【照会要旨】

 被相続人は、法人が所有する建物の敷地の用に供されている宅地を所有し、当該法人に対して当該宅地を相当の対価を得て継続的に貸付けを行っていましたが、当該法人による当該建物の建替え中に被相続人について相続が発生しました。この場合、小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等又は特定同族会社事業用宅地等)の適用を受けることはできますか。
 なお、当該貸付けは当該建替えの期間中も継続的に行われており、当該建替えの完了後も当該法人に対して継続的に貸付けを行う見込みです。

【回答要旨】

 小規模宅地等の特例の対象は、相続開始の直前において被相続人等の事業の用に供されていた宅地等で建物等の敷地の用に供されている一定のものとされています。
 本件の宅地は相続開始の直前において継続的に貸し付けられており、相続開始の直前における当該法人の事業の準備行為の状況からみて、当該建物を速やかに当該事業の用に供することが確実であったと認められるのであれば、建替えのため一時的に当該宅地上の建物がなかったに過ぎないと認められることから、当該宅地については相続開始の直前において被相続人の事業の用に供されていた宅地で建物の敷地の用に供されているものとして取り扱って差し支えありません。したがって、他の適用要件を満たせば小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等又は特定同族会社事業用宅地等)の適用を受けることができます。

【関係法令通達】

 租税特別措置法第69条の4
 租税特別措置法関係通達69の4−5

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。