(注)令和5年分民間給与実態統計調査は終了しました。

民間給与実態統計調査

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民間給与実態統計調査の概要

1 調査の目的

 この調査は、統計法に基づく基幹統計「民間給与実態統計」の作成を目的とする調査である。「民間給与実態統計」は、民間の事業所における年間の給与の実態を、給与階級別、事業所規模別、企業規模別等に明らかにし、併せて、租税収入の見積り、租税負担の検討、税務行政運営等の基本資料とすることを目的としている。

2 調査の沿革

 民間給与実態統計調査は、昭和24年分から始まり、以後毎年実施している。
 昭和29年分の調査から、統計法に基づく指定統計(第77号)となり、平成19年の統計法改正により、平成20年分の調査からは基幹統計とされている。

3 調査の特色

 この調査の特色は、次のとおりである。

(1) 従事員1人の事業所から従事員5,000人以上の事業所まで広く調査していること。

(2) 給与階級別、性別、年齢階層別及び勤続年数別による給与所得者の分布が分かること。

(3) 企業規模別(事業所の属する企業の組織及び資本金階級別)に給与の実態が分かること。

4 調査の対象

 この調査は、各年12月31日現在の源泉徴収義務者(民間の事業所に限る)に勤務している給与所得者(所得税の納税の有無を問わない。)を対象としている(下図網掛け部分)。

  源泉徴収義務者
民間の事業所 官公庁等
給与所得者 従業員(パート・アルバイトなどを含む。)、役員 国家公務員、地方公務員、公庫職員等(パート・アルバイトなどを含む。)
全従事員について源泉所得税の納税がない事業所の従事員
労働した日又は時間によって給与の金額が算定され、かつ、労働した日にその都度給与の支給を受ける者

5 抽出方法

 この調査は、国税庁が作成する源泉徴収義務者名簿を基に、標本として抽出された源泉徴収義務者(以下「標本事業所」という。)及び標本事業所に勤務する給与所得者(以下「標本給与所得者」という。)について行った。
 標本の抽出は、標本事業所の抽出及び標本給与所得者の抽出の2段階からなっている。

(1) 第1段抽出
 事業所を、事業所の従事員数等によって層別し、それぞれの抽出率で標本事業所を抽出した。
 なお、第1段抽出は、国税庁長官官房企画課で行い、抽出された標本事業所には、国税局総務部企画課(沖縄国税事務所にあっては総務課。)から調査票を送付した。
 ※第1層から第5層の抽出に当たっては、重複是正措置を実施しています。

(2) 第2段抽出
 標本事業所の給与台帳を基にして、一定の抽出率により標本給与所得者を抽出した。ただし、標本事業所において年間給与額が2,000万円を超える者は、全数を抽出した。
 なお、第2段抽出は、標本事業所が行った。

6 調査事項

イ 源泉徴収義務者に関する事項

(イ) 名称又は氏名

(ロ) 所在地又は住所

(ハ) 企業の主な業務

(ニ) 給与所得者用調査票の枚数及び人員数

(ホ) 組織及び資本金

(ヘ) 給与所得者数

(ト) 年間給与支給総額

(チ) 給与支給総額に対する年間源泉徴収税額

ロ 給与所得者に関する事項

(イ) 給与所得者の氏名又は記号等、性別、年齢、勤続年数及び職務

(ロ) 年中の給与の受給月数

(ハ) 年末調整の有無

(ニ) 扶養親族の内訳

(ホ) 給与の金額

(ヘ) 所得控除額及び税額控除額の内訳

(ト) 年税額

7 調査の時期

 各年12月31日現在

8 調査の方法

(1)調査の実施系統について

 民間給与実態統計調査は、国税庁−国税局(所)−民間事業者−標本事業所の流れにより行っている。
具体的には、国税庁において、標本となる事業所の抽出を行い、抽出された標本事業所には、各国税局(所)を経由し、国税庁長官が委託する民間事業者(以下、委託業者という。)から調査票を送付する。標本事業所において記入された調査票は、委託業者を経由して、国税庁へ提出される。
 なお、委託業者は調査票の発送・収受のほか、調査票の記入内容に係る質疑応答及び調査票の督促(電話及びハガキ) 等を行っている。

