1 法人税基本通達関係

【新設】(いわゆる中間型の分割を行った場合のみなし事業年度)

1−2−4分割承継法人の株式その他の資産を分割法人及び分割法人の株主等のいずれにも交付する分割を行った場合には、法第14条第3号《みなし事業年度》の規定によるみなし事業年度の適用があることに留意する。

【解説】

(1) 平成12年の商法改正により会社分割制度が導入されたが、会社分割により分割会社の株主に設立会社又は承継会社の株式等が交付される場合には、分割会社の純資産が減少するため、資本の部の額を減少させる必要が生じ、その際、分割会社の利益準備金及び剰余金を設立会社又は承継会社へ引き継ぐことが認められている(商法288の2345)。
 なお、分社型分割の場合は、分割会社が設立会社又は承継会社から株式等の割り当てを受けるため、その純資産額に変動が生じないことから利益準備金等の引継ぎは認められていない。
 また、商法上、分割に際して設立会社又は承継会社の株式等を分割会社と分割会社の株主等との双方に交付することがあり得るが、このようないわゆる中間型の分割を行った場合においても、利益準備金等の引継ぎが認められている。

(2) このため、税務上は、法人が事業年度の中途において、当該法人を分割法人とする分社型分割以外の分割を行った場合には、その事業年度開始の日から分割の日の前日までの期間及び分割の日からその事業年度の末日までの期間を事業年度とみなすこととされている(法14三)。
 この場合の分社型分割とは、分割により分割承継法人の株式その他の資産が分割法人にのみ交付される場合の分割をいうことから(法2十二の十)、分割承継法人の株式等が分割法人及び分割法人の株主等とのいずれにも交付される中間型の分割は税法上の分社型分割には当たらず、みなし事業年度が生じることとなる。
 本通達では、このことを留意的に明らかにしている。

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