延滞税の免除は、納税の猶予又は換価の猶予をした場合など一定の事由に該当する場合に、その納付すべき延滞税の納税義務の全部又は一部を免除するものである。

この章は、通則法第63条第1項及び第3項《納税の猶予等の場合の延滞税の免除》の規定による延滞税の免除につき、免除の要件、免除対象期間、免除金額及び免除の手続について定めたものである。

第1節 猶予をした場合における延滞税の免除

71 免除の要件

納税の猶予又は換価の猶予をした場合には、下記72《免除対象期間》の期間に対応する下記73《免除金額》の金額の延滞税を免除する(通則法第63条第1項)。

72 免除対象期間

免除の対象となる期間は、下記(1)又は(2)の期間とする。

なお、猶予をした期間中に猶予の取消しの基因となるべき事実が生じた場合には、その事実が生じた日以後の期間は免除の対象となる期間から除くものとする(通則法第63条第1項ただし書)。

(注)

  • 通則法第49条第1項各号に掲げる猶予の取消しとなる事実が生じた場合であっても、やむを得ない理由があったと認められるときは、「取消しの基因となるべき事実」には該当しない。
  • (1) 通則法第46条第1項又は第2項第1号、第2号若しくは第5号(同項第1号又は第2号に該当する事実に類する事実に係る部分に限る。)の規定による納税の猶予(以下この節において「災害等による納税の猶予」という。)をした場合
    災害等による納税の猶予をした期間(通則法第63条第1項本文)
  • (2) 通則法第46条第2項第3号、第4号若しくは第5号(同項第3号又は第4号に該当する事実に類する事実に係る部分に限る。)若しくは第3項に規定する納税の猶予(以下この節において「事業の廃止等による納税の猶予」という。)又は徴収法第151条第1項若しくは第151条の2第1項の規定による換価の猶予の場合
    事業の廃止等による納税の猶予又は換価の猶予をした期間のうち、納期限の翌日から起算して2月を経過する日後の期間(租税特別措置法第94条第2項の規定に該当する場合は、猶予をした期間)

73 免除金額

免除する金額は、下記(1)又は(2)の金額とする(通則法第63条第1項本文)。

  1. (1) 災害等による納税の猶予をした場合
    災害等による納税の猶予に係る国税の延滞税のうち、上記72《免除対象期間》(1)の免除対象期間に対応する部分の金額の全額
  2. (2) 事業の廃止等による納税の猶予又は換価の猶予をした場合
    事業の廃止等による納税の猶予又は換価の猶予に係る国税の延滞税のうち、上記72(2)の免除対象期間に対応する部分の金額の2分の1に相当する金額(租税特別措置法第94条第2項の規定に該当する場合には、上記72(2)の免除対象期間に対応する部分の延滞税の金額のうち、当該延滞税の割合が猶予特例基準割合であるとした場合における当該延滞税の額を超える部分の金額)

    (注)

    1. 1 猶予特例基準割合とは、各年の前々年の9月から前年の8月までの各月における銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を12で除して得た割合として各年の前年の11月30日までに財務大臣が告示する割合に、年0.5%の割合を加算した割合をいう(租税特別措置法第94条第2項)。
    2. 2 通則法第63条第1項の規定により免除すべき金額が納付された場合には、過誤納金として還付することに留意する。

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