(2)調査票について

 調査票には、事業所に関する事項を記入する「事業所用の調査票」と給与所得者に関する事項を記入する「給与所得者用の調査票」の2種類があり、いずれも標本事業所が記入を行い、個々の給与所得者は、調査票の記入を行っていない。
 標本事業所は、「事業所用の調査票」に、事業所の従事員数、調査対象年中に支給した給与総額、源泉徴収した所得税額等を記入し、「給与所得者用の調査票」に、給与所得者の性別、年齢、給与金額、源泉徴収税額、扶養人員、控除した生命保険料の金額等を記入することで調査票の作成を行っている。

(3)調査票の提出について

 民間給与実態統計調査は、@インターネット(オンライン調査システム)、A光ディスク等(CD、DVD等)、B送付された調査票のいずれかにより回答し、@についてはインターネット回線を経由し提出、A及びBについては、郵送により提出する。
 なお、令和5年分調査におけるオンライン調査システムを利用した回答の割合は、64.0%である。

(参考)オンライン調査システムを利用した回答の推移

年分 オンライン回答利用率
令和3年分 57.5%
令和4年分 57.7%
令和5年分 64.0%

9 集計の方法

(1) 集計の実施系統について

 標本事業所から提出された調査票は、委託業者において記入不備や記入誤り等を確認しデータ化された後、国税庁長官官房企画課において集計される。
 なお、データ化にあたっては、委託業者において、OCRソフトで読み込まれる。その際、OCRソフトで読み込まれた結果については、調査票の内容と相違がないか目視により確認を行っている。

(2) 集計の方法について

 国税庁は、集められた調査票の記入内容の矛盾等について精査し、必要な補足訂正が完了したものについて集計する。補足訂正を行う際に、行政記録情報を用いることはない。
 なお、補足訂正が不可能な調査票については、得られた情報全体を集計対象外としている。
 その上で、回答が得られた数値(非回答及び一部非回答除く。)の集計結果に、回答率(有効回答数/母集団数)の逆数を乗じて全体の推計を行っている。

10 調査の根拠法令

 民間給与実態統計調査は、国が行う重要な統計として、「統計法(平成19年法律第53号」による「基幹統計」に指定され、「民間給与実態統計調査規則(昭和30年2月22日大蔵省令第3号)」に従って調査を実施している。

11 調査票等

(1) 調査票

(2) 調査票の記入のしかた

(3) 調査票(給与所得者用)の記入対象者の決め方

(4) オンライン調査関係

12 Q&A

13 その他参考

 他の賃金関連統計との比較・相違点は、以下のとおり

※ 総務省 令和2年度委託による調査研究「賃金関連統計の比較検証に関する調査研究」より

民間給与実態統計調査の結果

1 用語の解説

用語 解説
事業所規模 各年12月31日現在の事業所の従事員数による区分である。
企業規模 各年12月31日現在の事業所の属する企業の組織及び資本金による区分である。
1年を通じて勤務した給与所得者 各年の1月から12月まで引き続き勤務し、給与の支給を受けた月数が12か月の者をいう。
1年未満勤続者 「1年を通じて勤務した給与所得者」以外で、12月31日現在在職している者をいう。
源泉徴収義務者 所得税法の規定により、給与等について源泉徴収する義務がある者をいう。
給与所得者 「1年を通じて勤務した給与所得者」と「1年未満勤続者」の両方を合計したものである。
役員 法人の取締役、監査役、理事、監事等をいう。
正社員(正職員)

役員、青色専従者を除く就業規則等、雇用管理上において、正社員(正職員)として処遇している給与所得者をいう。

正社員(正職員)以外
(パート・アルバイトなど)

役員、青色専従者を除くパート・アルバイト等、「正社員(正職員)」として処遇していない給与所得者をいう。

給与 各年における1年間の支給総額(給料・手当及び賞与の合計額をいい、給与所得控除前の収入金額である。)で、通勤手当等の非課税分は含まない。
なお、役員の賞与には、企業会計上の役員賞与のほか、税法上役員の賞与と認められるものも含まれている。
給与階級 給与収入金額による階級である。
平均給与 給与支給総額を給与所得者数で除したものである。
税額 給与所得者に支給される給与について、源泉徴収された所得税額(平成25年分は、復興特別所得税を含む。)である。
平均年齢 給与所得者の各年12月31日現在における年齢(1年未満の端数は切捨て)の総計を給与所得者数で除したものである。
平均勤続年数 給与所得者の各年12月31日現在における勤続年数(1年未満の端数は切捨て)の総計を給与所得者数で除したものである。
その他の法人 株式会社を除く次の法人をいう。

