関連法人株式等に係る受取配当等の益金不算入額の計算において控除の対象となる負債の利子とはどのようなものをいうのですか。
控除の対象となる負債の利子とは連結法人が連結事業年度において支払う負債の利子をいい、手形の割引料などの経済的な性質が利子に準ずるものが含まれ、連結完全支配関係がある他の連結法人に支払うものが除かれます。
連結所得の金額の計算における関連法人株式等に係る配当等の額で益金不算入となる金額は、次の算式により計算します(法81の4、令155の8
)。
このように、負債の利子の額のうち一定の金額を配当等の額から控除するのは、負債の利子の額に総資産の帳簿価額のうちに関連法人株式等の額の占める割合を乗じた金額を益金不算入となる配当等の額を得るために要した費用ととらえ、非課税収入に係る費用が課税費用となることで不公平な税負担等とならないように調整するためです。
このとき、各連結法人が支払う負債の利子等には、手形の割引料、社債を割引発行した場合の収入額と債務額との差額、生命保険契約に基づく責任準備金の積立額のうち保険料積立金に係る利子に相当する金額、買掛金を手形によって支払った場合に相手方に対して負担したその手形の割引料相当額など、その経済的な性質が利子に準ずるものを含むこととされています(令21、連基通3−2−1)。
また、各連結法人が支払う負債の利子等からその連結法人との間に連結完全支配関係がある他の連結法人に支払うものが除かれることとされています(法81の4)。これは、連結法人間で負債の利子等の収受が行われた場合、連結所得の金額の計算においては、収益たる受取利子の額と費用たる支払利子の額が同額となり、結果として相殺されることとなるため、連結法人以外に対して支払う負債の利子等のみを控除の対象となる負債の利子等とすることが妥当であるとの考え方によるものです。
(参考)
関連法人株式等や期末関連法人株式等の意義については、次のQ&Aを参照してください。