第4節 公売の通知

 この節は、公売の通知及びその手続等について定めたものである。

(公売の通知)

47 公売の通知については、次に掲げる事項に留意する。

  • (1) 公売公告をしたときは、次に掲げる者に対して「公売通知書」(様式308020-039・040)によりその旨を通知すること(徴収法第96条第1項)。ただし、差押財産等を再公売に付する場合において、その再公売の期日が直前の公売期日(徴収法第95条第1項第3号の「公売の日時」の属する日(期間入札の方法による場合には入札書が提出できる始期の属する日))から10日以内であるときは、公売の通知をする必要がないこと(徴収法第107条第3項)。
    • イ 滞納者
    • ロ 公売財産につき交付要求をした者
    • ハ 公売財産上に質権、抵当権、先取特権、留置権、地上権、賃借権及び配偶者居住権を有する者のうち知れている者
       なお、質権、抵当権、先取特権には、仮登記(保全仮登記を含む。)がされた質権、抵当権及び先取特権が含まれる(徴基通第96条関係4、徴収法133条3項、徴収令50条4項参照)。
    • ニ 公売財産上に、永小作権、地役権、採石権、仮登記(担保のための仮登記を含む。)に係る権利、徴収法第59条第1項後段、第3項若しくは第4項《第三者の損害賠償請求権等への配当》(これらの規定を徴収法第71条第4項において準用する場合を含む。)の規定の適用を受ける損害賠償請求権又は前払借賃に係る債権を有する者等のうち知れている者
    • ホ 保税倉庫内に保管されている輸入貨物の公売を行う場合には、その保税倉庫を管轄する税関(関税法第97条第2項)
    • ヘ 換価同意行政機関等

    (注)

    1 上記の「滞納者」には、徴収法第24条《譲渡担保権者の物的納税責任》の規定により追及を受けた譲渡担保権者及び担保物処分の場合における当該担保物の差押え時の所有者が含まれることに留意する(徴基通第54条関係12、第100条関係12参照)。

    2 上記の「交付要求をした者」には、換価執行決定前に換価同意行政機関等に対して交付要求をした者が含まれることに留意する。

    3 上記のハ及びニにおける「知れている者」とは、ハ及びニに掲げる者のうち、徴収職員が公売の通知をするに際してその氏名又は名称及び住所又は居所を知ることができた者をいうことに留意する(徴基通第96条関係3)。

    4 上記のハ及びニに掲げる権利者のうち差押債権者に対抗できない権利者(例えば、差押え後に公売財産を譲り受けた者、質権、抵当権等を設定した場合における当該質権者、抵当権者等又は差押債権者に対抗できる占有の権原がなく、かつ、それを知り又は過失により知らないで占有を始めたときにおける留置権者等)に対する公売の通知は、これを要しないことに留意する(徴基通第96条関係6、第47条関係51、第21条関係3参照)。

  • (2) 公売公告をしたときは、次に掲げる者のうち知れている者に対しても「公売通知書」によりその旨を通知するものとする。
    • イ 徴収法第19条及び第20条《不動産保存の先取特権等の優先等》に規定する先取特権以外の先取特権者(徴基通第96条関係5の(注)1)
    • ロ 仮差押債権者(徴基通第96条関係5の(注)2、滞調法逐条通達第11条関係1の(1)等参照)
    • ハ 不動産の使用若しくは収益をする権利の移転又は担保権の移転についての登記を請求する権利を保全するための処分禁止の仮処分(保全法第53条第1項)がされている不動産を公売する場合においては、仮処分の債権者(不動産に関する権利以外の権利でその権利の処分の制限について登記又は登録を効力発生要件又は対抗要件とするもの(保全法第54条)についても同様とする。)(徴基通第96条関係5の(注)3)
    • ニ 滞調法の規定による二重差押えに係る差押債権者(徴収法第96条1項の規定により公売の通知を受ける者を除く。)(徴基通第96条関係5の(注)4、滞調法逐条通達第3条関係9、第12条関係、第19条関係2、第20条の2関係1、3の(1))
    • (注) 不動産、特許権、著作権等の共有に係る持分を公売する場合において、共有者間の人的又は経済的関係が強いと認められるときは、他の共有者に対して買受勧奨を行うものとする。

