(譲渡の収入金額による代替資産の取得)

8 措置法第40条第1項後段かっこ書の規定により、代替資産は、贈与又は遺贈に係る財産の譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって取得しなければならないのであるから、その譲渡による収入金額の全部又は一部が措令第25条の17第3項各号に定める資産の取得に充てられていないときは、当該資産は代替資産に該当しないことに留意する。
 この場合において、贈与又は遺贈に係る財産の譲渡又は措令第25条の17第3項各号に定める資産の取得に要した仲介料、登記費用などの費用があるときは、次により取り扱う。(昭57直資2−177、昭58直資2−105、平元直資2−209、平4課資2−158、平10課資2−243、平15課資4−245、平20課資4−83により改正)

  • (1) 贈与又は遺贈に係る財産の譲渡について仲介料、登記費用などの費用を要した場合には、当該譲渡の対価の額から当該譲渡に要した費用の額を控除した金額をもって措置法第40条第1項後段かっこ書に規定する「当該譲渡による収入金額」とする。
  • (2) 措令第25条の17第3項各号に定める資産の取得について仲介料、登記費用などの費用を要した場合には、当該取得に要した費用の額は、当該資産の取得に充てられたものとする。

(財産を譲渡することについてのやむを得ない理由として認める場合等)

9 租税特別措置法施行規則(昭和32年大蔵省令第15号。以下「措規」という。)第18条の19第3項に規定する国税庁長官が認める理由により贈与又は遺贈に係る財産の譲渡をする場合とは、例えば、次に掲げるような場合とし、同項に規定する当該財産の譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって取得した減価償却資産、土地、土地の上に存する権利及び株式(出資を含む。以下この項において同じ。)で国税庁長官が認めたものとは、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定めるようなものがこれに該当するものとして取り扱う。(昭57直資2−177、昭58直資2−105、平元直資2−209、平4課資2−158、平10課資2−243、平15課資4−245、平20課資4−83、平26課資4−151、平29課資5−140により改正)

  • (1) 贈与又は遺贈に係る土地が、不整形地若しくは間口が狭小な土地又は借地権が設定されている土地であることなどから、当該土地を公益法人等の公益目的事業の用に直接供することが困難であるため、当該土地の全部又は一部が当該公益法人等において隣接地又は借地権と交換された場合 交換により取得した隣接地又は借地権
  • (2) 財産の提供による公益法人等の設立の認可など又は公益目的事業に係る施設の設置認可に際し、当該施設の設置場所が適当でないとする行政庁の指導に基づく設置場所の変更があったことに伴い、贈与又は遺贈に係る財産が当該公益法人等において譲渡された場合 当該変更後の施設の用に供する減価償却資産、土地及び土地の上に存する権利
  • (3) 贈与又は遺贈に係る財産の使用について建築基準法(昭和25年法律第201号)その他の法令による制限を受けるなどのため、当初の使用計画が実行不能となったことから事業計画の変更があったことに伴い、当該財産が公益法人等において譲渡された場合 当該変更後の施設の用に供する減価償却資産、土地及び土地の上に存する権利
  • (4) 公益法人等の設立の認可などの要件として、一定の施設を有することが必要とされていることから、当該公益法人等の設立前にその設立準備委員会等において、贈与又は遺贈によって取得した土地などの財産が譲渡され、その譲渡代金の全額をもって当該施設が取得された場合で、当該施設の取得のためには当該財産を譲渡するよりほかに方法がなかったと認められるとき 当該施設の用に供する減価償却資産、土地及び土地の上に存する権利
  • (5) 公益目的事業の新規開設又は事業規模の拡張に伴い当該公益目的事業の基盤として必要不可欠な財産の取得資産に充てるため、又は当該事業の基盤として必要不可欠な建物などの減価償却資産が老朽化したことに伴い当該資産の建替資金などに充てるために贈与又は遺贈に係る財産が公益法人等において譲渡された場合(上記⑷に掲げる場合を除く。)で、当該公益法人等の財務状況や活動状況に照らし、その財産の取得又は建替えなどのためには当該贈与又は遺贈に係る財産を譲渡するよりほかに方法がなかったと認められるとき 当該公益目的事業の用に供する減価償却資産、土地及び土地の上に存する権利
  • (注) 当該公益法人等が贈与又は遺贈に係る財産を譲渡することを企図して贈与又は遺贈を受けたと認められる場合には、(5)に該当しないことに留意する。

  • (6) 当該財産につき所得税法(昭和40年法律第33号)第57条の4第3項第2号((株式交換等に係る譲渡所得等の特例))に規定する取得条項付株式に係る同号に規定する取得事由の発生による譲渡があった場合 当該取得条項付株式に係る取得事由の発生により交付を受ける同号に規定する取得をする法人の株式
  • (7) 当該財産につき所得税法第57条の4第3項第3号に規定する全部取得条項付種類株式に係る同号に規定する取得決議による譲渡があった場合 当該全部取得条項付種類株式に係る取得決議により交付を受ける同号に規定する取得をする法人の株式
  • (8) 当該財産につき所得税法第57条の4第3項第6号に規定する取得条項付新株予約権が付された新株予約権付社債に係る同号に規定する取得事由の発生による譲渡があった場合 当該取得条項付新株予約権に係る取得事由の発生により交付を受ける同号に規定する取得をする法人の株式

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