1 申告義務等の承継

 法人が合併した場合又は相続等の開始があった場合において合併により消滅した法人又は被相続人が法第48条各号に掲げる義務を怠っていたときは、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は相続人等は、免許の有無にかかわらず、遅滞なくその義務を履行しなければならないものである。

(注) 上記の義務を履行しない場合においては、罰則の規定が適用されることに留意する。

第1項関係

1 承認の取扱い

 製造等の承認は、承認を受けなければならない行為を行おうとする都度承認を受けることが原則であるが、次表に掲げる承認事項について、酒税の取締り上支障がないと認められるときは、その行為別に次の期間の範囲内において、承認を与えることとして差し支えない。

(1) 清酒又は単式蒸留焼酎  毎年7月1日から翌年6月30日までの期間

(2) (1)に掲げる酒類以外の酒類  毎年4月1日から翌年3月31日までの期間

法条項 承認事項

50-1-1
法第3条第7号ロに規定する清酒を製造する場合の承認

50-1-4
ウイスキー又はブランデーの原酒をスピリッツの製造の原料に供しようとする場合の承認

50-1-6
酒類に不可飲処置を施す場合の承認

56-2-1
砂糖等を加えた焼酎にアルコール又は砂糖等を加えた焼酎以外の焼酎を混和する場合の承認
規則
16-0-1
連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎とを混和する場合の承認(砂糖等を加えた焼酎と砂糖等を加えた焼酎以外の焼酎を混和する場合を除く。)

56-3-1
砂糖等を加えた焼酎を製造する場合の承認

56-3-2
木製の容器に貯蔵した焼酎等を移出する場合の承認
規則
17-0-1
ウイスキー又はブランデー類似スピリッツを移出する場合の承認
規則
17-0-2
砂糖等を加えた焼酎を木製の容器に貯蔵する場合の承認

2 法第3条第7号ロに規定する清酒を製造する場合の承認の取扱い

(1) 清酒の製造方法の承認基準について
 法第50条第1項第1号《承認を受ける義務》に規定する法第3条第7号ロ《清酒の定義》に規定する清酒を製造しようとする場合の承認は、次による。

イ アルコール使用限度数量
 製造場ごとの原料用アルコール(連続式蒸留機又は単式蒸留機により製造されたアルコールをいい、焼酎及びスピリッツ(法第3条第9号及び第10号の規定(アルコール分に関する規定を除く。)に該当する酒類(水以外の物品を加えたものを除く。)でアルコール分が36度以上45度以下の酒類をいう。)を含む。ただし、単式蒸留機により製造されたものについては、米(米ぬかを含む。)、米こうじ、清酒及び清酒かすを原料とした自製酒(委託製造及び共同製造を含む。)に限る。以下同じ。)の使用数量は、その製造場が毎酒造年度(毎年7月1日から翌年6月30日までの期間をいう。以下この項において同じ。)に製造する清酒の原料として使用する白米1,000キログラムにつき280リットル(アルコール分100度に換算したもの。)を乗じて得た数量(この数量に1位未満の端数がある場合には、その端数を切り上げて1位にとどめる。以下この数量を「アルコール使用限度数量」という。)の範囲内とする。
 ただし、同一国税局管内に2以上の製造場を有する製造者が一方の製造場の原料用アルコールの使用数量を減少することにより、他方の製造場の原料用アルコールの使用数量を増加することを希望するときであって、国税局長がやむを得ないと認めた場合には、上記にかかわらず、上記により算出したそれぞれの製造場のアルコール使用限度数量の合計数量を各製造場ごとに適宜あん分した数量をもって、それぞれの製造場のアルコール使用限度数量とすることができる。

ロ 政令で定める物品の使用限度数量等
 令第2条《清酒の原料》に規定する原料のうち、清酒の製造において使用を認める原料は、原料用アルコール、ぶどう糖、でん粉質物を分解した糖類、こはく酸、乳酸、くえん酸、グルタミン酸ソーダ及び清酒に限ることとし、法第50条第1項第1号《承認を受ける義務》に規定する承認は、これらの物品(原料として使用した清酒を除く。)の重量の合計が、米(こうじ米を含む。)の重量の100分の50を超えない場合に限る。

