【新設】(合併法人等における取戻し課税の不適用)

42の6−15の3 合併法人等(合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人をいう。以下同じ。)が合併等(合併、分割、現物出資又は事後設立をいう。以下同じ。)により措置法第42条の6第3項の規定の適用を受けた電子機器利用設備の移転を受けた場合において、当該合併法人等が当該電子機器利用設備を指定事業の用に供しなくなったときは、当該合併等に係る被合併法人等(被合併法人、分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。)において同条第6項の規定による取戻し課税の適用がない場合であっても、当該合併法人等については同項の規定の適用はないのであるから留意する。

(注) 例えば、非適格現物出資又は非適格事後設立により当該電子機器利用設備を移転したことにより指定事業の用に供しなくなった場合であっても、措置法令第27条の6第8項第1号又は第5号に掲げる事実が生じたことによるときは、取戻し課税の適用がないことに留意する。

【解説】

(1) 電子機器利用設備を賃借した場合のリース税額控除の適用を受けた法人が、当該適用を受けた事業年度後の各事業年度において、リース期間内にリース資産を指定事業の用に供しなくなった場合には、次の事実が生じたことにより指定事業の用に供さなくなったときを除き、リース税額控除額の取戻し課税を行うこととされている(措法42の66、措令27の68)。

イ 当該法人について解散(合併により解散を除く。)又は営業の全部の譲渡(合併(適格合併を除く。)、分割(適格分割を除く。)、適格現物出資又は適格事後設立による移転を含む。ホにおいて同じ。)があったこと(措令27の68一)。

ロ 当該法人について会社更生法(昭和27年法律第172号)の規定による更生手続開始の決定、商法の規定による整理開始の命令又は民事再生法の規定による再生手続開始の決定があったこと(措令27の68二)。

ハ 当該電子機器利用設備が災害により滅失又は著しく損傷したこと(措令27の68三)。

ニ 適格合併又は適格分割により合併法人又は分割承継法人に当該電子機器利用設備を移転したこと(措令27の68四)。

ホ 当該法人の事業の重要部分の相当期間の休止又は譲渡があったことその他ロ又はハに準ずる特別の事実(措令27の68五)

(2) そこで、被合併法人等がリース資産を組織再編成により移転した場合において、上記(1)のイからホまでに掲げる事実に該当したことにより取戻し課税の適用を受けなかったときは、移転を受けた合併法人等が当該電子機器利用設備を指定事業の用に供しなくなった場合に取戻し課税が適用されるのではないかという問題が生じる。
 この点については、リース税額控除の取戻し課税は、リース税額控除の適用を受けた法人が、当該適用を受けた事業年度後の各事業年度において指定事業の用に供しなくなった場合に取戻し課税を行うこととされていることから、組織再編成により移転を受けた合併法人等が事業供用を廃止しても、法令上、リース税額控除の適用を受けていない合併法人等においては取戻し課税の適用はないことになっている。
 本通達では、このことを明らかにしている。
 なお、現物出資法人又は事後設立法人が、非適格現物出資又は非適格事後設立によりリース資産を移転したことにより、指定事業の用に供しなくなった場合でも、例えば、上記の(1)のイの「営業の全部の譲渡」やホの「事業の重要部分の譲渡」に該当するときは、法令上、取戻し課税の適用がないことになっている。本通達の(注)においてこのことを念のため明らかにしている。

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