【照会要旨】

 令和7年4月1日前よりリース取引(法人税法第64条の2第1項の規定により売買があったものとされるリース取引)を行っている賃貸人である法人が、旧リース会計基準(企業会計基準第13号)又は新リース会計基準(企業会計基準第34号)に基づき会計処理を行った場合、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例(経過措置)の適用がありますか。

(参考) 2024年9月13日に新リース会計基準が公表されました。当該新リース会計基準は、旧リース会計基準においてファイナンス・リース取引における貸手の会計処理として認められていた「リース料受取時に売上高と売上原価を計上する方法(割賦基準)」が廃止される等の改正が行われています。
 新リース会計基準は、金融商品取引法の適用会社等において2027年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から適用されることされていますが、2025年4月1日以後開始する連結会計年度及び事業年度の期首から当該会計基準を適用できることとされています。

【回答要旨】

 賃貸人が旧リース会計基準又は新リース会計基準に基づき会計処理を行った場合、延払基準の方法により経理した場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例(経過措置)が適用されます。ただし、本特例が適用できるのは令和12年4月1日前に開始する事業年度に含まれる各課税期間(経過措置課税期間)に限られます。

(理由)
 令和7年4月1日前において、賃貸人が旧リース会計基準に基づき会計処理を行った場合、法人税法上の取扱いにおいて、延払基準の方法により経理したものとしてリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例の適用が受けられました。
 また、法人税法上の取扱いにおいて、延払基準の方法により経理したものとしてリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例の適用が受けられる場合には、消費税法上の取扱いにおいても、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例を適用することができました(旧法16)。
 令和7年度税制改正により、これらの特例は廃止されましたが、経過措置により、令和7年4月1日前からリース取引を行っている賃貸人が旧リース会計基準又は新会計基準に基づき会計処理を行った場合で、法人税法におけるリース譲渡に係る収益及び費用の帰属年度の特例の経過措置の適用を受ける場合には、消費税についても、一定期間、リース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例を適用することができます(令和9年4月1日以後に開始する事業年度については、法人税法上の経過措置の適用を受けている必要はありません。)
 経過措置の概要については、「所有権移転外ファイナンス・リース取引の場合の資産の譲渡等の時期について(経過措置)」をご参照ください。

【関係法令通達】

 令和7年改正法附則第22条

注記
 令和7年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。