(2) 清酒の製造方法の承認基準の特例取扱い
 令第2条に規定する原料の一部については、(1)に定めるところにより、その使用を制限することとしているが、当分の間、この制限している原料を使用して次による試験醸造を実施したいとする希望を有している者及びりんご酸を使用したいとする者に対しては、(1)にかかわらず、製造場ごとの原料用アルコールの使用数量が(1)のイに定めるところによるものであり、かつ、令第2条に規定する物品の重量が米(こうじ米を含む。)の重量の100分の50を超えない範囲において、これを認めて差し支えない。

イ 試験醸造は、消費者ニーズに即応する新しいタイプの清酒の開発を目的とし、商品化の可能性と醸造方法の確立を探究するものであること。

ロ 各酒造年度において試験醸造により製造する清酒の数量は、製造者ごとに30キロリットル(アルコール分を20度に換算した数量)の範囲内とすること。

ハ 製造した清酒については、業界関係者、一般消費者等に試飲(有料を含む。)させ意見を求めることとし、原則として、通常の流通ルートによる販売は行わないものであること。

(注)  試験醸造に係る法第50条《承認を受ける義務》第1項第1号の規定に基づく清酒の製造に関する承認は、試験醸造以外のものと区分して受けることに留意する。
 なお、試験醸造を実施した者は、製造場ごとに試験醸造した清酒の製造状況、清酒の評価等を税務署長あて提出させることに留意する。

3 清酒にアルコール等を加える場合の承認の取扱い

 法第50条第1項第2号に規定する清酒にアルコール等を加える場合の承認は、次のいずれにも該当するときに限り与える。

(1) 混和される清酒に使用したアルコールと混和するアルコールの総量が2(1)イに定めるアルコール使用限度数量を超えないとき

(2) 当該アルコールの混和により、令第50条《みなし製造の規定の適用除外等》第2項の規定に該当しないとき

(3) 風水害、雪害その他特別な理由によりアルコールの適時入手が不可能となったとき

4 清酒と合成清酒とを混和する場合の承認の取扱い

 法第50条第1項第3号に規定する清酒と合成清酒とを混和する場合の承認は、原則として与えないこととする。

5 製造者が砂糖等を加えた焼酎にアルコール等を混和する場合の承認の取扱い

 令第56条第2項第1号《承認を受ける義務》に規定する砂糖等を加えた焼酎にアルコール又は砂糖等を加えた焼酎以外の焼酎を混和する場合の承認の取扱いは、次による。

(1) 混和後のもののアルコール分が26度未満であり、かつ、混和するアルコール又は焼酎が木製の容器に1年以上貯蔵したものでない場合に限り与える。

(注) 混和しようとするアルコール又は焼酎には、木製の容器に貯蔵したものと木製の容器に貯蔵しないものの双方を含むものであるから留意する。

(2) 砂糖等を加えた焼酎にそれ以外の焼酎を混和する場合は、(1)によるほか8〈連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎とを混和する場合の承認の取扱い〉の定め(アルコール度数に関する規定を除く。)を準用する。

6 販売業者が酒類に水又は酒類を混和する場合の承認の取扱い

 令第56条第2項第2号《承認を受ける義務》に規定する販売業者が酒類に水又は酒類を混和する場合の承認は、原則として与えないこととする。

7 ウイスキー又はブランデーの原酒をスピリッツの製造の原料に供しようとする場合の承認の取扱い

 酒類製造者が法第50条第1項第4号《承認を受ける義務》に規定するウイスキー原酒又はブランデー原酒(以下「ウイスキー原酒等」という。)をスピリッツ製造の原料に供しようとする場合の承認は、発芽させた穀類、果実又は果実酒(果実酒かすを含む。)を原料の全部又は一部として発酵させたアルコール含有物を95度未満で蒸留した酒類及びこれらの酒類を原料の一部とした酒類にウイスキー原酒等を混和する場合には、与えないこととし、その他の場合には、次の(1)から(4)までの要件をいずれも満たしている場合に限り与える。

(1) 原酒の混和割合
 混和後のスピリッツのアルコール分の総量に対するスピリッツの製造の原料に供したウイスキー原酒等のアルコール分の総量(既に加えたウイスキー原酒等があるときは、そのウイスキー原酒等のアルコール分の総量を加えた数量)の割合が7.9パーセント以下となるもの。