有限会社、合名会社、合資会社、合同会社、協業組合、企業組合、相互会社、医療法人、特定非営利活動法人、人格のない社団等、協同組合等、公益法人等、公共法人及び外国法人。
なお、公益法人等及び公共法人のうち、職員の身分が公務員に準じている公庫、事業団、公社、特定独立行政法人、特定地方独立行政法人は調査対象外としている。

扶養人員 所得税法の規定により配偶者控除、扶養控除の対象となった配偶者及び扶養親族の合計人員である。
納税者 給与所得者のうち、源泉徴収された所得税額がある者をいう。
乙欄適用者 1人の給与所得者が2か所以上の支払先から給与の支払を受けている場合に、主たる給与以外の給与分に関し独立した給与所得者とみなして乙欄適用者という。
年末調整を行わなかった者 乙欄適用者、前職の給与が不明である者、年間給与額が2,000万円を超える者など、年末調整を行わなかった者をいう。

2 業種の分類

 この調査の業種は、「日本標準産業分類(平成25年10月改定)」(総務省)に基づき、次のとおり14種類に分類している。

業種分類名 業種の内訳
建設業 総合工事業、職別工事業、設備工事業
製造業 食料品製造業、飲料・たばこ・飼料製造業、繊維工業、木材・木製品製造業、家具・装備品製造業、パルプ・紙・紙加工品製造業、印刷・同関連業、化学工業、石油製品・石炭製品製造業、プラスチック製品製造業、ゴム製品製造業、なめし革・同製品・毛皮製造業、窯業・土石製品製造業、鉄鋼業、非鉄金属製造業、金属製品製造業、はん用機械器具製造業、生産用機械器具製造業、業務用機械器具製造業、電子部品・デバイス・電子回路製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業、輸送用機械器具製造業、その他の製造業
卸売業,小売業 各種商品卸売業、繊維・衣服等卸売業、飲食料品卸売業、建築材料,鉱物・金属材料等卸売業、機械器具卸売業、その他の卸売業、各種商品小売業、織物・衣服・身の回り品小売業、飲食料品小売業、機械器具小売業、その他の小売業、無店舗小売業
宿泊業,飲食サービス業 宿泊業、飲食店、持ち帰り・配達飲食サービス業
金融業,保険業 銀行業、協同組織金融業、貸金業,クレジットカード業等非預金信用機関、金融商品取引業,商品先物取引業、補助的金融業等、保険業
不動産業,物品賃貸業 不動産取引業、不動産賃貸業・管理業、物品賃貸業
電気・ガス・熱供給・水道業 電気業、ガス業、熱供給業、水道業
運輸業,郵便業 鉄道業、道路旅客運送業、道路貨物運送業、水運業、航空運輸業、倉庫業、運輸に附帯するサービス業、郵便業
情報通信業 通信業、放送業、情報サービス業、インターネット附随サービス業、映像・音声・文字情報制作業
医療,福祉 医療業、保健衛生、社会保険・社会福祉・介護事業
学術研究,専門・技術サービス業、教育,学習支援業 学術・開発研究機関、専門サービス業、広告業、技術サービス業、学校教育、その他の教育,学習支援業
複合サービス事業 郵便局、協同組合
サービス業 洗濯・理容・美容・浴場業、その他の生活関連サービス業、娯楽業、廃棄物処理業、自動車整備業、機械等修理業、職業紹介・労働者派遣業、その他の事業サービス業、政治・経済・文化団体、宗教、その他のサービス業、分類不能の産業
農林水産・鉱業 農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業,採石業,砂利採取業

3 結果の概要

4 利用上の注意

(1) この調査は、標本調査のため、標本事業所及び標本給与所得者から得た標本値に、それぞれの標本抽出率及び調査票の回収率の逆数を乗じて全体の給与所得者数、給与額及び源泉徴収税額を推計しているため、他の税務統計の関連数値とは一致しない。

