【新設】(適格合併等に係る特定資本関係法人が2以上ある場合の特定資本関係が生じた日の判定)

12−1−5 法人が2以上の特定資本関係法人(法第57条第6項《青色欠損金の繰越 しに係る制限》に規定する「特定資本関係法人」をいう。以下12−1−5において 同じ。)との間で当該法人を合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人とする適格 合併、適格分割又は適格現物出資を行った場合における同項の規定の適用上、同項 に規定する特定資本関係の生じた日がいつであるかは、当該法人と各特定資本関係 法人(当該法人との間において令第112条第8項において読み替えて準用する同 条第6項《共同で事業を営むための適格合併等》に規定する要件を満たしている場 合の当該特定資本関係法人を除く。)との間において特定資本関係が生じた日のうち 最も遅い日をいうことに留意する。

【解説】

 法人と特定資本関係法人(当該法人との間に特定資本関係がある法人をいう。)との間で当該法人を合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人とする適格合併、適格分割又は適格現物出資(以下「適格合併等」という。)が行われ、かつ、当該特定資本関係が当該法人の合併等事業年度開始の日5年前の日以後に生じている場合において、当該適格合併等が共同で事業を営むための適格合併等に該当しないときは、当該法人の当該合併等事業年度以後の各事業年度における繰越控除制度の適用上、特定資本関係事業年度前の各事業年度に生じた欠損金額はないものとするなど、一定の制限を行うこととされている(法576
 この場合、この特定資本関係法人が2社以上あるときは、各特定資本関係法人との間で特定資本関係の生じた日が異なるケースがあり得るが、このような場合、繰越控除制限の基準日となる特定資本関係の生じた日は、各特定資本関係法人との間で特定資本関係が生じた日のうち最も遅い日をいうことになる。
 例えば、下図のように、A社を合併法人、B社、C社及びD社の3社を被合併法人とする吸収合併が行われた場合には、AB間、AC間及びAD間のそれぞれで、特定資本関係の有無及び共同事業を営むための適格合併に該当するかの判定を行うことになる。その結果、いずれについても共同事業を営むための適格合併に該当しない場合には、特定資本関係の生じた日のうち最も遅い日、すなわち平成12年6月1日が「特定資本関係の生じた日」となり、この日を基準として繰越控除制限の規定(法576)を適用することになる。

合併法人の事例

 なお、上図の事例で、仮に、AC間及びAD間では共同事業を営むための適格合併に該当しないが、AB間では共同事業を営むための適格合併に該当する場合には、当然のことながらB社を除外した上、AC間の平成11年6月30日とAD間の平成10年9月23日とのいずれか遅い日、すなわち、平成11年6月30日を「特定資本関係の生じた日」として、繰越控除制限の規定(法576)を適用することになる。

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