  • (3) 複数の財産を一括換価する場合の「公売通知書」の作成に当たっては、次に掲げる事項に留意する。
  • イ 一括換価の方法により公売する旨を記載すること。
  • ロ 「公売財産の表示」欄には、一括換価する全ての財産を記載すること。
     なお、滞納者を異にする複数の財産を一括換価する場合には、「公売財産の所有者」欄に記載された滞納者の権利の対象となる財産を特定して明示すること。
  • ハ 「公売に係る国税等の額」欄には、「公売財産の所有者」欄に記載された滞納者に係る滞納国税等のみを記載するとともに、その滞納者に係る公売処分の基礎となっている滞納国税等である旨を記載すること。
  • ニ 全ての財産を一体とした見積価額と各財産の見積価額を求めた場合において、公売公告と同時に見積価額を公告するときは、それらの見積価額を記載すること。
  • (4) 特定参加差押不動産を公売する場合の「公売通知書」の作成に当たっては、次に掲げる事項に留意する(34参照)。
    • イ 換価執行決定に基づく公売である旨を記載すること。
    • ロ 差押財産と特定参加差押不動産を一括換価公売する場合は、「公売財産の表示」欄で、特定参加差押不動産を特定すること。
    • ハ 「公売に係る国税等の額」欄には、特定参加差押えに係る国税を記載すること。
  • (5) 「公売通知書」による通知に当たっては、次のことに留意すること。
    • イ 「公売通知書」による通知は、交付送達又は郵便による送達の方法により行うこと。この場合、納税者が所在不明で「公売通知書」を送達できないときは、公示送達を行うこと。
       なお、「債権現在額申立書」の提出を必要とする者(徴収法第130条第1項)に対して上記の通知をするときは、これらの者が売却決定の日の前日までに当該「債権現在額申立書」を提出することができるだけの期間を考慮して送達するものとする。
    • ロ 交付送達の方法によるときは、必ず「送達記録書」により書類を受領した者の署名押印を求めること。
    • ハ 郵便による送達の方法によるときは、原則として配達証明(郵便法第47条)による特殊取扱いによること。

      (注) 配達証明郵便物は、受取人が不在等の事由により配達できなかったときは郵便局に留め置かれるので(郵便規則第84条)、郵便局から「配達証明書」が送達されない場合には、公売期日前に「公売通知書」が送達されているかどうかを必ず確認することに留意する。

    • ニ この通知には「公売についての不服申立て又は取消しの訴えの提起に関するお知らせ」を同封することに留意する。
  • (6) (1)に掲げる者に対する「公売通知書」が送達されていないことが確認された場合は、他の送達方法により送達することとし、それらによっても送達ができないときには、原則として公売を中止すること。ただし、次により処理することができる場合は、公売を続行して差し支えない。
  • イ 「債権現在額申立書」の提出を必要としない者に対して、「公売通知書」を公売の日前(「再調査の請求書」又は「審査請求書」を公売の日までに提出することができるだけの期間を考慮した期日)に送達できるとき。
  • ロ 「債権現在額申立書」の提出を必要とする者に対して、「公売通知書」を売却決定の日前(「債権現在額申立書」を売却決定の日の前日までに提出することができるだけの期間を考慮した期日)に送達できるとき。

(債権現在額申立書の提出の催告)

48 「公売通知書」による通知をするときは、公売財産の売却代金から配当を受けることができる者のうち知れている者に対して、必要事項を記載した「債権現在額申立書」(様式308020-095・096)を同時に送付し、当該「債権現在額申立書」をその財産の売却決定をする日の前日までに提出すべき旨の催告を併せて行う(徴収法第96条第2項)。
 なお、上記の「知れている者」は、47(公売の通知)に掲げる者で、かつ、徴収法第129条第1項第2号から第4号《配当すべき債権》までに掲げる債権を有する者のうち知れている者に限られることに留意する(徴基通第96条関係7)。

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