(通算グループの完全支配関係の判定における従業員持株会等に係る株式の保有割合の意義)

2−27 通算子法人の発行済株式のうちに令第131条の11第2項((通算法人の範囲))の規定により読み替えられた令第4条の2第2項各号((支配関係及び完全支配関係))に掲げる株式がある場合の完全支配関係の判定は、令第131条の11第2項の規定により読み替えられた令第4条の2第2項に規定する「割合」が5%未満かどうかにより行うのであるから、例えば、通算子法人に係る当該割合が5%未満である状態が継続していたものが5%以上となったときには、当該通算子法人はその時において通算親法人との間に当該通算親法人による通算完全支配関係を有しないこととなることに留意する。

(通算承認の却下事由に該当するものの例示)

2−28 法第64条の9第3項第2号((通算承認))に規定する「その申請を行つている法人に通算予定法人以外の法人が含まれていること」には、例えば、法第64条の10第1項((通算制度の取りやめ等))の承認を受け、法第127条第2項((青色申告の承認の取消し))の規定による通知を受け、又は法第128条 ((青色申告の取りやめ))に規定する届出書の提出をした内国法人につき、法第64条の9第1項第3号から第5号までに規定する各期間を経過していない場合において、当該内国法人がその申請を行っている法人に含まれていることがこれに該当する。

(最初通算事業年度開始の時までの間に完全支配関係を有することとなった法人のみなし承認)

2−29 法第64条の9第2項((通算承認))に規定する他の内国法人が、既に同項の規定により通算承認の申請を行った同条第1項に規定する親法人との間に、当該申請の時から当該親法人の最初通算事業年度(法第2編第1章第1節第11款第1目((損益通算及び欠損金の通算))の規定の適用を受けようとする最初の事業年度をいう。以下2−37までにおいて同じ。)開始の時までの間に、新たに当該親法人による完全支配関係を有することとなった場合において、当該親法人に対して通算承認の処分があったときは、同条第4項の規定により、当該他の内国法人についても通算承認があったものとみなすことに留意する。

(設立事業年度等の承認申請特例の不適用)

2−30 法第64条の9第1項((通算承認))に規定する親法人の事業年度の期間が次に掲げる場合に該当する場合には、それぞれ次に定める事業年度については、同条第7項の規定の適用はないことに留意する。

(1) 当該親法人の設立事業年度(同項に規定する設立事業年度をいう。以下2−30において同じ。)の期間が2月を超えない場合((2)に該当する場合を除く。) 設立事業年度

(2) 当該親法人の設立事業年度開始の日から当該設立事業年度の翌事業年度終了の日までの期間が2月を超えない場合 設立事業年度及びその翌事業年度

(時価評価資産等の判定における資本金等の額)

2−31 法人が法第64条の9第10項第1号((通算承認))の「時価評価資産その他の政令で定めるもの」を有するかどうかを判定する場合における令第131条の15第1項第5号((通算制度の開始に伴う資産の時価評価損益))に規定する「資本金等の額」は、申請特例年度開始の日の前日の属する事業年度終了の時の資本金等の額となることに留意する。
 法第64条の9第12項第1号の「時価評価資産その他の政令で定めるもの」を有するかどうかを判定する場合における令第131条の16第1項第3号((通算制度への加入に伴う資産の時価評価損益))に規定する「資本金等の額」については、完全支配関係を有することとなった日の前日の属する事業年度終了の時の資本金等の額となることに留意する。

(譲渡損益調整額等が1,000万円以上であるかどうかの判定単位等)

2−32 令第131条の13第1項 ((時価評価資産等の範囲))の規定の適用上、次に掲げる金額が1,000万円以上であるかどうかの判定に当たっては、それぞれ次のことに留意する。

(1) 同項第2号の譲渡損益調整額(以下2−32において「譲渡損益調整額」という。) その譲渡損益調整額の対象となる譲渡した資産のそれぞれの譲渡損益調整額ごとに判定する。

(2) 同項第3号の繰延長期割賦損益額(以下2−32において「繰延長期割賦損益額」という。)
  法第63条第1項((リース譲渡に係る収益及び費用の帰属事業年度))に規定するリース譲渡(以下2−32において「リース譲渡」という。)に係る契約ごとの繰延長期割賦損益額により判定する。

(3) 令第131条の13第1項第4号に規定する特別勘定の金額 その特別勘定の対象となる譲渡した資産又は取得した株式のそれぞれの特別勘定の金額ごとに判定する。
同条第2項又は第3項の規定による?から?までに掲げる金額がそれぞれ1,000万円に満たないかどうかの判定に当たっても、同様とする。

(注) (2)の判定を行う場合において、法人が、リース譲渡につき基本通達2−4−5((延払基準の計算単位))の取扱いにより合理的な区分ごとに一括して延払基準を適用しているときは、その契約の属する区分の差益率を基として当該契約に係る繰延長期割賦損益額を計算している限り、これを認める。

(通算法人が株式移転により他の通算グループに属することとなる場合の申請特例年度の直前事業年度における時価評価法人の判定)

2−33 株式移転により設立された法人が、通算グループに属する通算親法人の発行済株式の全部を当該株式移転により取得をして保有した上で、法第64条の9第7項((通算承認))の規定の適用を受けて通算承認の申請を行う場合における当該通算グループに属する通算親法人及び通算子法人は、当該株式移転により設立された法人の申請特例年度開始の日の前日の属するそれぞれの事業年度終了の時において、それぞれ同条第10項第1号の「時価評価資産その他の政令で定めるもの」を有するかどうかにより同号の時価評価法人に該当するかどうかの判定を行う必要があることに留意する。

(最初通算事業年度開始の日に完全支配関係を有することとなった法人の取扱い)

2−34 法第64条の9第4項((通算承認))の規定により通算承認があったものとみなされる同項に規定する他の内国法人は、当該他の内国法人に係る同条第1項に規定する親法人の最初通算事業年度の開始の時に当該親法人との間に完全支配関係がある法人に限られるのであるから、例えば、当該最初通算事業年度の開始の日に2−33((通算法人が株式移転により他の通算グループに属することとなる場合の申請特例年度の直前事業年度における時価評価法人の判定))の場合に該当することとなった当該通算グループに属する当該通算親法人及び当該通算子法人はこれに該当するが、当該最初通算事業年度の開始の日に当該親法人によって設立された法人のように当該開始の日において当該親法人との間に完全支配関係を有することとなった法人はこれに該当せず、同条第11項の規定の適用があることに留意する。