(問66)

通算法人が貸倒引当金の繰入限度額を計算する場合において、その通算法人が通算グループ内の他の通算法人に対して有する金銭債権は、その計算の基礎となる金銭債権に含まれますか。

【回答】

通算法人が通算グループ内の他の通算法人に対して有する金銭債権は、貸倒引当金の繰入限度額の計算の基礎となる金銭債権には含まれません。

【解説】

法人が各事業年度において、その法人が有する個別評価金銭債権(注1)又は一括評価金銭債権(注2)の貸倒れ等による損失の見込額として損金経理により貸倒引当金勘定に繰り入れた金額のうち、個別貸倒引当金繰入限度額又は一括貸倒引当金繰入限度額に達するまでの金額は、その法人のその事業年度において損金の額に算入されます(法5212、令9616)。
 ただし、この規定を適用できるのは、次の法人に限られています。

  1. (1) その事業年度終了の時において、普通法人のうち、資本金の額等が1億円以下である(資本金の額が5億円以上である法人による完全支配関係があるものや大通算法人(注3)などを除きます。)又は資本等を有しないもの(大通算法人を除きます。)に該当する内国法人(法521一)
  2. (2) 銀行や保険会社など一定の法人(法521二、令964
  3. (3) 売買があったものとされる一定のリース取引に係る金銭債権を有する法人など一定の法人(法521三、令965

ここで、内国法人がその有する金銭債権について貸倒引当金の繰入限度額を計算する場合には、その内国法人との間に完全支配関係がある他の法人に対してその内国法人が有する金銭債権は、個別評価金銭債権及び一括評価金銭債権には含まれないこととされています(法529二)。
 本件は、通算制度における通算法人が通算グループ内の(通算完全支配関係がある)他の通算法人に対して有する金銭債権とのことですが、通算完全支配関係も完全支配関係に該当しますので、質問の金銭債権は、個別評価金銭債権及び一括評価金銭債権には含まれません。

  1. (注1) 個別評価金銭債権とは、金銭債権のうち、更生計画認可の決定に基づいて弁済を猶予されることなどの一定の事実が生じていることによりその一部について貸倒れ等の事由による損失が見込まれるものをいいます(法521、令961)。
  2. (注2) 一括評価金銭債権とは、売掛金や貸付金などの金銭債権で、個別評価金銭債権以外のものをいいます(法522)。
  3. (注3) 大通算法人とは、通算法人である普通法人又はその普通法人の各事業年度終了の日においてその普通法人との間に通算完全支配関係がある他の通算法人のうち、いずれかの法人がその各事業年度終了の時における資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人など一定の法人に該当する場合におけるその普通法人をいいます(法666括弧書)。

(参考)
 完全支配関係及び通算完全支配関係の意義については、次のQ&Aを参照してください。

  1. 問3 完全支配関係と通算完全支配関係の意義