【照会要旨】

 土地の譲渡は非課税とされており、その譲渡対価は消費税法第30条第6項《課税売上割合》に規定する課税売上割合(以下、単に「課税売上割合」という。)の計算上資産の譲渡等の対価に含まれますが、土地の譲渡に伴う課税仕入れの額はその譲渡金額に比し一般的に少額であることから、課税売上割合を適用して仕入れに係る消費税額を計算した場合には、事業の実態を反映しないことがあります。
 そこで、たまたま土地の譲渡対価の額があったことにより課税売上割合が減少する場合で、課税売上割合を適用して仕入れに係る消費税額を計算すると当該事業者の事業の実態を反映しないと認められるときは、課税売上割合に準ずる割合の承認を受けることができる取扱いはできないのでしょうか。

【回答要旨】

 土地の譲渡が単発のものであり、かつ、当該土地の譲渡がなかったとした場合には、事業の実態に変動がないと認められる場合に限り、次の1又は2の割合のいずれか低い割合により課税売上割合に準ずる割合の承認を与えることとして差し支えないこととします。

1 当該土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合(令533《通算課税売上割合の計算方法》に規定する計算方法により計算した割合をいう。)

2 当該土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合

(注)

1 土地の譲渡がなかったとした場合に、事業の実態に変動がないと認められる場合とは、事業者の営業の実態に変動がなく、かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内である場合とします。

2 課税売上割合に準ずる割合の適用を受ける場合、納税地の所轄税務署長の承認を受けた日の属する課税期間から適用されます。
 承認審査には一定の期間が必要となりますので、時間的余裕をもって「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を提出してください。
 なお、適用を受けようとする課税期間の末日までに承認申請書を提出し、同日の翌日以後1月を経過する日までに納税地の所轄税務署長の承認を受けた場合、当該承認申請書を提出した日の属する課税期間から適用されます。

3 この課税売上割合に準ずる割合の承認は、たまたま土地の譲渡があった場合に行うものですから、当該課税期間において適用したときは、翌課税期間において「消費税課税売上割合に準ずる割合の不適用届出書」を提出してください。なお、提出がない場合には、承認を受けた日の属する課税期間の翌課税期間以降の承認を取り消すものとします。

【関係法令通達】

 消費税法第30条第3項、消費税法施行令第47条第6項、第53条第3項、消費税法基本通達11-5-7

注記
 令和5年10月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。