(2) 着色度
 製造後のスピリッツを移出するに際して、当該酒類について日本産業規格に定める吸光光度分析通則に従い、430ナノメートル(nm)及び 480ナノメートル(nm)の吸光度をそれぞれ測定し、その着色度がいずれも0.19以下となるもの。

(3) 品目の表示
 酒類の品目(「スピリッツ」)の表示は、第8編第1章第86条の5の2(2)及び(3)〈酒類の容器に対する品目の表示の取扱い〉の定め(以下この7において「酒類の品目の表示の取扱規定」という。)にかかわらず次によるもの(100mι以下の容器を除く。)。

イ 酒類の品目を表示する場所は、主たる商標を表示したラベル内(プリント瓶については、主たる商標を表示した面と同一面)とする。

ロ 酒類の品目の表示に使用する活字の大きさは、次表に定める大きさ(1文字)又は主たる商標を表示したラベル面積の1,000分の30の大きさ(品目名を表示した部分の総面積)のいずれか大きい方の大きさ以上で、明瞭に表示する。
 ただし、主たる商標を表示したラベル内に「スピリッツ」に代えて「ウオッカ」、「ラム」又は「ジン」と表示しても差し支えない(用いる文字は日本文字に限る。)。
 なお、この場合には「酒類の品目の表示の取扱規定」による「スピリッツ」の表示が必要であるから留意する。

(注) プリント瓶については、容器の胴部分の表面積の4分の1に相当する面積をもって主たる商標を表示したラベルの面積とする。
酒類の品目の表示に使用する活字の大きさ

(4) その他の表示 (包装、説明書等を含む。)及び広告宣伝
 他の酒類に誤認されるような表示及び広告宣伝をしないもの。

(注) 他の酒類に誤認されるような表示及び広告宣伝とは、ウイスキー若しくはブランデーの特性を主張し、又はウイスキー若しくはブランデーのイメージを意識させるような表示等をいう。

8 連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎とを混和する場合の承認の取扱い

  規則第16条第1号《承認を受ける義務》に規定する連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎とを混和する場合(砂糖等を加えた焼酎に砂糖等を加えた焼酎以外の焼酎を混和する場合を除く。)の承認の取扱いは、次による。

(1) 連続式蒸留焼酎の製造免許を受けている製造場(単式蒸留焼酎の製造免許を併せ受けている製造場を除く。)において連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎とを混和する場合には、連続式蒸留焼酎のアルコール分の総量が混和後の焼酎のアルコール分の総量の100分の50を超えることとなるときで、かつ、混和後の焼酎のアルコール分が36度未満となるときに限り与える。

(2) 単式蒸留焼酎の製造免許を受けている製造場(連続式蒸留焼酎の製造免許を併せ受けている製造場を除く。)において単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎とを混和する場合には、単式蒸留焼酎のアルコール分の総量が混和後の焼酎のアルコール分の総量の100分の50を超えることとなるときで、かつ、混和後の焼酎のアルコール分が36度未満となるときに限り与える。

(3) 連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎の製造免許を併せ受けている製造場において、連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎とを混和する場合には混和後の焼酎のアルコール分が36度未満となるときに限り与える。

(4) 販売業者については原則として与えない。

9 ウイスキーとブランデーとを混和する場合の承認の取扱い

 規則第16条第2号《承認を受ける義務》に規定するウイスキーとブランデーとを混和する場合の承認は、原則として与えないこととする。

10 税率の適用区分の異なる発泡酒を混和する場合の承認の取扱い

 規則第16条第3号《承認を受ける義務》に規定する税率の適用区分の異なる発泡酒を混和する場合の承認は、原則として与えないこととし、やむを得ないと認められる場合は、国税局長の指示により承認を与える。

11 酒類に不可飲処置を施す場合の承認の取扱い

 法第50条第1項第6号≪承認を受ける義務≫に規定する製造者が製造場にある酒類に不可飲処置を施す場合の承認は、第44条第3項関係<不可飲処置を命ずる場合の取扱い>に定める処置基準に準じて行う場合に与える。

