分割等対象株式等の発行法人である丙株式会社は、平成18年10月31日に法人の分割を行い、丁株式会社を新設することになった。これに伴い、丙株式会社の株主である丙谷二郎(特定事業用資産相続人等)は、同社より丁株式会社の株式及び金銭(利益剰余金を原資とする配当金は含まれていない。)の交付を受けた。

1. 贈与時の丙株式会社の状況等

(1) 分割等対象株式等である丙株式会社の1株当たりの贈与時の価額 100,000円

(2) 分割前に丙谷二郎が有していた丙株式会社に係る特定受贈同族会社株式等の株数 200株

(3) 特定贈与者 丙谷太郎

(4) 贈与年月日 平成17年5月1日

2. 分割後の丙株式会社の状況

(1) 分割後における丙株式会社の資本金等の額 10,000,000円

(2) 分割後における丙株式会社の発行済株式の総数(同社が有する自己株式の数を除く。) 3,000株

(3) 分割後における丙谷二郎が有する丙株式会社に係る特定受贈同族会社株式等の株数 200株

3. 分割後の丁株式会社の状況等

(1) 分割後における対応株式の発行法人である丁株式会社の資本金等の額 10,000,000円

(2) 分割後における丁株式会社の発行済株式の総数(同社が有する自己株式の数を除く。) 3,000株

(3) 分割後における丙谷二郎が有する上記1の(2)の株数に対応する丁株式会社の株数 200株

(4) 丙谷二郎が(3)の株式とともに交付を受けた金銭 1,000,000円

(5) (3)の株数に相当する株式の価額及び(4)の金銭のうち所得税法第25条第1項の規定により配当所得とみなされた金額

(3)の株式に係る金額 100,000円

(4)の金銭に係る金額 200,000円

≪設例3≫に係る記載例

特定(受贈)同族会社株式等について会社分割等があった場合の特例の対象となる価額等の計算明細の記載例

特定同族会社株式等又は特定受贈同族会社株式等である選択判定事業用資産についての課税価格の計算明細の記載例

(注) 丙株式会社の株式200株について特例の適用を受けたものとして記載している。

相続時精算課税適用財産の明細書相続時精算課税分の贈与税額控除額の計算書の記載例

(記載上の留意事項)

【第11・11の2表の付表3の2】

  1.  12欄の金額には、特定受贈同族会社株式等に係る剰余金の配当として交付を受けた金銭その他の資産の金額を記載するのであるが、当該金額には株式及び出資の価額、所得税法第24条第1項及び第25条第1項の規定により配当所得の対象とされた金額(当該株式及び出資に係るものを除く。)は含まれない(措置法令40の2の210三イ、措置通69の5−11)。

    (注) 丙谷二郎は、法人の分割によって、丙株式会社から丁株式会社の株式のほかに利益剰余金を原資とする配当金以外の金銭(1,000,000円)の交付を受けていることから当該株式は対応株式に該当しない(措置法令第40条の2の2第11項第4号非該当)。したがって、12欄の金額には、当該株式の価額及び当該金銭のうち所得税法第25条第1項により配当所得とみなされた金額(200,000円)を除いた800,000円(1,000,000円−200,000円)を記載することになる。

  2.  13欄から15欄の各欄は、上記1の法人の分割があった場合に分割法人の株主である特定事業用資産相続人等が交付を受けた分割承継法人の株式について記載する。

    (注) 分割後の丁株式会社の資本金等の額(10,000,000円)を13欄、同社の発行済株式の総数(3,000株)を14欄、分割により丙谷二郎が交付を受けた同社の株式数(200株)を15欄に記載することになる。