官総1-15
官公195
課総2-2
課個4-7
課資1-4
課法3-2
課酒1-4
課消1-11
徴管1-1
徴徴1-16
平成17年3月1日
平成21年全部改正

改正 平成22年官公60
改正 平成23年官公27
改正 平成24年官公62
改正 平成27年官公62
改正 平成28年官公1
改正 令和元年官公1-16
改正 令和3年官公1−72
改正 令和4年官公1−15
改正 令和5年官公1−34

国税局長 殿
沖縄国税事務所長 殿

国税庁長官
(官印省略)

標題のことについては、下記のとおり定めたので、平成17年4月1日以降はこれにより適正に取り扱われたい。

(目的)

申告書等の閲覧については、法令等により定められたものではないが、「財務省設置法」(平成11年法律第95号)第19条に規定された国税庁の任務である「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現、酒類業の健全な発達」に資するため、行政サービスとしてこれを実施することとし、その事務処理要領を定めるものである(本事務運営指針において、当該行政サービスを「申告書等閲覧サービス」という。)。

なお、本事務処理要領により行う申告書等閲覧サービスは、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第57号)に規定する保有個人情報の開示請求制度とは異なるものであるが、同法及び「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年法律第27号)の規定を踏まえ、納税者又はその代理人から当該納税者に係る申告書等の閲覧申請を受けた場合の対応について、当該納税者及び第三者の個人情報(個人番号を含む。)を保護する見地から必要な措置を講ずるものである。

(別添)

申告書等閲覧サービスの実施について

第1 目的

申告書等(法令の規定に基づき提出された申告書、申請書又は届出書等の行政文書で、税務署が保有しているものをいう。以下同じ。)の閲覧は、国税庁の任務である「内国税の適正かつ公平な賦課及び徴収の実現、酒類業の健全な発達」(財務省設置法(平成11年法律第95号)第19条)に資すると認められる場合に、その範囲で行政サービス(以下、当該行政サービスを「申告書等閲覧サービス」という。)として実施する。
 具体的には、納税者等(申告書等を提出した者をいう。なお、納税者が個人である場合は、死亡した個人の相続人を含み、法人(人格のない社団等を含む。)である場合は、法人の代表者(代表清算人及び破産管財人を含む。)をいう。以下同じ。)が申告書等を作成するに当たり、過去に提出した申告書等の内容を確認する必要があると認められる場合を対象とする。
 本事務運営指針は、納税者等から、申告書等の閲覧の申請がされた場合における事務手続等を定めるものである。

第2 申告書等閲覧サービスの事務処理要領

申告書等閲覧サービスの事務処理については、次により実施する。
 なお、申告書等閲覧サービスの実施に当たっては、「個人情報の保護に関する法律」(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)及び「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(平成25年法律第27号。以下「番号法」という。)の趣旨を踏まえつつ、適切に対応することに留意する。

1 申告書等を閲覧することができる者

申告書等の閲覧は、納税者等及びその代理人に対して認める。

2 申告書等閲覧サービスの対象文書

申告書等閲覧サービスの対象とする申告書等は、次に掲げる行政文書(e-Taxにより提出されたものを含む。)とする。
 なお、原則として、税務署及び業務センター室(以下「センター」という。)の庁舎内で保管している申告書等を閲覧に供することとするが、申告書等を作成するために不可欠であると認められる場合には、集中簿書庫等で保管する申告書等についても閲覧に供して差し支えない。

  • 1 所得税及び復興特別所得税申告書
  • 2 法人税及び地方法人税申告書、復興特別法人税申告書
  • 3 消費税及び地方消費税申告書
  • 4 相続税申告書
  • 5 贈与税申告書
  • 6 酒税納税申告書
  • 7 間接諸税に係る申告書
  • 8 各種の申請書、請求書、届出書及び報告書等
  • 9 納税者が上記の申告書等に添付して提出した書類(青色申告決算書や収支内訳書など申告書等とともに保存している書類を含み、所得税及び復興特別所得税申告書に係る医療費の領収書など申告書等閲覧サービスの対象としてなじまない書類を除く。)
  • (注) 「申告書」には確定(納税)申告書(清算確定申告を除く。)のほか修正申告書、中間申告書、準確定申告書、訂正申告書、還付申告書を含む。
3 閲覧申請の受付
  • (1) 受付部門
    • 閲覧申請は、納税者等の納税地を所轄する税務署(酒税については、酒類販売場等の所在地を所轄する税務署を含む。)の管理運営部門(管理運営・徴収部門を含む。管理運営部門が設置されていない税務署にあっては総務課。以下同じ。)の窓口担当者が、受け付ける。
    • (注1) 閲覧は、原則として納税者等の納税地を所管する税務署で受け付けることとするが、管理運営事務提要第2編第2章第2節第1款第2・1・(1)・ハ《簡易転入処理》に定める簡易転出入処理対象者等で、閲覧を申請した他の税務署においても対応が可能である場合は、当該税務署において対応することとして差し支えない。
       なお、取扱いに疑義がある場合には、局管理運営課を通じて局総務課情報公開・個人情報保護係(担当)へ連絡する。
    • (注2) 受付時の説明に供するため、受付窓口に別紙「申告書等閲覧サービスの実施について」を備え置く。
  • (2) 受付方法
    • 管理運営部門の窓口担当者は、納税者等又はその代理人から、様式1−1「申告書等閲覧申請書」(以下「閲覧申請書」という。)の提出を受け、その記載内容及び提出書類を確認するとともに、閲覧申請をした者(以下「閲覧申請者」という。)が納税者等又はその代理人本人であることを確認する。その際、写真撮影を希望している場合には、閲覧申請書の同意事項を説明し確認を得る。また、代理人が写真撮影を希望している場合には、原則として委任状にこれを希望する旨の記載があるときは認める。
    • (注) 委任状に写真撮影を希望する旨が未記載(提出された委任状が様式1−2以外の場合を含む。)であって、代理人が写真撮影を希望する場合には、窓口担当者が委任者本人へ電話し、写真撮影を希望する旨の確認を得たときは認めても差し支えない。この場合、閲覧申請書の「税務署整理欄」にその旨を記載する。
    • なお、申告書等閲覧サービスは、本人確認を行った上で税務署の窓口で行うものであるから、送付(郵送等)による申請は受け付けない。電話等による問合せがあった場合には、閲覧申請に係る手続など一般的な説明のみを行うことに留意する。
4 本人確認及び代理権限の確認等

