分割等対象株式等の発行法人であるA株式会社は、平成18年6月30日にB株式会社に吸収合併されることとなった。これに伴い、被合併法人(法人税法第2条第11号に規定する「被合併法人」をいう。)であるA株式会社の株主である乙川三郎(特定事業用資産相続人等)は、合併法人(同条第12号に規定する「合併法人」をいう。)であるB株式会社より同社の株式及び1株未満の端数に相当する株式(以下「端数株式」という。)の譲渡代金の交付を受けた。
 なお、当該法人の合併は、措置法令第40条の2の2第11項第3号に掲げる法人の合併に該当する(措置通69の5−14)。

1. 贈与時のA株式会社の状況等

(1) 分割等対象株式等であるA株式会社の1株当たりの贈与時の価額 10,000円

(2) 合併前に乙川三郎が有していたA株式会社に係る特定受贈同族会社株式等の株数 500株

(3) 特定贈与者 乙川太郎

(4) 贈与年月日 平成16年3月31日

2. 合併後のB株式会社の状況

(1) 合併後における対応株式であるB株式会社の資本金等の額 110,000,000円

(2) 合併後におけるB株式会社の発行済株式の総数(同社が有する自己株式の数を除く。) 3,000株

(3) 合併後における乙川三郎が有する上記1の(2)の株数に対応するB株式会社の株数 136株

(4) 乙川次郎が取得した上記1の(2)の株数に対応するB株式会社の端数株式の譲渡代金等

イ 端数株式の譲渡代金 13,200円

ロ イの譲渡代金に相当する端数株式の株数 0.36株

≪設例4≫に係る記載例

特定(受贈)同族会社株式等について会社分割等があった場合の特例の対象となる価額等の計算明細の記載例

特定同族会社株式等又は特定受贈同族会社株式等である選択特定事業用資産についての課税価格の計算明細の記載例

(注) B株式会社の株式136株について特例の適用を受けたものとして記載している。

相続時精算課税適用財産の明細書相続時精算課税分の贈与税額控除額の計算書の記載例

(記載上の留意事項)

【第11・11の2表の付表3の2】

  1. 合併に伴い消滅する特定受贈同族会社株式等については、4欄、5欄、6欄及び17欄の記載は不要である。
  2.  10欄には、合併法人の株数に当該法人に係る端数株式の株数を加算した数を記載する(措置通69の5−14なお書)。

    (注) 10欄には136.36株(136株+0.36株)を記載することになる。
     なお、10欄の記載に際し、合併法人の株数に加算した当該法人の端数株式(0.36株)は、措置法第69条の5第1項の規定の適用はない(措置通69の5−14なお書)ので、当該端数株式に係る金額13,200円(36,667円×0.36株)を相続税の課税価格に算入することに留意する(【第11・11の2表の付表3】参照。)。
     また、端数株式の譲渡代金(13,200円)については、措置法令第40条の2の2第10項第3号の金額の合計額に含まれないことから、12欄から15欄への記載の必要はないのであるから留意する。