1 強制執行が中止される場合

 強制執行が中止される場合とは、おおむね次に掲げる場合をいう。

(1) 再生裁判所から強制執行の中止命令又は禁止命令がされた場合(民事再生法26条、27条、31条)

(2) 再生手続開始決定がされた場合(民事再生法39条)

(3) 更生裁判所から強制執行の中止命令がされた場合(会社更生法37条1項、210条の2第1項)

(4) 更生手続開始決定がされた場合(会社更生法67条1項)

(5) 会社整理の開始命令がされた場合(商法383条2項)

(6) 会社の特別清算の開始命令がされた場合(商法433条において準用する商法383条2項)

(7) 裁判所から強制執行の中止命令がされた場合(船舶の所有者等の責任の制限に関する法律23条1項)

2 強制執行が停止される場合

 執行法第39条第1項各号に掲げる文書が提出された場合には、この条に規定する「強制執行が停止されたとき」に該当する。この場合において、同条同項第1号から第6号までに掲げる文書が提出されたときは、既にした執行処分が取消されることになっている(執行法40条1項)。

3 強制執行が効力を失う場合

 次に掲げる場合には、強制執行はその効力を失うことになるので、滞納処分続行承認の決定の請求をするまでもなく、強制執行による差押えがなかったものとして、滞納処分を続行することができる。

(1) 破産宣告がされた場合(破産法70条1項)

(2) 再生計画認可の決定が確定した場合(民事再生法184条)

(3) 会社整理の開始命令が確定した場合(商法383条3項)

(4) 会社の特別清算の開始命令が確定した場合(商法433条において準用する商法383条3項)

4 滞納処分続行承認の決定の請求をする場合

 強制執行が中止又は停止された場合には、次に掲げるときを除き、滞納処分続行承認の決定の請求をするものとする。

(1) 差押財産の帰属につき訴訟等の争いがあり、直ちに換価することが不適当であるとき。

(2) 法令の規定又はこれに基づく処分により滞納処分の手続が進行しないとき(第8条関係1,2参照)。

(3) 上記(1)及び(2)のほか、滞納処分による換価をすることが徴収上不適当であると認められるとき。

5 滞納処分続行承認の決定の請求をする者

 この条に規定する請求は、税務署長が行うものとする。

6 訴訟費用の予納

 滞納処分続行承認の決定の請求をするには、民事訴訟費用等に関する法律第12条に定めるところにより、関係者への通知等のための費用を予納しなければならない場合があることに留意する。(平15徴徴4-3により改正)

7 滞納処分続行承認の決定の請求に必要な費用の不徴収

 この条に規定する請求のために必要な費用は、滞納処分費その他の費用として徴収しないものとする。


目次

● 滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の逐条通達(国税庁関係)の全文改正について

● 引用の法令番号一覧表

● 主用省略用語一覧表