仮差押えの執行の範囲

 この条に規定する不動産に対する仮差押えの執行の範囲については、第18条関係1に定めるところと同様である。

登記官からの仮差押えの登記がある旨の通知

 登記官は不動産に対する滞納処分による差押えの登記の嘱託があった場合において、その不動産について仮差押えの登記があるときは、その旨を徴収職員に通知することになっている(令23条において準用する令18条)。(平15徴徴4-3により改正)

(注)

1 滞納処分は、仮差押えの執行によりその執行を妨げられない(徴収法140条)から、仮差押えの執行がされた不動産についても滞納処分による差押え及び換価等の手続を進めることができる。

2 徴収職員は、上記の通知を受けた場合には、保全執行裁判所に対し、財産を差し押さえた旨の通知をしなければならないことに留意する(徴収法55条3号)。

仮差押債権者に対する公売の通知

 徴収職員は、仮差押えの執行後に滞納処分による差押えをした不動産(以下この条関係において「二重押えをした不動産」という。)を換価するときは、第3条関係9に定めるところに準じて仮差押債権者に対して公売の通知をするものとする。

仮差押えの申請の取下げ等の通知

 二重差押えをした不動産について、仮差押えの申請が取下げられたとき又は仮差押えの執行を取消す決定が効力を生じたときは、裁判所書記官は、規則第37条において準用する規則第33条第1号及び第2号に掲げる事項を記載した書面(仮差押執行終了通知書)により、その旨を徴収職員に通知することになっている(この条1項において準用する法31条)。

滞納処分による差押えを解除した場合の通知

 徴収職員は、二重差押えをした不動産について滞納処分による差押えを解除した場合には、保全執行裁判所等に対し、第18条関係5及び6に定めるところに準じて通知するものとする(令23条において準用する令10条2項から4項まで)。(平15徴徴4-3により改正)

残余金の交付手続等

 二重差押えをした不動産の滞納処分による売却代金について、滞納者に交付すべき残余が生じた場合又は生じなかった場合の処理については、第18条関係7から9までに定めるところに準ずる(この条1項において準用する法18条2項、令23条において準用する令10条1項(令4条を準用))。

仮差押登記のまつ消の嘱託

 二重差押えをした不動産を換価した場合における仮差押えの登記のまつ梢の嘱託については、第18条関係10に定めるところに準ずる。

仮差押えの執行後に登記された先取特権等の取扱い

 仮差押えの登記後滞納処分による差押えの登記前に登記された先取特権等の存する不動産を滞納処分により換価した場合には、徴収職員は、その先取特権等により担保される債権を有する者に対し、仮差押債権者が本案の訴訟において敗訴し、又は仮差押えがその効力を失ったときに限り、徴収法第129条の規定に定めるところによる配当を行う(この条2項において準用する執行法87条2項)。

供託及び配当

 仮差押えの登記後に登記された先取特権等があるため配当額が定まらないときの供託及び供託の事由が消滅し配当額が確定したときの供託金の配当又は残余の交付については、第33条関係8に定めるところに準ずる(この条2項において準用する執行法91条1項6号及び92条)。

仮差押えの執行、滞納処分による差押え、参加差押え及び強制競売の開始決定が競合した場合の処理

 不動産について仮差押えの執行、滞納処分による差押え、参加差押え及び強制競売の開始決定が競合した場合の処理については、第18条関係11から15までに定めるところに準ずる。


目次

滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の逐条通達(国税庁関係)の全文改正について

引用の法令番号一覧表

主用省略用語一覧表