【照会要旨】

 ともにA国出身の甲、乙夫婦(国籍はA国)間において居住用財産の贈与が行われました。当該贈与に係る贈与税については、甲は配偶者控除(相法21の6)の適用を受ける予定です。
 贈与税の配偶者控除の適用に当たっては、当該贈与に係る贈与税の申告書に婚姻期間を証する書類として戸籍謄本又は抄本を添付しなければならないものとされていますが(相法21の63、相規9)、甲は日本国籍を有しないため、戸籍謄本又は抄本の添付ができません。この場合に、戸籍謄本又は抄本に代わるものとして、どのような書類の添付があれば、贈与税の配偶者控除の適用が認められますか。なお、甲、乙は、昭和45年に日本国内において婚姻した旨を申し立てています。

【回答要旨】

 日本国籍を有しない者の婚姻について、法の適用に関する通則法では、婚姻成立の形式要件として婚姻挙行地の法によるほか、当事者の一方の本国法によることができるとされています(ただし、日本国において婚姻をする場合で、当事者の一方が日本人であるときは、日本の方式による必要があります。)。
 したがって、当事者の婚姻地及び婚姻前の国籍により、戸籍謄(抄)本に代わるものとして、次のものの添付がある場合には、贈与税の配偶者控除を適用して差し支えありません。

(1) 当事者の一方が日本人である場合で、その婚姻が日本国内で行われた場合
 婚姻届の受理証明書又は婚姻届出書に基づく記載事項証明書

(2) 当事者の双方が外国人である場合で、その婚姻が日本国内で行われ、かつ、地方公共団体の戸籍係に婚姻届をしている場合
 婚姻届の受理証明書又は婚姻届出書に基づく記載事項証明書

(3) (1)及び(2)以外の場合
 当事者の本国の戸籍謄本等公の機関においてその婚姻期間を証明する書類
 なお、国交等がないために(3)の書類が得られない場合には、外国人登録済証明書など婚姻の事実、婚姻期間が確認できるもの。

【関係法令通達】

 相続税法第21条の6
 相続税法施行規則第9条
 法の適用に関する通則法第24条

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。