【照会要旨】

 被相続人甲の死亡により、その子乙及び丙が甲の遺産を取得しました。乙及び丙は、いずれも未成年者です。乙は制限納税義務者(日本との間で遺産、相続及び贈与に関する租税条約を締結していない外国の居住者です:相法1の31四)であるため相続税法第19条の3に規定する未成年者控除の適用を受けることはできませんが、丙は無制限納税義務者(相法1の31一又はニに該当する者)であるため同法第19条の3に規定する未成年者控除の適用を受けることができます。
 しかし、丙の相続税額が少ないため控除不足額が生じます。このような場合には、その控除不足額は、制限納税義務者である未成年者乙の相続税額の計算上控除することができますか。

【回答要旨】

 他の相続人に係る未成年者控除の控除不足額は、その者の扶養義務者(配偶者、直系血族及び兄弟姉妹のほか、3親等内の親族のうち一定の者をいいます。)から控除することができます。この場合、その扶養義務者は、制限納税義務者であるかどうか、また、未成年者であるかどうかは問いません。
 したがって、丙の未成年者控除の控除不足額は、乙の相続税の計算上控除することができます。

【関係法令通達】

 相続税法第1条の3、第19条の3第2項

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。