第1項関係

1 連合会の設立

 連合会は、組合法第79条第1項《連合会》の規定により、定款で定める酒類の品目又は業態を同じくする組合によって組織されるものであるが、これが設立するに当たっては、特に次に掲げる事項に留意する。

(注)

1 卸売酒販組合と小売酒販組合との関係及び組合法第9条第5項《組合員の資格》及び組合令第4条第3項《組合員の資格》の規定により、ビールの卸売酒販組合が組織された場合の全酒類の卸売酒販組合又は小売酒販組合との関係についても同様である。

2 中央会についても同様である。

(1) 合体酒造組合又は合体酒販組合は、当該酒類の品目又は業態の一部について定款で定める連合会に加入することができる。

(注) 清酒及び単式蒸留焼酎の合体酒造組合は、清酒の連合会及び単式蒸留焼酎の連合会のそれぞれに加入することができる。

(2) 連合会が、その定款で2以上の酒類の品目又は業態を定めている場合において、当該酒類の品目又は業態の一部のものだけを定款で定めている組合は、当該連合会に加入することができない。

(注) 連続式蒸留焼酎の組合及びみりん一種の組合は、いずれも連続式蒸留焼酎及びみりん一種の合体連合会に加入することができない。したがって、当該合体連合会へ加入するためには、連続式蒸留焼酎及びみりん一種の合体組合を組織しなければならない。

(3) 連合会が、その定款で2以上の酒類の品目又は業態を定めている場合において、当該品目又は業態の一部につき、組合の地区内において該当者が存在しないために当該組合がその該当のない品目又は業態を定款で定めていないことにより、上記の連合会に加入することができない事情にあるときは、組合法第14条《組合の構成要件》の規定にかかわらず、当該組合は、上記の連合会が定款で定めている酒類の品目又は業態と同一の酒類の品目又は業態を定款で定めることができる。

(注) (2)の(注)の場合において、組合の地区内にみりん一種の酒類製造業者が皆無であるときは、連続式蒸留焼酎のほか、みりん一種を定款で定めることによって合体連合会に加入することができることとなる。

2 合体連合会の会員の議決権

 合体組合が、その定款で定める酒類の品目又は業態と同一の酒類の品目又は業態を会員の資格とする連合会(合体組合の酒類の品目又は業態の一部のみが、連合会の酒類の品目又は業態と同じである場合を除く。)に加入している場合においては、当該合体連合会の総会における議決に関し、一つの品目の酒類又は業態に関する議決事項についても組合法第81条《連合会及び中央会の会員の議決権》第3項の規定を適用せず、その組合の議決権数が行使されることとなる。

(注)

1 清酒とみりん二種の合体組合が、清酒とみりん二種の合体連合会の総会においてみりん二種に関する事項につき議決を行うときは、当該合体組合は、その組合員のうち清酒専業(みりんとの兼業をしていない酒類製造業者をいう。)の製造業者数をも議決権数に算入することとなる。

2 卸売と小売との合体組合が、小売のみの連合会の総会において、小売に関する事項につき議決を行うときは、当該合体組合の組合員のうち卸売専業(小売との兼業をしていない販売業者をいう。)の販売業者数を組合員数に算入しない数を議決権数として行使することとなる。

3 中央会についても同様である。

第1項関係

1 組合が行う規制についての総合調整計画の設定

 組合法第82条《連合会及び中央会の事業》第1項第3号の規定による総合調整計画は、会員の全部又は一部の組合が、組合法第42条《事業》第5号の規定によりそれぞれ所轄官庁の認可を受けて現に協定を設定している場合若しくは設定しようとしている場合又は連合会がこれらの組合に対し協定を設定させようとする場合において、それぞれの協定を相互に調整するために必要があると認めるときは、これを設定することができるものとし、協定の変更についても同様とする。

(注) 中央会についても同様である。

2 総合調整計画の設定に伴う組合の協定及び届出義務

 連合会が1により総合調整計画を設定した場合においては、その対象となった組合は、当該総合調整計画に基づき協定を設定するとともに、組合法第43条《協定の設定及び変更》第3項の規定により、総会又は総代会において当該協定について議決した日から2週間以内にその旨を所轄官庁に届け出なければならないものであることに留意する。この場合において、すでに協定を設定している組合にあっては、総合調整計画に基づき協定の変更をしなければならない。

(注) 中央会と連合会との関係についても同様である。

3 総合調整計画に基づく組合の協定設定又は協定変更義務違反

  連合会の会員たる組合が、1及び2の規定による協定の設定又は変更をせず、又は総合調整計画の内容と実質的に異なる内容の協定を設定し又は変更したときは、総合調整計画に違反したものとして、組合法第83条《準用》において準用する第48条《過怠金》の規定により、過怠金が徴収され、又は組合法第83条《準用》において準用する第13条《法定脱退》第2項第1号の規定により、除名の原因となる。

