【新設】(圧縮記帳を適用している資産に係る帳簿価額又は取得価額)

12の2−2−3 合併法人等が法第62条の7第1項《特定資産に係る譲渡等損失額の損金不算入》に規定する特定適格合併等により特定資本関係法人(同項に規定する特定資本関係法人をいう。以下12の2−2−5において同じ。)において圧縮記帳の適用を受けた資産の移転を受けた場合において、当該資産が令第123条の8第6項第3号《特定引継資産から除かれる資産》に掲げる帳簿価額又は取得価額が千万円に満たない資産に該当するかどうかの判定を行うときは、当該資産に係る引当金又は目的積立金の金額の引継ぎを受けたかどうかにかかわらず、当該固定資産の帳簿価額又は取得価額は、圧縮記帳に係る規定の適用を受けた後の金額になることに留意する。

【解説】

 平成13年度の税制改正において、法人と特定資本関係法人(当該法人との間で特定資本関係がある法人をいう。以下同じ。)との間で当該法人を合併法人等とする特定適格合併等が行われた場合において、当該特定資本関係が当該法人の特定適格合併等事業年度開始の日の5年前の日以後に生じているときは、当該法人の適用期間において生ずる特定引継資産又は特定保有資産の譲渡、評価換え、貸倒れ、除却その他これらに類する事由による損失額(特定引継資産又は特定保有資産の譲渡又は評価換えによる利益の額を除く。)は、損金の額に算入されないこととされた(法62の71)。
 また、この特定引継資産とは、法人が特定資本関係法人から特定適格合併等により移転を受けた資産で当該特定資本関係法人が当該特定資本関係の生じた日前から有していたものをいうのであるが、特定適格合併等の日における帳簿価額又は取得価額が千万円未満の資産、棚卸資産等は、この特定引継資産から除かれている(法62の72一、令123の86)。
 そこで、特定引継資産から除かれるこの帳簿価額又は取得価額が千万円に満たない資産かどうかの判定を行う際に、その圧縮記帳前又は圧縮記帳後のいずれの金額によって判断するかが問題となる。
 この点、法人税法上の圧縮記帳の適用を受けた減価償却資産については、圧縮記帳後の金額を取得価額とみなし、また、租税特別措置法上の圧縮記帳の適用を受けた資産についても、法人税に関する法令の規定を適用する場合には取得価額に算入しないこととされている (令543、80の22等)。
 したがって、この判定を行う帳簿価額又は取得価額については、圧縮記帳後の帳簿価額又は取得価額により判定することとなる。また、圧縮記帳の適用を受けた資産について、その移転の際に、会計処理上において当該資産に係る引当金又は積立金の引継ぎを受けたかどうかにかかわらず、圧縮記帳後の帳簿価額又は取得価額となることを本通達において明らかにしている。

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