者免税点制度は適用されず、設立1期目及び設立2期目の納税義務は免除されません。

(注1) 特定要件とは、他の者により新規設立法人の発行済株式又は出資(当該新規設立法人が有する自己の株式又は出資を除きます。以下「発行済株式等」といいます。)の50%超を直接又は間接に保有される場合など、他の者により新規設立法人が支配される場合をいいます。この特定要件に該当するか否かは、その基準期間がない事業年度開始の日の現況によります(「特定要件」の詳細については、「特定新規設立法人の納税義務免除の特例(特定要件の判定)」を参照ください。) 。

(注2) 特殊関係法人とは、他の者(新規設立法人の発行済株式等若しくは一定の議決権(当該他の者が行使することができない議決権を除きます。)を有する者又は株主等(持分会社の社員に限ります。)である者に限り、個人である場合にはその親族等を含みます。)が他の法人の株式等の全部を有する場合における当該他の法人などをいいます(「特殊関係法人」の詳細については「特定新規設立法人の納税義務免除の特例(特殊関係法人の範囲)」を参照ください。) 。

【関係法令通達】

 消費税法第12条の3第1項、消費税法施行令第25条の2、消費税法施行令第25条の3、消費税法基本通達1−5−15の2

注記
 令和5年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。