(注) 中央会と連合会との関係についても同様である。

1 会員名簿の記載事項

 連合会及び中央会の会員名簿には、組合法第83条《準用》において準用する組合法第29条《組合員名簿》第1項(第2号及び第3号を除く。)の規定により、各会員について名称及び住所ならびに加入の年月日を記載するほか、連合会にあっては、その会員ごとに会員たる組合の組合員の数(酒造組合連合会にあっては、さらに「組合令第5条の移出数量」)を、中央会にあっては、その会員ごとに会員たる連合会を組織する組合員の数又は会員たる組合の組合員の数(酒造組合中央会にあっては、さらに「組合令第5条の移出数量」)を掲記するようにさせる。この場合において、連合会若しくは中央会の会員たる組合又は中央会の会員たる連合会が合体組合であるときは、当該連合会若しくは中央会の会員たる資格に係る酒類の品目又は業態ごとに組合員の数(酒造組合連合会及び酒造組合中央会にあっては、さらに会員たる資格に係る酒類の品目の「組合令第5条の移出数量」)も記載するようにさせる。

第3項関係

1 評議員会に求める意見

 組合法第83条の2《評議員会》第3項の規定により、理事が評議員会の意見を求める場合において、評議員会における審議及び意見の開陳をするに必要と認められる時間的余裕を与えてしたものについては、必ずしもその意見の開陳の有無は問わない。

第4項関係

1 評議員会の述べる意見

 組合法第83条の2《評議員会》第4項の規定により、評議員会が理事に対して意見を述べることができる事項は、同条第3項の規定により、理事から意見を求められた事項以外の事項とする。

第1項及び第3項関係

1 勧告を受けた組合等又は組合等に加入していない酒類製造業者等の措置

 組合等が、組合法第84条《酒税保全のための勧告又は命令》第1項又は第3項の規定により、規制について所轄官庁の勧告を受けたときは、遅滞なく総会を招集して当該勧告の受諾の可否を議決するようにさせる。この場合において、組合等が当該勧告の受諾を議決したときは、その旨を所轄官庁に通知するものとし、受諾を否決したときは、理由を付してその旨を所轄官庁に回答させる。
 また、組合等に加入していない酒類製造業者(法第28条《未納税移出》第6項の規定により酒類製造業者とみなされた者を含む。以下同じ。)又は組合等に加入していない販売業者が上記の規定に基づく所轄官庁の勧告を受けた場合においても、上記に準じ受諾の有無を回答させる。

2 「購入方法」の意義

(1) 組合法第84条《酒税保全のための勧告又は命令》第1項に規定する「購入方法」とは、購入代金の決済期限、荷受場所その他購入契約の際の附帯条項及び先物契約等の方法をいう。

(2) (1)の取引の対象(取引先)には購入先の者が構成する団体及び間接の取引先を含む。

3 「酒類の品種又は意匠」の意義

 組合法第84条《酒税保全のための勧告又は命令》第1項第5号に規定する「品種」とは、例えばウイスキー等における原酒の混和率又はアルコール添加酒等のように製造方法の差異による区分ごとの品種又はアルコール分、エキス分等の成分規格による区分ごとの品種等をいい、「意匠」とは、容器の型、材質、商標の色彩又はその大きさ、紙質等をいう。

第2項関係

1 連続式蒸留機の新設及び拡張の承認等の取扱い

 組合法第84条《酒税保全のための勧告又は命令》第2項の規定に基づく連続式蒸留機の新設及び拡張の臨時制限に関する省令(昭和28年大蔵省令第9号。以下1において「臨時制限省令」という。)に関する連続式蒸留機の新設又は拡張の承認等については、次により取り扱う。

(1) 用語の定義

 1において、次に掲げる用語の意義は、それぞれ次に定めるところによる。

イ 「ウイスキー原酒等」とは、ウイスキー原酒又はブランデー原酒をいう。

ロ 「ウイスキー原酒等専用蒸留機」とは、ウイスキー原酒等のみの製造に使用される連続式蒸留機をいう。

ハ 「蒸留機」とは、ウイスキー原酒等専用蒸留機以外の連続式蒸留機をいう。

ニ 「連続式蒸留機の能力」とは、一日(24時間)に連続式蒸留機から収得されるアルコール分100 %換算のアルコール数量(メートル法による。)をいうものとし、そのアルコールの数量は、蒸留するもろみのアルコール分を6%、蒸留歩合を95%として当該連続式蒸留機の一日当たりのもろみ処理能力(通称「公称能力」という。)により計算するものとする。