12 砂糖等を加えた焼酎を製造する場合の承認の取扱い

 令第56条第3項第1号《承認を受ける義務》に規定する砂糖等を加えた焼酎を製造する場合の承認は、木製の容器に貯蔵した焼酎等又は着色料を原料とする場合、製造後の着色度が13〈木製の容器に貯蔵した焼酎等を移出する場合の承認の取扱い〉に定める範囲内のものである場合に限り与える。

(注)

1 混和後のものはエキス分が2度未満となることが必要であり、砂糖(しょ糖)1分子は、加水分解するとぶどう糖1分子と果糖1分子とになることから、エキス分を2度未満とする場合の砂糖の混和数量は、(1)砂糖のみを混和する場合は、100立方センチメートル当たり1.9グラムを、(2)酸をあわせて混和する場合は、100立方センチメートル当たり、1.9グラムから100立方センチメートル当たりの酸の混和グラム数を差し引いたグラム数を、それぞれ限度として上記の承認を与えることに留意する。

(根基)
エキス分を2度未満とする場合の砂糖の混和数量の根基の図

2 ウイスキー及びアルコール等をかし樽等に貯蔵した場合は、 0.2度程度のエキス分を有することとなるので、木製の容器に貯蔵した焼酎等を砂糖等を加えた焼酎の原料等に使用する場合は、これらのエキス分を考慮して上記の承認を与えるよう留意する。

13 木製の容器に貯蔵した焼酎等を移出する場合の承認の取扱い

 令第56条第3項第2号《承認を受ける義務》に規定する木製の容器に貯蔵した焼酎等を移出する場合の承認は、当該酒類を未納税移出する場合には、酒税の取締り上支障のない限り与えることとし、その他の場合には、次の(1)から(3)までの要件をいずれも満たしている場合に限り与える。

(注) 同項に規定する「木製の容器に貯蔵したアルコール又は連続式蒸留焼酎若しくは単式蒸留焼酎を含むアルコール又は連続式蒸留焼酎若しくは単式蒸留焼酎」には、木製の容器に貯蔵したアルコール等と、それ以外のアルコール等とを混和したもののほか、木製の容器に貯蔵したアルコール等そのものも含まれるものであるから留意する。

(1) 着色度
 貯蔵後の焼酎等を移出する際にして、当該酒類について日本産業規格に定める吸光光度分析通則に従い、430ナノメートル(nm)及び480ナノメートル(nm)の吸光度をそれぞれ測定し、その着色度がいずれも0.080以下となるもの。

(2) 酒類の品目の表示
 酒類の品目(「連続式蒸留焼酎」又は「単式蒸留焼酎」)の表示は、第8編第1章第86条の5《酒類の品目等の表示義務》の2〈酒類の容器に対する品目の表示の取扱い〉(2)及び(3)の定め(以下この13において「酒類の品目の表示の取扱規定」という。)にかかわらず次によるもの(100mリットル以下の容器を除く。)。

イ 酒類の品目を表示する場所は、主たる商標を表示したラベル内(プリント瓶については、主たる商標を表示した面と同一面)とする。

ロ 酒類の品目の表示に使用する活字の大きさは、次表に定める大きさ(1文字)又は主たる商標を表示したラベル面積の1,000分の18の大きさ(品目名を表示した部分の総面積)のいずれか大きい方の大きさ以上で、明瞭に表示する。
 ただし、主たる商標を表示したラベル内に表示された「焼酎」(又は「しょうちゅう」)の文字が、次表に定める大きさ(1文字)又は主たる商標を表示したラベル面積の1,000分の9の大きさ(品目を表示した部分の総面積)のいずれか大きい方の大きさ以上で、明瞭に表示されている場合に限りこれを適用しないこととしても差し支えない。
 なお、この場合でも「酒類の品目の表示の取扱規定」による表示は必要であるから留意する。

(注) プリント瓶については、容器の胴部分の表面積の4分の1に相当する面積をもって主たる商標を表示したラベルの面積とする。
酒類の品目の表示に使用する活字の大きさの表

(3) その他の表示(包装、説明書等を含む。)及び広告宣伝
 他の酒類に誤認されるような表示及び広告宣伝をしないもの。

(注) 他の酒類に誤認されるような表示及び広告宣伝とは、ウイスキー又はブランデー等、他の酒類の特性を主張し、又はこれらの酒類のイメージを意識させるような表示等をいう。

