(公益を目的とする事業を行う法人)

1 措置法第40条第1項後段に規定する「公益を目的とする事業を行う法人(外国法人に該当するものを除く。)」(以下「公益法人等」という。)とは、次に掲げる事業(以下「公益目的事業」という。)を行う法人をいい、当該事業の遂行に伴い収益を生じているかどうかを問わないのであるから留意する。(平10課資2−243、平20課資4−83、平20課資4−158により改正)

(1) 定款、寄附行為又は規則(これらに準ずるものを含む。以下同じ。)により公益を目的として行うことを明らかにして行う事業

(2) (1)に掲げる事業を除くほか、社会一般において公益を目的とする事業とされている事業

(遺贈と同様に取り扱う場合)

2 措置法第40条第1項後段に規定する「遺贈(当該公益法人等を設立するためにする財産の提供を含む。)」には、昭和35年10月1日付直資90「被相続人の意思に基づき公益法人を設立する場合等の相続税の取扱いについて」通達の記の1((公益法人の設立の認可申請中に相続の開始があつた場合の取扱い))又は2((公益法人の設立の認可申請前に相続の開始があった場合の取扱い))により、被相続人から遺贈により取得したものと同様に取り扱うこととなる場合の財産の提供も含むものとして取り扱う。
 また、当該通達の記の4(既設の公益法人に対し贈与があつた場合の準用)による取扱いを受ける場合の財産の贈与についても、同様とする。(平20課資4−83、平26課資4−151により改正)

(人格のない社団等に対する贈与等)

3 法人でない社団又は財団に対する財産の贈与又は遺贈は、措置法第40条第1項後段に規定する「法人に対する財産の贈与又は遺贈」に該当しないことに留意する。
 ただし、公益法人等を設立するために設けられた設立準備委員会又は発起人会(以下「設立準備委員会等」という。)が、当該公益法人等の設立前に、土地などの財産を贈与又は遺贈により取得して、これを他に譲渡している場合には、次に掲げる要件のいずれにも該当するときに限り、当該贈与又は遺贈は、公益法人等に対する財産の贈与又は遺贈に該当するものとして取り扱う。(昭57直資2−177、昭58直資2−105、平元直資2−209、平4課資2−158、平10課資2−243、平15課資4−245、平19課資4−162、平20課資4−83、平26課資4−151により改正)

(1) 当該譲渡が、租税特別措置法施行令(昭和32年政令第43号。以下「措令」という。)第25条の17第3項各号(第4号から第6号までを除く。)に掲げるいずれかの場合に該当する事情によりやむを得ず行われたものであること。

(2) 当該譲渡による収入金額の全部に相当する金額をもって取得した減価償却資産、土地又は土地の上に存する権利が、当該公益法人等の設立により、当該公益法人等に帰属すること。

(注)

1 上記の取扱いは、公益法人等の設立の認可などの要件として、例えば、幼稚園の設置運営を目的とする公益法人等の設立認可の場合の園地、園舎などのように、一定の施設を有することが必要とされている場合には、設立準備委員会等が、その公益法人等の設立前に、土地などの財産を贈与又は遺贈により取得して、これを他に譲渡し、その譲渡代金をもって当該施設を取得することがあることを考慮して設けたものであることに留意する。

2 設立準備委員会等に対する財産の贈与又は遺贈があった日は、5の(3)又(4)((贈与又は遺贈のあつた日))により、公益法人等の設立前となることから、措令第25条の17第1項の規定による申請書の提出期限が、当該公益法人等の設立前となることがあることに留意する。

(実質上法人の所有と認められるもの)

4 公益法人等の設立に際し、当該公益法人等に個人が財産を贈与名義により移転させるとともに、当該移転に伴い債務を引き受けさせる形式がとられている場合であっても、次に掲げる要件のすべてを満たすものと認められるときは、当該財産及び債務は、実質上当初から当該公益法人等に帰属しているものとして取り扱う。したがって、当該財産については、措置法第40条第1項後段に規定する承認の対象とする必要がないことに留意する。(平20課資4−83、平30課資5−126により改正)

(1) 当該債務は、当該財産の取得のために生じたものであること。

(2) 当該財産の取得又は当該財産の取得に係る債務の発生に関する当該個人の行為が実質上設立準備委員会等の代表者としての資格の下に行われたものであること。


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