第2節 不動産又は船舶等に対する滞納処分
登記官は、不動産に対する滞納処分による差押えの登記の嘱託があった場合において、その不動産について強制競売の開始決定に係る差押えの登記があるときは、その旨を徴収職員に通知することになっている(令18条)。従って、徴収職員は、その通知を受けたときは、「差押(通知)書及び交付要求書」(別紙様式11。令19条)により執行裁判所に対し差押えをした旨を通知しなければならない(この条2項)。
この場合における通知の手続は、第21条関係1に定めるところに準ずる。
(注)
1 上記の差押えの通知をする場合において、「差押(通知)書及び交付要求書」を交付するのは、その差押えをした旨の通知のみによっては交付要求の効力を生じないため、併せて交付要求をする必要があることによる。
2 強制競売の開始決定前に既に滞納処分による差押えがされている場合には、滞納処分をしている徴収職員等に対して参加差押えをするとともに、執行裁判所に対して交付要求をするものとする。
執行裁判所が「差押(通知)書及び交付要求書」(別紙様式11)を受取ったときは、裁判所書記官は、その副本に受領年月日を記入し、記名して徴収職員に返還することになっている(最高裁通達十三)。
執行裁判所に対する交付要求は、配当要求の終期までにしなけれぱならない(執行法49条、87条1項2号参照)が、この条第1項の規定に基づく滞納処分による差押えは、強制競売の開始決定に係る差押えの登記がされている限り行うことができる。
徴収職員は、強制競売の開始決定後に滞納処分による差押えをした不動産(以下第33条関係までにおいて「二重差押えをした不動産」という。)について、滞納処分による差押えを解除したときは、「差押え及び交付要求解除(通知)書」(別紙様式10。令21条2項において準用する令7条1項)により、執行裁判所にその旨を通知しなければならない(令21条1項)。この場合における滞納者及び利害関係人に対する通知は、第24条関係2及び3に定めるところと同様である。
なお、二重差押えをした不動産につき参加差押えがされている場合の差押解除に伴う処理については、第24条関係3のなお書に定めるところに準ずる(令21条2項において準用する令15条2項)。(平15徴徴4-3により改正)