【照会要旨】

 生産緑地に係る主たる従事者が死亡した場合の生産緑地の価額は、どのように評価するのですか。

【回答要旨】

 生産緑地に指定されると、原則として、告示の日から30年間は、建築物の建築、宅地の造成等はできないといういわゆる行為制限が付されることになります(生産緑地法8)。このような生産緑地の価額は、行為制限の解除の前提となっている買取りの申出のできる日までの期間に応じて定めた一定の割合を減額して評価することとしています。
 ところで、この買取りの申出は30年間経過した場合等(注)のほか、その生産緑地に係る農林漁業の主たる従事者が死亡したときにもできる(生産緑地法10)こととされていることから、主たる従事者が死亡した時の生産緑地の価額は、生産緑地でないものとして評価した価額の95%相当額で評価します。

(生産緑地法の概要)

対象地区
  1. 丸1 市街化区域内の農地等であること
  2. 丸2 公害等の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全の効用を有し、公共施設等の用地に適したものであること
  3. 丸3 用排水等の営農継続可能条件を備えていること
地区面積 500平方メートル以上(市町村が条例により300平方メートルまで引下げ可能)
建築等の制限  宅地造成・建物等の建築等には市町村長の許可が必要(農林漁業を営むために必要である一定の施設及び市民農園に係る施設等以外の場合は原則不許可)
買取り申出  生産緑地の指定から30年経過する日(申出基準日)等(注)以後又は生産緑地に係る主たる農林漁業従事者又はそれに準ずる者の死亡等のとき、市町村長へ時価での買取り申出が可能(不成立の場合は、3ヶ月後制限解除)
特定生産緑地の指定  申出基準日までに生産緑地を特定生産緑地として指定が可能
特定生産緑地の指定期限の延長  申出基準日から10年経過する日までに指定期限の延長が可能(以後、繰り返し10年の延長が可能)

(注) 特定生産緑地の指定がされた場合には、買取りの申出ができる日が申出基準日から10年延期されます。さらに、特定生産緑地の指定期限の延長がされた場合には、買取りの申出ができる日が10年延長されます(生産緑地法10の5)。

【関係法令通達】

 財産評価基本通達40-3

注記
 令和5年8月1日現在の法令・通達等に基づいて作成しています。
 この質疑事例は、照会に係る事実関係を前提とした一般的な回答であり、必ずしも事案の内容の全部を表現したものではありませんから、納税者の方々が行う具体的な取引等に適用する場合においては、この回答内容と異なる課税関係が生ずることがあることにご注意ください。