(1) 基準価額算定の基本的事項
基準価額は、本章第2節《試算価格の具体的な算定方法》で用いた各評価方法で得られた試算価格、精通者意見等による評価額等を比較、再検討の上、試算価格相互間の開差の縮小を図る調整を行うことにより算定する。この場合における試算価格の調整は、評価手順の各段階を客観的に再検討し、
各評価方法及び採用資料の特徴に応じた検討を加えた上、
各試算価格のうちいずれかを選択又は、どれがどの程度重視されるべきかを判断して行う。
なお、各試算価格間の調整において留意すべき事項は以下のとおりである。
イ 各試算価格の再検討
ロ 各試算価格の特徴に応じた検討
(注) 公売財産が課税財産である場合には、当該財産の消費税及び地方消費税相当額を加算して基準価額を求めることに留意する。
(2) 一括換価する場合の基準価額の算定
滞納者を異にする複数の不動産等を一括換価する場合の基準価額の算定に当たっては、原則として、一括換価する全ての財産を一体とした基準価額と各財産の基準価額を求める(鑑定人に評価を委託する場合は、同様の評価額の鑑定を依頼する。)。
なお、次のいずれにも該当する場合は、全ての財産を一体とした基準価額のみを求めることとして差し支えない。
(注)
基準価額の算定に当たっては、不動産鑑定士による鑑定評価額や精通者の意見等を参考にすることができる(徴収法第98条第2項、徴基通第98条関係3(3)参照)。
(1) 評価の依頼
(2) 評価依頼に当たっての留意事項
(3) 鑑定評価額の活用
鑑定人等から鑑定評価書等を徴した場合で、その内容を妥当と認めるときは、その鑑定評価額を見積価額の評定における基準価額(又は試算価格)として取り扱って差し支えない。
(4) 精通者からの意見聴取
公売財産の評価に当たっては、必要に応じ評価に関する各種の事項について精通者から意見を聴取し、評価額に適切に反映させる。
精通者とは、例えば、不動産については、信託銀行の貸付担当者等で評価に相当の技術を有する者や不動産の仲介を業とする者で組織する協会等の理事長、役員等の信用のある者をいい、不動産以外の財産については、当該財産の製造業者、販売業者、鑑定家、研究機関の職員等のうち適当と認められる者をいい、必要に応じて広く当該財産の売買の仲介を業としている者等その実情に詳しい者も含めて差し支えない。