担保の提供手続

(担保が有価証券等の場合の担保の提供に関し必要と認められる書類)

1 規則第11条第2項第3号《担保の提供手続》に規定する「その他担保の提供に関し必要と認められる書類」並びに同条第3項第2号及び第4項第2号に規定する「第2項第3号に掲げる書類」は、次に掲げる書類とする。

(1) 担保として提供する有価証券又は金銭が、制限行為能力者(民法第13条第1項第10号《保佐人の同意を要する行為等》に規定する制限行為能力者をいう。)又は任意後見契約上の本人(任意後見契約に関する法律第2条第2号《定義》に規定する本人をいう。)(以下第54条関係において「制限行為能力者等」という。)の所有財産である場合には、次に掲げる場合に応じて、それぞれ次に定める書類

イ 法定代理人(その代理行為が民法第826条《利益相反行為》の規定に該当するときは特別代理人)、成年後見人、任意後見人(任意後見監督人が選任されているものに限る。)、保佐人又は補助人(以下第54条関係において「法定代理人等」という。)に国税の担保提供手続について代理権が付与されているとき  法定代理人等の資格を証する書面(任意後見人、保佐人又は補助人にあっては代理権目録が添付されたものに限る。)

ロ 保佐人又は補助人に国税の担保提供手続について代理権が付与されておらず、保佐人又は補助人の同意が必要とされているとき  保佐人又は補助人の資格を有する書面及び保佐人又は補助人がその担保の設定に同意した旨が記載された書面(以下第54条関係において「同意書」という。)

(2) 担保として提供する有価証券又は金銭が法人の所有財産である場合には、それぞれ次に定める書類

イ 代表者の資格を証する書面

ロ 法人による保証が会社法第356条第1項第3号《競業及び利益相反取引の制限》、第365条第1項《競業及び取締役会設置会社との取引等の制限》、第419条第2項《執行役の監査委員に対する報告義務等》又は第595条第1項第2号《利益相反取引の制限》の規定に該当する場合には、その提供等につき株主総会の承認、取締役会の承認又は社員の過半数の承認を受けたことを証する書面

(担保が不動産等の場合に担保の提供に関して必要と認められる書類)

1-2 規則第11条第5項第1号ホ、第2号ト及び第3号ホの「第2項第3号に掲げる書類」は、次に掲げる書類とする。

(1) 担保として提供する不動産等(法第50条第3号から第5号に掲げるものをいう。以下第54条関係において同じ。)が、制限行為能力者等の所有財産である場合には、次に掲げる場合に応じて、それぞれ次に定める書類

イ 法定代理人等に国税の担保提供手続について代理権が付与されているとき  1(1)イに掲げる書類のほか、抵当権の設定の登記又は登録に係る法定代理人等の当該設定を承諾する旨が記載された書類(法定代理人等の記名押印があるもの)及び法定代理人等の印鑑証明書

ロ 保佐人又は補助人に国税の担保提供手続について代理権が付与されておらず、保佐人又は補助人の同意が必要とされている場合  1(1)ロに掲げる書類(同意書については、保佐人又は補助人の記名押印があるものに限る。)及び保佐人又は補助人の印鑑証明書

(2) 担保として提供する不動産等が法人の所有財産であるとき
 1(2)に掲げる書類のほか、抵当権の設定の登記又は登録に係る法人の代表者の当該設定を承諾する旨が記載された書類(法人の代表者の記名押印があるものに限る。)及び法人の代表者の印鑑証明書

(注) 1-2にいう印鑑証明書は、不動産登記令第16条第3項《申請情報を記載した書面への記名押印等》の規定による有効期限の制限はない(以下第54条関係において同じ。)。

(担保が保証人の保証の場合に担保の提供に関して必要と認められる書類)

1-3 規則第11条第6項第1号ホ及び第2号ニの「第2項第3号に掲げる書類」は、次に掲げる書類とする。

(1) 保証人が制限行為能力者等である場合には、次に掲げる場合に応じて、それぞれ次に定める書類

イ 法定代理人等に国税の担保提供手続について代理権が付与されているとき  1(1)イに掲げる書類のほか、当該保証人の保証を証する書面(法定代理人等の記名押印があるものに限る。)及び法定代理人等の印鑑証明書

ロ 保佐人又は補助人に国税の担保提供手続について代理権が付与されておらず、保佐人又は補助人の同意が必要とされているとき  1(1)ロに掲げる書類

(2) 保証人が法人である場合  1(2)に掲げる書類

(法定代理人等の印鑑証明書等が提出される場合に不要となる書類)

1-4 国税の担保が制限行為能力者等の所有財産又は制限行為能力者等による保証である場合において、法定代理人等に国税の担保提供手続について代理権が付与されているとき(1-2(1)イ又は1-3(1)イに掲げる書面が提出された場合に限る。)は、次に掲げる担保の種類に応じてそれぞれ次に掲げる書類の提出は要しない。

(1) 不動産等  抵当権の設定の登記又は登録に係る不動産等の所有者の当該設定を承諾する旨が記載された書類(当該所有者の記名押印があるもの)及び当該所有者の印鑑証明書

(2) 個人の保証人の保証  当該保証人の保証を証する書類(当該保証人の記名押印があるもの)及び当該保証人の印鑑証明書

(保佐人又は補助人の意思の確認)

1-5 国税の担保が被保佐人若しくは被補助人の所有財産又は被保佐人若しくは被補助人による保証で、保佐人又は補助人に国税の担保提供手続について代理権が付与されておらず、保佐人又は補助人の同意が必要とされている場合には、その保佐人又は補助人に対し、被保佐人又は被補助人が担保財産を提供すること、又は保証をすることに同意していることを確認した上で担保を徴取するものとする。

(有価証券等の供託機関)

2 有価証券又は金銭の供託は、可能な限り担保の提供を受けるべき税務官庁の所在地にある供託所にさせる。

3 削除

(保険に対する保全措置)

4 国税の担保として提供しようとする財産に保険が付されている場合には、その保険金請求権に対して質権を設定する。
 なお、保険者からの質権設定の承諾を受けた保険証券又は保険契約証書については、質権設定の裏書及び確定日付を確認した後、原本は納税者に返却し、当該保険証券等の写しを税務官庁で保管する。

(共同保証の場合)

5 国税の保証人が2人以上である場合又は2人以上となる場合には、保証人間において連帯させる。

(保証等の意思の確認)

6 国税の担保が第三者の所有財産又は保証人の保証である場合には、その第三者又は保証人に対し、その意思に基づき担保財産を提供したこと、又は保証をしたことを確認した上で担保を徴取するものとする。

担保の解除

(第三者納付の場合の解除時期)

7 抵当権により担保されている国税が、第三者により納付された場合の抵当権の解除は、令第11条《国税を納付した第三者の代位の手続》の書面が通常提出されると見込まれる期間内に提出されなかったことを確認した後に行う(第41条関係4参照)。

(その他の解除手続)

8 担保の解除手続については、令第17条第3項《担保の解除》に定めるところによるほか、次の場合には、納税者に対し、その担保原因が消滅した旨の証明書を交付する。

(1) 担保財産が供託されている場合

(2) 担保財産に付されている保険に質権が設定されている場合


目次

● 国税通則法基本通達(徴収部関係)の制定について

● 引用の法令番号

● 省略用語