【新設】(双方に関連を有する繰延資産の引継ぎ)

8−1−15 適格分割等により移転する資産等と移転しない資産等の双方に関連を有する繰延資産については、当該繰延資産の金額を合理的に按分した金額を引き継ぐことができるものとする。

【解説】

 法人が適格分割等を行った場合には、その適格分割等により分割承継法人等に移転する資産等と関連を有する繰延資産は、その分割等の直前の帳簿価額により分割承継法人等に引き継がれる(法324)。
 ところで、分割等が行われた場合に、繰延資産の中には、移転する資産等と移転しない資産等の双方に関連を有するものも生じてくる。例えば、分割法人が賃借している建物の一部分を分割承継法人が使用することとなったが、建物の賃貸人との契約はその一部分の賃借人を変更するだけで新たに敷金や権利金の支払が生じない場合に、既に分割法人が当該建物を賃借する際に支払った権利金が繰延資産として計上されているようなときには、当該権利金をどのように処理するかが問題となる。
 この点については、移転する資産等と移転しない資産等の双方に関連する繰延資産は、移転する資産等に係る金額として合理的に按分した金額を引き継ぐことが相当であると考えられる。本通達では、このことを明らかにしている。
 例えば、上記の建物の賃借に係る権利金であれば、その使用面積等により分割承継法人等の使用部分に係る金額を合理的に按分して引き継ぐことになろう。

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