問3

当社(飲食業)は、インボイス制度導入後である令和5年10月1日に免税事業者から国内にある店舗用の建物を取得し、その対価として1,100万円を支払いました。当社は税抜経理方式で経理していますが、この場合の課税仕入れに係る法人税の取扱いはどうなりますか。

【回答】

支払対価の額のうち、80万円を仮払消費税等の額として取引の対価から区分し、1,020万円を建物の取得価額として法人税の所得金額の計算を行うことになります。

【解説】

インボイス制度導入後、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの間に行われた適格請求書発行事業者以外の者(消費者、免税事業者又は登録を受けていない課税事業者)からの課税仕入れについては、当該課税仕入れに係る支払対価の額に110分の7.8(軽減税率の対象となる場合は108分の6.24)を乗じて算出した金額に100分の80を乗じて算出した金額を課税仕入れに係る消費税額とみなすこととされています(28年改正法附則521)。すなわち、インボイス制度導入前の課税仕入れに係る消費税額の80%相当額について仕入税額控除の適用を受けることができます。
 このため、法人が税抜経理方式で経理している場合において、適格請求書発行事業者以外の者からの課税仕入れについて、支払対価の額のうちインボイス制度導入前の仮払消費税等の額の80%相当額を仮払消費税等の額とし、残額を建物の取得価額として法人税の所得金額の計算を行うことになります(新経理通達3の2、経過的取扱い(2))。

※ 所得税に係る消費税経理通達についても同様の取扱いとなります(所得税に係る消費税経理通達3の2、令和3年2月9日付課個2−3「『消費税法等の施行に伴う所得税の取扱いについて』の一部改正について」(法令解釈通達)経過的取扱い(2))。