2 租税特別措置法関係通達(法人税編)関係

【新設】(移転試験研究費の額の区分に係る合理的な方法)

42の4−12 移転事業(措置法令第27条の4第9項に規定する移転事業をいう。以下同じ。)と移転事業以外の事業とに共通して生じた試験研究費の額がある場合における同項に規定する合理的な方法とは、当該試験研究費の額をその試験研究費の内容、性質等に応じた合理的な基準により、それぞれの事業に配分する方法をいうのであるから、留意する。

(注) 分割等(分割、現物出資又は事後設立をいう。)の時に、分割法人等(分割法人、現物出資法人又は事後設立法人をいう。)において現に営まれていない事業に係る試験研究費の額は、移転事業に係る試験研究費の額に該当しないことに留意する。

【解説】

(1) 平成13年度の税制改正により、増加試験研究費の税額控除制度を適用しようとする法人が分割法人等又は分割承継法人等である場合の比較試験研究費の額の原則的な計算方法が定められた(措令27の47)。
 ただし、税務署長が認定をした合理的な方法に従って、分割承継法人等に移転する事業(以下「移転事業」という。)に係る試験研究費の額と移転事業以外の事業に係る試験研究費の額とに区分している場合は、この合理的な方法による区分に基づいて分割法人等及び分割承継法人等の比較試験研究費の額の計算を行うことが認められている(措令27の49)。
 なお、この合理的な方法による区分は、組織再編成が適格要件に該当しない場合であっても、認定申請をすることができることに注意する必要がある。

(2) この合理的な方法による区分は、移転事業についてのみ生じた試験研究費の額や、あるいは移転事業以外の事業についてのみ生じた試験研究費の額については、特段の問題は生じない。
 しかし、間接費や基礎研究費などのように、移転事業と移転事業以外の事業とに共通して生じた試験研究費がある場合、その共通して生じた試験研究費の額をどのように合理的に区分するのかは実務上問題がある。
 この点については、その共通して生じた試験研究費の内容、性質等に応じた合理的な基準によりそれぞれの事業に配分する方法が、この「合理的な方法」に該当することになる。例えば、研究施設の減価償却費については床面積比、研究者の福利厚生費は研究者数比等により、それぞれの事業に配分する方法などが考えられる。
 本通達の本文においてこの旨を明らかにしている。
 なお、分割等の時に分割法人等において現に営まれていない事業がある場合、当該事業について分割等の時の前に生じた試験研究費の額は、移転事業に区分されるものではないことは当然である。このことを本通達の(注)において明らかにしている。

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