【新設】(資産等の移転による譲渡の対価の額)

1−4−14 令第4条の2第13項第4号《適格事後設立の要件》に規定する「資産等の移転による譲渡の対価の額」とは、当該資産等の譲渡の時の時価をいうことに留意する。

【解説】

 適格事後設立は、資産等の移転による譲渡の対価の額が被事後設立法人を設立するために事後設立法人が払い込んだ金銭の額とおおむね同額であったことが要件とされている(令4の213四)。
 この場合の「資産等の移転による譲渡の対価の額」とは、当該資産等の譲渡の時の時価をいう。このことは、法人税法第62条の5《適格事後設立による資産等の時価による譲渡と株式の帳簿価額修正益又は帳簿価額修正損の益金又は損金算入》の規定が、事後設立法人の時価による資産等の譲渡損益について帳簿価額修正益又は帳簿価額修正損を益金又は損金の額に算入することにより課税を繰り延べる制度であることから当然のことといえる。
 したがって、適格事後設立とするためには、被事後設立法人の設立時の払込金銭は、移転する資産等の時価相当額としておく必要がある。
 本通達では、このことを念のため明らかにしている。
 なお、今回の通達改正で廃止された旧10−7−1《現物出資に代えて金銭出資の形式により資産を譲渡した場合の圧縮記帳》では、移転する資産等の帳簿価額に相当する金銭の払込みにより子会社を設立し、その後子会社に帳簿価額により資産等を移転した場合でも圧縮記帳の適用が認められていたが、平成13年度税制改正後は、適格事後設立に該当しないことになるので注意が必要である。

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