14 ウイスキー又はブランデーに類似するスピリッツを移出する場合の承認の取扱い

(1) 専らウイスキー又はブランデーに用いるものと同様の表示等をしている場合
 令第56条第3項第3号《承認を受ける義務》に規定するウイスキー又はブランデーに類似するスピリッツを移出する場合の承認は、与えないこととする。

(2) 専らウイスキー又はブランデーに用いるものと同様の表示等をしていない場合
 規則第17条第1号《承認を受ける義務》に規定するウイスキー又はブランデーに類似するスピリッツを移出する場合の承認は、アルコールに該当するもの又は法第3条第15号ハの規定に該当するウイスキー若しくは同条第16号ロに規定するブランデーを原料の一部としたスピリッツを移出する場合には、与えないこととし、その他の場合には、当該酒類を未納税移出する場合で酒税の取締り上支障のないとき又は7(3)〈ウイスキー又はブランデーの原酒をスピリッツの製造の原料に供しようとする場合の承認の取扱い〉の要件を満たしており、かつ、当該スピリッツについて専らウイスキー又はブランデーに用いるものと同様の表示、広告その他これらに類する行為をしていない場合に限り与える。
 なお、申請の日前2年以内に、偽りその他不正の行為によって当該承認を受け、又は受けようとした者に対しては、承認を与えないこととする。

(注)

  1. 1 当該承認は、法第29条第1項《輸出免税》の規定等の適用を受けて酒類の製造場から移出する全てのウイスキー又はブランデーに類似するスピリッツについて受ける必要があることに留意する。
  2.  
  3. 2 法第3条第9号ロ、ハ又はニ《その他の用語の定義》に該当するもの(7(3)の定めに準じて「ウオッカ」、「ラム」又は「ジン」と表示するものに限る。)を除き、次に掲げる期間に移出するウイスキー又はブランデーに類似するスピリッツについては、それぞれ次に定めるアルコール分のものに限り承認を与える。
    (1) 令和5年4月1日から令和6年3月31日までの間 アルコール分30度未満
    (2) 令和6年4月1日から令和9月3月31日までの間 アルコール分36度未満

15 「ウイスキー又はブランデーに類似するスピリッツ」の意義

 令第56条第3項第3号及び規則第17条第1号《承認を受ける義務》に規定する「ウイスキー又はブランデーに類似するスピリッツ」とは、発芽させた穀類、果実又は果実酒(果実酒かすを含む。)を原料の全部又は一部として発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの及びこれらの酒類を原料の一部としたもの(ウイスキー又はブランデーに該当する酒類を除く。)並びに木製の容器に貯蔵し、又は色素を加える等の方法により着香又は着色させたスピリッツをいう。

16 「専らウイスキー又はブランデーに用いるものと同様の表示、広告その他これらに類する行為」の意義

 令第56条第3項第3号《承認を受ける義務》に規定する「専らウイスキー又はブランデーに用いるものと同様の表示、広告その他これらに類する行為」とは、ウイスキー若しくはブランデーを連想させるような文字を用い、ウイスキー若しくはブランデーの特性を主張し、又はウイスキー若しくはブランデーのイメージを意識させるような表示、広告その他これらに類する行為をいう。

(注)

  1. 1 「ウイスキー若しくはブランデーを連想させるような文字」には、ウイスキー又はブランデーを翻訳(音訳を含む。)した上で表示する場合又は「種類」、「型」、「様式」、「模造品」等の表現を伴い表示する場合を含む。ただし、原材料名として表示する場合又は主たる商標を表示したラベル内(プリント瓶については、主たる商標を表示した面と同一面)にウイスキー又はブランデーではない旨(例えばウイスキーに類似するスピリッツに、ウイスキーに該当しない旨。)を明瞭に表示する場合は、この限りでない。なお、ウイスキー又はブランデーではない旨の表示は、第8編第1章第86条の5の2(3)〈酒類の容器に対する品目の表示の取扱い〉の定めに準じて行うものとする。
  2. 2 「表示、広告その他これらに類する行為」には、他者を通じたものを含む。
  3. 3 食品表示基準第9条第1項第13号《表示禁止事項》の規定では、食品関連事業者(食品表示法第2条第3項第1号《定義》に規定する食品関連事業者をいう。)は、一般用加工食品(同基準第3条第1項《横断的義務表示》に規定する一般用加工食品をいう。)の容器包装に、内容物を誤認させるような文字、絵、写真その他の表示をしてはならないこととされていることから、当該規定に基づき、酒類の容器包装に異なる品目と誤認させるような文字、絵、写真その他の表示をしてはならないことに留意する。

