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- 第8章 第2節 延滞税の納付が困難な場合の免除
第2節 延滞税の納付が困難な場合の免除
74 免除の要件
- (1) 要件
通則法第63条第3項の規定による延滞税の免除ができるのは、納税の猶予又は換価の猶予をした場合において、その猶予をした国税に係る延滞税の納付が困難であると認められ、かつ、納税者が次に掲げる要件のいずれかに該当する場合であり、具体的には下記(2)から(4)までに定めるところによる。
- イ 納税者の財産の状況が著しく不良であって、納期又は弁済期の到来した地方税若しくは公課又は債務について軽減又は免除をしなければ、その事業の継続又は生活の維持が著しく困難になると認められる場合において、その軽減又は免除がされたとき。
- ロ 納税者の事業等の状況によりその延滞税の納付を困難とするやむを得ない理由があると認められるとき。
- (2) 延滞税の納付困難
上記(1)の「延滞税の納付が困難と認められる」とは、猶予に係る国税の延滞税を徴収しようとするときにおいて、未納の国税の納付に充てることのできる資金の額がその国税の額に不足しているため猶予に係る国税の延滞税の全額を納付することができないと認められる場合をいう(通基通第63条関係2及び5参照)。
なお、上記の判定に当たっては、次の事項に留意する。
- (3) 財産の状況が著しく不良であることにより債務免除がされた場合
上記(1)イの「納税者の財産の状況が著しく不良」とは、納税者が債務超過に準ずる状態に至った場合をいう(通基通第63条関係3)。
また、「その軽減又は免除がされたとき」とは、猶予をした期間の始期以降において、納税者の財産の状況が著しく不良であって、そのままの状態では事業の継続又は生活の維持が著しく困難になると認められる場合において、その状態に陥ることを避けるために、納期又は弁済期の到来した地方税、公課及び私債権の元本又は利息(以下これらを「債務」という。)につき相当額の軽減又は免除(以下「債務免除」という。)がされたときをいう(通基通第63条関係3−2)。
上記の場合に当たるかどうかについては、債務免除がされた時期における納税者の資力状況その他の諸事情を総合して判断することとするが、徴収上の支障がないと認められるときは、下記イ及びロのそれぞれについて調査し、そのいずれにも該当するときは、財産の状況が著しく不良であることにより、債務免除がされた場合に当たるものとして差し支えない。
なお、債務免除には、単に支払の猶予等をしたに過ぎない場合は含まれないが、納税者に対して債務免除の意思表示が正式にはされていないものの、債権者集会において債務免除の申合せをした場合など、実質的に債務免除がされた場合には、債務免除があったものとして差し支えない。
- (4) 延滞税の納付を困難とするやむを得ない理由がある場合
上記(1)ロの「延滞税の納付を困難とするやむを得ない理由があると認められるとき」とは、納税者が猶予に係る国税について、不要不急の資産の処分、経費の節約等の相当の努力をしたにもかかわらず、おおむね次に掲げる場合(納税者の故意又は重大な過失によるものを除く。)に該当するため、その国税に係る延滞税の納付が困難になっていると認められる場合をいう(通基通第63条関係4)。
- イ 納税者につき猶予該当事実(上記4(1)《猶予該当事実》参照)がある場合
- ロ 納税者がその財産の大部分につき強制執行、担保権の実行としての競売、仮差押え等がされているため、納付資金の調達が著しく困難になっている場合
- ハ 納税者の所有する財産が事業の継続又は生活の維持に最小限度必要なもの以外になく、また、所得が少額で納付資金の調達が著しく困難になっていると認められる場合
75 免除対象期間
免除の対象となる期間は、下記(1)及び(2)の期間とする。
76 免除金額
免除することができる金額は、上記75《免除対象期間》の免除対象期間に対応する延滞税のうち、納付困難と認められる金額とする。この金額は、上記75(1)イにより調査した未納の国税の納付に充てることができる資金の額が未納の国税の額に不足する場合のその不足額(免除対象期間に対応する延滞税の金額が不足額に満たない場合には、その延滞税の金額)とする。
なお、上記の場合において、上記75の免除対象期間内に通則法第63条第5項の「滞納に係る国税の全額を徴収するために必要な財産につき差押えをし、又は納付すべき税額に相当する担保の提供」があり、その差押え又は担保の提供の日(その差押え又は担保の提供が同条第1項の規定による延滞税の免除対象期間の末日以前にされているときは、その免除対象期間を経過した日)以後の期間につき同条第5項の規定を適用して延滞税の免除をすることが、上記の免除することができる金額(納付困難と認められる金額)よりも多額になると認められるときは、同条第3項の規定を適用することなく同条第5項の規定を適用することとして差し支えない。
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