【新設】(出向により分割承継法人等の業務に従事する場合)

11−4−27 令第106条の2第3号《分社型分割等における期中退職給与引当金勘定の設定の要件》に規定する「分割承継法人等の業務に従事すること」とは、同号に規定する分割等事業に従事していた使用人が出向により分割承継法人等の業務に従事する場合も、これに含まれることに留意する。

(注) 令第107条第1項第3号《退職給与引当金勘定の金額の取崩し》に規定する 「合併法人等の業務に従事すること」についても同様とする。

【解説】

(1) 分社型分割等を行った場合の期中退職給与引当金勘定の繰入れ要件は、「分割承継法人等の業務に従事することが見込まれていること」とされているが(令106の2三)、分割法人等の使用人が出向により分割承継法人等の業務に従事する場合に、この要件を満たすかどうかが問題となる。
 この点、従業者の範囲については、基本通達1−4−4で示されているように、雇用契約があるかどうかといった雇用形態を問わず分割等事業に従事している者をいうことから、分割等の後においても分割承継法人等の業務に従事すれば特に雇用形態は問わないこととなる。
 したがって、分割法人等からの出向によって分割承継法人等の業務に従事した場合であっても当該要件を満たすこととなる。

(2) また、使用人が退職した場合、退職給与引当金勘定の金額のうち、その使用人の退職給与の額に相当する金額に達するまでの金額は取り崩して益金の額に算入することになる。したがって、分割等により使用人が分割法人等を退職した場合も、原則的には、退職給与引当金勘定の取崩しを行わなければならない。ただし、一定の要件を満たす場合には、 退職した場合の取崩し事由から除かれている。
 この要件の一つに、分割等の直前の分割等事業に従事していた使用人のうち、その総数のおおむね100分の80以上に相当する数の者が当該分割等の後に分割承継法人等の業務に従事することが見込まれていることがある(令1071三)。この規定は上記(1)の要件を規定する法人税法施行令第106条の2第3号と同様の規定振りとなっていることから、分割承継法人等の業務に「従事すること」は上記(1)と同様に解することになる。
 したがって、分割法人等からの出向によって分割承継法人等の業務に従事した場合であっも当該要件を満たすこととなる。
 本通達において、これらのことを留意的に明らかにしている。

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