【新設】(組織再編成の日)

1−4−1法人が合併、分割、現物出資又は事後設立(以下1−4−1において「組織再編成」という。)を行った場合における当該組織再編成の日は、当該組織再編成により当該法人が合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人にその有する資産及び負債の移転をした日をいうのであるから、留意する。

(注) 合併又は分割の場合における当該移転をした日は、合併契約において合併期日として定めた日又は分割契約若しくは分割計画において分割期日として定めた日をいう。

【解説】

(1) 法人の事業年度の所得金額の算定に当たって、法人税法上の次のような規定においては、合併、分割、現物出資又は事後設立(以下「組織再編成」という。)の日がいつになるかにより、被合併法人等や合併法人等にとってその損益等の帰属がいずれの事業年度になるかが異なってくることになる。

イ 組織再編成に係る所得の金額の計算……合併・分割による資産等の時価譲渡(法62)、特定資産譲渡等損失の損金不算入(法62の7)

ロ 損金の額の計算……減価償却(法31)、繰延資産(法32)、国庫補助金の圧縮記帳(法 42)、保険金の圧縮記帳(法47)、貸倒引当金(法52)、返品調整引当金(法53)、退職給与引当金(法54)

ハ 繰越欠損金の控除……青色欠損金の繰越控除(法57)、災害損失金の繰越控除(法58)

ニ 利益の額又は損失の額の計算……繰延ヘッジ処理(法61の6)、時価ヘッジ処理(法61 の7)、外貨建取引の換算(法61の8)、為替予約差額の配分(法61の10)

ホ その他……資本積立金額(法2十七)、みなし事業年度(法14)、中間申告(法71)等

(2) これら被合併法人等や合併法人等の所得金額の算定に当たっては、組織再編成の日がいつになるのかを確定する必要があるが、組織再編成に係る損益等は、その有する資産及び負債の移転を行った時に時価による譲渡を認識することとされていること(法62ほか)等から、組織再編成の日は、その有する資産及び負債の移転をした日をもって判定することが法令上予定されているところである。
 そこで、本通達において、法人が組織再編成を行った場合における当該組織再編成の日は、当該組織再編成により当該法人が合併法人、分割承継法人、被現物出資法人又は被事後設立法人にその有する資産及び負債の移転をした日をいうことを留意的に明らかにして いる。
 なお、みなし事業年度が設けられている合併や分社型分割以外の分割については、そのみなし事業年度の期間を捉える上で必要な合併の日又は分割の日が基本通達1−2−3において明らかにしているが、これらの日と合併又は分割の場合における当該移転をした日は当然一致するものである。したがって、合併又は分割の場合における当該移転をした日は合併契約において合併期日として定めた日又は分割契約若しくは分割計画において分割期日として定めた日をいうことを本通達の(注)において明らかにしている。

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