【新設】(資産の評価損の損金算入の規定の適用がある場合の帳簿価額)

12の2−2−4 法人がその有する資産の評価換えにより生じた損失の額について法第33条第2項《資産の評価損の損金算入》の規定の適用を受けている場合に、当該損失の額につき法第62条の7《特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入》の規定が適用されたときであっても当該資産の帳簿価額は当該評価換え後の帳簿価額となることに留意する 。

【解説】

 特定引継資産又は特定保有資産につき、法人税法第33条第2項《資産の評価損の損金算入》の規定に基づき計上した評価損がある場合には、当該評価損の額は法第62条の7第2項各号《特定資産譲渡等損失額》に規定する損失の額に含めて計算することとされている(令123の85)。
 そこで、法第33条第2項《資産の評価損の損金算入》の規定に基づく資産の評価損が法第62条の7《特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入》の規定により損金の額に算入されなかった場合、当該特定引継資産又は特定保有資産の帳簿価額は、評価換え前又は評価換え後のいずれの金額を付すかという疑問がある。
 この点については、法第33条第2項の評価損の計上と法第62条の7の譲渡等損失額の損金不算入とは、本来、別の規定であり、法第62条の7の規定は、適格合併等があった場合に、特定引継資産又は特定保有資産について生じた評価損や譲渡損などの損失額のうち一定金額について損金算入しないというものである。つまり、法人税法第62条の7の規定により損金算入されなかった場合でも、法第33条第2項の規定による評価損の計上については、それ自体が否定されるというものではない。
 したがって、法第62条の7の規定により損金算入されなかった評価損があった場合でも、当該資産の帳簿価額は、評価換え後の帳簿価額となることを本通達で留意的に明らかにしている。

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