1 滞納処分による差押えがされているその他の財産権に対する強制執行等

 滞納処分による差押えがされているその他の財産権に対する強制執行、仮差押えの執行又は担保権の実行については、特別の定め(この条関係2参照)があるもののほか、滞納処分による差押え後に強制執行による差押命令若しくは仮差押命令が発せられ又は担保権の実行がされた債権に関する第20条の3関係から第20条の10関係までに定めるところにより処理する(この条1項)。

2 特別の定め

 この条第1項でいう「特別の定め」には、次に掲げるものがある。

(1) 電話加入権に対する参加差押えの効力
 電話加入権について、滞納処分による差押え、参加差押え、強制執行(担保権の実行を含む。以下この条関係において同じ。)による差押えの順に差押え等がされた場合において、滞納処分による差押えを解除すべきときは、参加差押えに係る滞納処分による差押えの効力の発生は、強制執行による差押えの時以前にさかのぼらない(この条2項において準用する法5条3項本文(法11条の2において準用する場合を含む。))。

(注) 電話加入権について、仮差押えの執行、強制執行による差押え、滞納処分による差押え及び参加差押えが競合した場合等の処理については、第18条関係13に定めるところにより行うことに留意する。

(2) 強制執行による差押えの登記の職権まつ消
 その他の財産権で権利の移転につき登記(登録を含む。以下この項において同じ。)を要するものについて、滞納処分による差押えと強制執行による差押えとが競合した場合において、先行する滞納処分による差押えにより換価したときは、後行の強制執行による差押えの登記は、登記関係機関の職権によりまつ消される(この条2項において準用する法16条(法20条において準用する場合を含む。))。

3 電話加入権に対する差押えを解除した場合の処理

(1) 執行裁判所に対する差押えの解除の通知
 滞納処分による差押え後に強制執行による差押え又は仮差押えの執行がされた電話加入権につき参加差押えがされている場合において、滞納処分による差押えを解除するときは、徴収職員は、執行裁判所に対する「差押え及び交付要求解除(通知)書」(別紙様式10。令12条の7第1項、12条の11第1項及び12条の12参照)に、参加差押え(2以上の参加差押えがされているときは、そのうち最も先にされたもの)をしている徴収職員等の属する庁の名称及び所在並びにその電話加入権を特定するに足りる事項を記載しなければならない(第12条の13第1項)。

(注) 電話加入権について、滞納処分による差押え、交付要求及び強制執行による差押えの順に差押え等がされた場合において、滞納処分による差押えを解除し、徴収法第81条の規定により交付要求をしている者に対して差押解除の通知をするときは、第14条関係2に定めるところに準じて処理するものとする。

(2) 仮差押えの執行がされている場合の差押えの解除の通知
 滞納処分による差押え後に仮差押えの執行がされている電話加入権について、上記(1)の差押えの解除の通知をした場合において、その電話加入権につき参加差押え(2以上の参加差押えがされているときは、そのうち最も先にされたもの)をしている徴収職員等に対し徴収法第81条の通知をするときは、その電話加入権につき仮差押えの執行がされている旨を「差押解除通知書」(様式通達第17号様式(その2))の「備考」欄に記載して通知しなければならない(令12条の13第2項において準用する令10条4項)。


目次

● 滞納処分と強制執行等との手続の調整に関する法律の逐条通達(国税庁関係)の全文改正について

● 引用の法令番号一覧表

● 主用省略用語一覧表