還付加算金の計算

(支払決定)

1 法第58条第1項の「支払決定」には、再支払決定(国税収納金整理資金事務取扱規則第72条第2項参照)は含まれない。

(過納金)

2 法第58条及び令第24条《還付加算金》の「過納金」とは、適法に納付された国税(滞納処分費を含む。)がその後法律の規定又は更正等の処分若しくは判決により減少したことにより生じた過誤納金をいう。

(納付があった日)

3 法第58条第1項第1号及び令第24条第2項第4号《還付加算金》の「納付があった日」には、国税に関する法律の規定により徴収したものとみなされる日を含むものとする(徴収法第56条第3項、第57条第2項、第67条第3項、第116条第2項等)。

(更正があった日)

4 法第58条第1項第2号、第5項及び令第24条第2項第1号《還付加算金》の「更正があった日」とは、更正通知書を発した日をいうものとする。

(相続により分割承継された場合)

5 還付金等が相続により分割して承継された場合における還付加算金は、その分割された額につき法第58条の規定を適用して計算するものとする。この場合、還付加算金の計算の基礎となる金額が分割して納付されているときは、その納付した国税の額をそれぞれの分割承継の割合によりあん分して計算した額とする。

(譲渡又は転付命令があった場合)

6 還付金等につき譲渡通知又は転付命令を受けた場合において、その譲渡通知又は転付命令に還付加算金についての特約又は明示がないときの還付加算金は、次によるものとする。

(1) 還付金等の全額が譲渡された場合には、譲受人に対して支払う(昭和2.10.22大判参照)。

(2) 還付金等の一部がその金額を明示して譲渡された場合には、その譲渡された金額について、譲渡通知を受けた日までのものは、譲渡人に対して支払い、その日の翌日からのものは譲受人に対して支払う。

(3) 還付金等につき転付命令を受けた場合には(2)に準ずる。

(還付金等が滞納処分により差し押さえられた場合)

7 還付金等が滞納処分により差し押さえられた場合における還付加算金は、その差押えの内容に従い、支払うものとする。

(第二次納税義務者の納付に係る過誤納金の場合)

8 令第22条第1項《納税者及び第二次納税義務者の納付に係る過誤納金の還付等》の規定による第二次納税義務者の納付に係る過誤納金の還付加算金は、その過誤納金の額に達するまで、第二次納税義務者が納付した国税の納付の日の順序に従い、最後に納付された金額から順次遡って求めた金額の過誤納が、それぞれの納付の日に生じたものとして計算するものとする。

除算期間

(除算期間の終期)

9 法第58条第2項第1号の期間内に差押命令の取消通知の送達を受けた場合は、この期間の末日はその送達を受けた日となる。

(仮差押え)

10 法第58条第2項第2号の「仮差押え」とは、裁判所の判決又は決定に係る仮差押えをいい、民事保全法による強制執行を保全するための仮差押えに限らず、破産法第28条《債務者の財産に関する保全処分》、民事再生法第30条第1項《仮差押え、仮処分その他の保全処分》、会社更生法第28条第1項《開始前会社の業務及び財産に関する保全処分》、会社法第540条第1項《清算株式会社の財産に関する保全処分》、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第42条第1項《追徴保全命令》、第67条《国際共助手続による追徴保全命令》、国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律第20条《追徴保全命令》、第23条《組織的犯罪処罰法による共助等の例》、国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律第46条《追徴保全命令》等の規定による仮差押えも含まれる。

(仮差押期間)

11 法第58条第2項第2号の「仮差押えがされている期間」とは仮差押命令の送達を受けた日の翌日からその仮差押えの執行の取消通知を受けた日又はその仮差押えが本差押えに転移した日までの期間をいう。

後発的事由により生じた過誤納金に係る還付加算金の計算

(適法な納付に影響を及ぼすことなく)

12 法第58条第4項「その適法な納付に影響を及ぼすことなく」とは、納付すべき税額の変更の効果が将来に向かってだけ生じ、過去に遡らない場合をいう。

(法律の規定に基づき過納となったとき)

13 法第58条第4項の「法律の規定に基づき過納となったとき」とは、法律の規定により、申告若しくは申請等の手続を要し、又は要しないで納付すべき税額が変更され過納となった場合(例えば、年末調整による過誤納金)をいう。

還付加算金の不加算

(還付加算金が加算されない場合)

14 還付金等を、物納に充てられた財産で還付する場合又は税務署長等以外の者が還付し、若しくは充当する場合(例えば、所得税法第191条《過納額の還付》の規定により給与等の支払者が還付する場合)には、法第58条第1項の規定による還付加算金は加算されない。


目次

● 国税通則法基本通達(徴収部関係)の制定について

● 引用の法令番号

● 省略用語