(2) 業種の分類に当たっては、調査対象事業所の属する企業の業種により分類したのであって、事業所の業種によっていない。例えば、会社の事業が鉄道で、別に不動産業を経営している場合、標本事業所の業種が不動産業であっても、その業種区分は「不動産業,物品賃貸業」ではなく「運輸業,郵便業」としている。

(3) 標本事業所を抽出する際に、業種区分や雇用形態別(役員、正社員(正職員)、正社員(正職員)以外(パート・アルバイトなど))によらないで、事業所の従事員数等の区分によって層別している。したがって、電気・ガス・熱供給・水道業等の業種や、雇用形態別(役員、正社員(正職員)、正社員(正職員)以外(パート・アルバイトなど))でみた場合の、標本事業所数の非常に少ない箇所の計数の精度は低くなっている。

(4) 給与所得者数、給与額、税額等の計数の処理方法は、単位未満を四捨五入したため、各表の内容と「計」又は「合計」とが符合しない場合がある。また、金額が単位未満の端数からなるため、その端数を切り捨てたときは「0」とし、該当する計数のないときは「―」と表示している。

(5) 本調査は本来全国を単位とした調査であるため、国税局別表は参考値である。

(6) 国税局別表は、源泉徴収義務者の所在地を管轄する国税局単位による集計結果であり、給与所得者の住所地では集計していない。このため、各国税局管内の給与水準を表しているとは限らない。

(7) この調査は民間の給与所得者の給与について源泉徴収義務者(事業所)の支払額に着目し集計を行ったものであり、その個人の所得全体を示したものではない。
 例えば、複数の事業所から給与の支払を受けている個人が、それぞれの事業所で調査対象となる場合、複数の給与所得者として集計される。

5 精度計算

(1) 民間給与実態統計調査の標本設計

 「民間給与実態統計調査」における標本の抽出は、標本事業所の抽出及び標本給与所得者の抽出の2段階により行われた。

第1段抽出:管轄国税局別に事業所規模により層別を行い、各抽出率に従い事業所を抽出。

第2段抽出:標本事業所における給与台帳を基に、2000万円以下の給与所得者は層別の抽出率にもとづき抽出、2000万円超の給与所得者については全数抽出した。

(2) 標準誤差率の算出式

標準誤差率を求めるための計算式

6 正誤情報

7 統計表一覧

 民間給与実態統計調査の結果は、「事業所用の調査票」を集計した第1表・第2表と、「給与所得者用の調査票」を集計した第1表・第2表以外の統計表とで構成されている(「○ 民間給与実態統計調査の概要」、「8 調査の方法」参照)。
 したがって、全国計表の第1表・第2表とそれ以外の統計表との間には計数に差異がある。

統計表 主な集計対象 主な集計項目
全国計表 第1表 給与所得者全体  
第2表 給与所得者・源泉徴収義務者  
第3表 給与所得者 給与階級別
第4表 事業所規模別、給与階級別
第5表
第6表 役員、正社員(正職員)、正社員(正職員)以外(パート・アルバイトなど) 企業規模別、給与階級別
第7表
第8表 給与所得者 業種別、給与階級別
第9表
第10表 事業所規模別、年齢階層別
第11表 企業規模別、年齢階層別
第12表 業種別、年齢階層別
第13表 事業所規模別、勤続年数別
第14表 企業規模別、勤続年数別
第15表 業種別、勤続年数別
第16表 給与階級別、納税・非納税
第17表 給与階級別、諸控除
第18表 給与階級別、扶養人員別
第19表 給与所得者のうち
年末調整を行わなかった者
給与階級別
(参考) 第1表 給与所得者 事業所規模、企業規模、業種別
国税局別表 第2表 事業所規模別
第3表 企業規模別
第4表 業種別
第5表 給与階級別、納税・非納税
第6表 給与所得者数

8 近年における主な変更点等

  • この調査の近年における主な変更点等はこちら

公表予定
概要 : 調査年分の翌年9月下旬
統計表 : 調査年分の翌年9月下旬
最新年分の公表予定(XML/5KB)

問い合わせ先
本調査についてのお問い合わせは下記にお願いします。
〒100-8978
東京都千代田区霞が関3-1-1
国税庁長官官房企画課 データ活用推進室 調査統計第一係 調査統計第二係
電話:03(3581)4161 内線3508、3875