 なお、次のものは、ウイスキー若しくはブランデーの特性を主張し、又はウイスキー若しくはブランデーのイメージを意識させるような表示、広告その他これらに類する行為として取り扱う。

(1) ウイスキー又はブランデーの製造に通常使用される機械等の画像等(例えばウイスキーの製造に使用される、いわゆるポットスチルの写真又はイラスト)

(注) 移出しようとする酒類の製造に実際に使用した機械等の画像等はこの限りでない。

(2) (1)を用いた広告又はカタログ等

(注) 「広告又はカタログ等」とは、その名称のいかんを問わず、酒類の販売に関し、顧客を誘引するための手段として、自己が販売する酒類の内容又は取引条件その他取引に関する事項を表示する全てのものをいう。

17 砂糖等を加えた焼酎を木製の容器に貯蔵する場合の承認の取扱い

 規則第17条第2号《承認を受ける義務》に規定する砂糖等を加えた焼酎を木製の容器に貯蔵する場合の承認は、次により取り扱う。

(1) 砂糖等を加えた焼酎が、木製の容器に貯蔵したことのないものである場合は、申請に係る貯蔵期間が1年未満である場合に限り与える。

(2) 砂糖等を加えた焼酎が、木製の容器に貯蔵したことのあるものである場合は、当該貯蔵期間と申請に係る貯蔵期間とを通算して1年未満である場合に限り与える。

(3) 木製の容器に貯蔵したことのあるアルコール等を原料とした砂糖等を加えた焼酎又は木製の容器に貯蔵したことのあるアルコール等を混和した砂糖等を加えた焼酎である場合は、当該アルコール等を木製の容器に貯蔵した期間も通算し、当該通算した貯蔵期間が1年未満である場合に限り与える。

(注) この承認事項は、製造者が製造場以外の場所で貯蔵する場合にも適用されるものであるから留意する。

第1項関係

1 酒類を詰め替える場合の届出の取扱い

 法第50条の2第1項第1号《届出義務》に規定する酒類を詰め替える場合の届出の取扱いは、次による。

(1) 届出対象酒類は、酒類製造者又は酒類販売業者が酒類の製造場又は保税地域以外の場所で詰め替える全ての酒類となる。

(2) 令第56条の2《届出義務》の規定による届出は、事前に包括して届出させても差し支えない。

第2項関係

1 「亡失」の意義

 法第50 条の2《届出義務》第2 項第1号に規定する「亡失」とは、天災及び人災により酒類、酒母又はもろみが滅失したことをいう。

2 亡失数量が少量の場合の取扱い

 酒類を亡失した場合の届出は、1回の亡失数量が100リットル(ビール、発泡酒又はその他の発泡性酒類(その他の醸造酒、スピリッツ又はリキュールに該当するものに限る。)については400リットル)未満で、かつ、この亡失の原因等を帳簿に明瞭に記載している場合は、1か月の範囲内において一括して届出しても差し支えない。

3 「その他の事由」の範囲

 次に掲げる事由は、法第50 条の2《届出義務》第2項第2号に規定する「その他の事由」として取扱う。

(1) 残しビール等を発酵容器から取り出す時点において、廃棄することが確定している場合

(2) 長期在庫品等で酒類の安全性及び品質の確保の観点から廃棄処分する場合

4 腐敗等の届出の取扱い

 法第50条の2第2項第2号《届出義務》の届出において、次の場合については、1か月の範囲内において一括して届出しても差し支えない。

(1) 3〈「その他の事由」の範囲〉の(1)の場合

(2) 製造工程中に発生する不合格品等をその製造設備の構造上、廃棄設備に直接送り廃棄される場合であって、廃棄の数量等を帳簿に明瞭に記載している場合


酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達目次

(前) 第47条 申告義務 〔酒類の数量確認、残しビール及び申告等の取扱い〕

(次) 第53条 納税地