被相続人は、介護保険法に規定する要介護認定を受け、居住していた建物を離れて特別養護老人ホーム(老人福祉法第20条の5)に入所しましたが、一度も退所することなく亡くなりました。
被相続人が特別養護老人ホームへの入所前まで居住していた建物は、相続の開始の直前まで空家となっていましたが、この建物の敷地は、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当しますか。
照会のケースにおける、被相続人が所有していた建物の敷地は、相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当することになります。
(理由)
相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった宅地等の場合であっても、被相続人が、相続の開始の直前において介護保険法等に規定する要介護認定等を受けていたこと(注1)及び
その被相続人が老人福祉法等に規定する特別養護老人ホーム等(以下「老人ホーム等」といいます。)に入居又は入所(以下「入居等」といいます。)していたことという要件を満たすときには、その被相続人により老人ホーム等に入居等をする直前まで居住の用に供されていた宅地等(その被相続人の老人ホーム等に入居等後に、事業の用又は新たに被相続人等(被相続人又はその被相続人と生計を一にしていた親族をいいます。以下同じです。)(注2)以外の者の居住の用に供されている場合を除きます。)については、被相続人等の居住の用に供されていた宅地等に該当します。
(注1)被相続人が介護保険法等に規定する要介護認定等を受けていたかどうかは、その被相続人が、その被相続人の相続の開始の直前において要介護認定等を受けていたかにより判定します。
したがって、老人ホーム等に入居等をする時点において要介護認定等を受けていない場合であっても、その被相続人が相続の開始の直前において要介護認定等を受けていれば、老人ホーム等に入居等をする直前まで被相続人の居住の用に供されていた建物の敷地は、相続の開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていた宅地等に該当することになります。
(注2)被相続人と入居等の直前において生計を一にし、かつ、その宅地等の上に存する建物に引き続き居住している被相続人の親族を含みます。
租税特別措置法第69条の4第1項
租税特別措置法施行令第40条の2第2項、第3項
租税特別措置法通達69の4−7の3
注記
令和6年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。