【照会要旨】

 甲は、次の場合に保険金が支払われる連生終身保険(2人の被保険者を対象とした終身保険)の契約をしています。

  1. 1 被保険者が2人とも死亡したとき……指定した受取人に対して死亡保険金
  2. 2 一方の被保険者が高度障害状態となり、更に他方の被保険者が高度障害状態となったとき……先に高度障害状態となった者(その者が既に死亡している場合には後に高度障害状態となった者)に対して高度障害保険金
  3. 3 一方の被保険者が高度障害状態となり、更に他方の被保険者が死亡したとき……先に高度障害状態となった者に対して高度障害保険金

(例) 高度障害保険の支払事由(契約者(保険料負担者):甲、被保険者:甲及び乙)

〔発生順位1〕 〔発生順位2〕 〔保険金受取人〕
1 甲(高度障害) 乙(死亡)
2 甲(死亡) 乙(高度障害)
3 甲(高度障害) 乙(高度障害)
4 乙(高度障害) 甲(死亡)
5 乙(死亡) 甲(高度障害)
6 乙(高度障害) 甲(高度障害)
7 乙(死亡) 甲(死亡) 指定受取人
8 甲(死亡) 乙(死亡) 指定受取人

 上記の1から6については、保険金の受取人は高度障害状態にある者ですから、非課税所得となり、7及び8の場合には相続税の対象になると考えますがどうでしょうか。

【回答要旨】

 現実に支払を受けることになるのは2人目の被保険者が保険金支払事由に該当したときですから、発生順位2の保険事故により判断します。したがって、甲が保険契約者(保険料負担者)である場合には、それぞれ、1一時所得(死亡保険金)、2356非課税、47相続税の対象となります。また、8の場合には甲の死亡後、その権利の承継者が誰であるかによって課税関係を判断します。

【関係法令通達】

 相続税法第3条、第5条
 所得税法施行令第30条第1号
 所得税基本通達9-20、9-21

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。