ホ 「新設」とは、連続式蒸留機を製造場に新たに設置することをいい、次に掲げるものを含むものとする。

(イ) 既設の連続式蒸留機を他の製造場に移設すること。

(ロ) 既設の連続式蒸留機を廃棄(製造場外に撤去すること又は連続式蒸留機として使用できない状態にすることをいい、災害その他の事由により破壊されて使用不能になった場合を含む。以下1において同じ。)して新たに連続式蒸留機を当該製造場に設置すること。

(ハ) 既設の連続式蒸留機のもろみ塔及び精留塔を同時に取り替えること。

(ニ) 既設の連続式蒸留機にもろみ塔及び精留塔を同時に増設すること。

ヘ 「拡張」とは、既に設置されている連続式蒸留機に加工し、その連続式蒸留機の能力を増加させることをいい、次に掲げるものを含むものとする。

(イ) 既設の連続式蒸留機のもろみ塔又は精留塔をそのもろみ処理能力若しくはその精留能力より大きい能力のもろみ塔若しくは精留塔と取り替えること(ホの(ハ)に該当するものを除く。)

(ロ) もろみ塔若しくは精留塔の直径(内径をいう。以下1において同じ。)を増大させること。

(ハ) 新たにもろみ塔若しくは精留塔を増設すること(ホの(ニ)に該当するものを除く。)。

(注) もろみ塔又は精留塔を取り替える場合で、既設のもろみ塔又は精留塔の型式と異なる型式のものに取り替える場合には、取替後のもろみ塔又は精留塔の直径が取替前のものの直径以下のときであっても、その能力を増加させることがあり、また、取替後のもろみ塔又は精留塔の直径が、取替前のものの直径より大きいときであっても、その能力を増加させないことがあるから留意すること。

(2) ウイスキー原酒等専用蒸留機の新設又は拡張の承認を与える場合

 ウイスキー原酒等専用蒸留機の新設又は拡張は、その申請者について、申請前3か月間に酒税の滞納がなく、かつ、新設又は拡張により酒税の滞納を生ずるおそれがないと認められる製造者の場合は承認するものとする。

(3) 蒸留機の新設の承認を与える場合

 蒸留機の新設は、次に掲げる場合のいずれかに該当し、その申請者について、申請前3か月間に酒税の滞納がなく、かつ、新設により酒税の滞納を生ずるおそれがないと認められる製造者の場合は承認するものとする。
  なお、蒸留機の新設を認められる製造場は、当該蒸留機により製造される酒類について、法第7条《酒類の製造免許》第1項本文の規定による製造免許を受けている場合(受けられることが確実と認められる場合を含む。)又は同項ただし書の規定に該当する場合に限られるのであるから留意する。

(注) 「製造免許を受けられることが確実と認められる場合」とは、蒸留機の新設の承認の申請に併せて製造免許の申請をしており、審査の結果、製造免許を受けられる見込である場合をいう。

イ 製造者が、滞納処分により公売に付せられた蒸留機を落札し、又は他の製造者の蒸留機を買い受け、その者の製造場に移設する場合

ロ 蒸留機を設置した製造場の移転とともに、既設の蒸留機を移設する場合

ハ 二以上の製造場を有する製造者が、その者が設置している蒸留機を、その者の他の製造場に移設する場合

ニ イからハにより移設すべき蒸留機又は既設の蒸留機を廃棄するとともに、その廃棄した蒸留機の能力(二以上の蒸留機を廃棄する場合には、その合計能力)の範囲内で、廃棄しない蒸留機のもろみ塔のもろみ処理能力及び精留塔の精留能力を増加させる場合若しくは廃棄しない蒸留機にもろみ塔及び精留塔を同時に増設する場合又は新たに蒸留機を設置する場合

ホ 蒸留機を設置している製造者が、企業合理化を図るため、既設の蒸留機により製造している酒類と同一の品目の酒類を製造するために蒸留機を新設する場合

(注) 企業合理化とは、蒸留機の新設又は拡張により、製造コスト若しくは物流コストの削減又は設備の近代化若しくは情報化の推進が図られるもの、製造場が狭あいなため新たな製造場に蒸留機を設置しようとするもの等をいう((4)において同じ。)。

(4) 蒸留機の拡張の承認を与える場合

 蒸留機の拡張は、蒸留機を設置している、又は(3)のイからハにより蒸留機を移設することとなる製造者が、企業合理化を図るため、既設の、又は移設することとなる蒸留機を拡張する場合で、その申請者について、申請前3か月間に酒税の滞納がなく、かつ、拡張により酒税の滞納を生ずるおそれがないと認められる場合は承認するものとする。


酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達目次

(前) 第53条 解散の事由

(次) 第86条 基準販売価格