管理運営部門の窓口担当者は、閲覧申請時(即時閲覧を実施しない場合の閲覧実施時を含む。)に、他人になりすまして虚偽の申請を行うことを防止し、納税者情報の保護を図るために、閲覧申請者が納税者等本人であることの確認又は代理人からの申請である場合の代理人本人であること及び代理権限の確認を次に掲げる方法により行う。
 その際、本人確認及び代理権限の確認等を行ったことを記録として残す目的で、本人確認に使用した書類(以下「本人確認書類」という。)に記載された識別番号等(個人番号、基礎年金番号、保険者番号及び被保険者番号等記号・番号(併せて「被保険者等番号等」という。また、これらの番号をまとめて「個人番号等」という。以下同じ。)を除く。)の記録をとることを説明し、閲覧申請者の了解を得た上で、識別番号等を閲覧申請書の「税務署整理欄」に記録する。ただし、閲覧申請者の同意が得られない場合には、その旨を記載する。
 なお、本人確認書類として個人番号カード、年金手帳又は被保険者証により本人確認を行った場合には、「申請者本人確認」欄のうち、「申請者本人確認書類識別番号等」欄には、申請者の個人番号等を記録することのないよう留意する。

  • (1) 閲覧申請者が納税者等の場合
    閲覧申請書に記載されている閲覧申請者の氏名及び住所又は居所と同一の氏名及び住所又は居所が記載されている次に掲げる書類のいずれかの提示を受けることにより本人確認を行う。
    • 1 運転免許証
    • 2 健康保険等の被保険者証
    • 3 個人番号カード
    • 4 住民基本台帳カード
    • 5 出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第19条の3に規定する在留カード
    • 6 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)第7条第1項に規定する特別永住者証明書
    • 7 上記1ないし6以外の法律又は当該法律に基づく命令の規定により交付された書類であって、当該閲覧申請者が本人であることが確認できるもの
    • (注1) 本人であることの確認書類のうち、運転免許証等の顔写真により本人であることを照合できるものの提示がない場合で、本人であることについて疑義が生じたときは、閲覧申請者が持参した確認書類や申告書等を参照して、生年月日、家族構成、家族の氏名・生年月日などを聴取して本人確認を行う。この場合、閲覧申請書の「備考」欄に、本人確認の状況等について、例えば「家族の氏名と続柄、年齢(又は生年月日)を聴取」などと記載する。
    • (注2) 番号法では、特定個人情報の取扱いに関し、提供の求めの制限(第15条)、特定個人情報の提供の制限(第19条)、収集等の制限(第20条)が規定されていることから、これらの規定に抵触することのないよう個人番号カードの取扱いには十分注意する。
    • (注3) 共同で提出された相続税申告書については、共同で提出した納税者全員が来署し、全員の氏名が記載された閲覧申請書を提出した場合又は共同提出した納税者の一部から閲覧申請がなされた場合で、閲覧申請者以外の共同提出した納税者全員の委任状(実印(届出印)が押印されたもの(以下同じ)。)及び印鑑登録証明書又は日本政府の在外公館が発行した署名証明書(申請日前30日以内に発行されたものに限る。以下、併せて「印鑑証明」という。)の添付がある閲覧申請書の提出があったときに限り、当該申告書全体の閲覧に応ずることとし、閲覧申請者以外の共同提出した納税者全員の委任状及び印鑑証明の添付がない場合には、閲覧申請者及び委任状等を添付した納税者に係る情報と認められる部分(個人情報保護法第76条に基づく開示請求があった場合の開示の対象となる範囲に準じる。)のみの閲覧を認める。
         なお、各納税者が各別に提出した相続税申告書については、当該申告書を提出した納税者からの閲覧申請に限り、閲覧を認める。
    • (注4) 共同で提出された準確定申告書について、当該申告書を共同で提出した相続人から閲覧申請がされた場合(当該申告書に署名・押印(令和2年12月20日以前申告分)、署名(令和2年12月21日以降申告分)された相続人全員からの申請であるか、一部の者からの申請であるかは問わない。)は、閲覧を認める。
         なお、各相続人が各別に提出した準確定申告書については、当該申告書を提出した相続人からの閲覧申請に限り、閲覧を認める。
    • (注5) 死亡した個人が生前に提出した申告書等については、相続人全員が来署し、全員の氏名が記載された閲覧申請書を提出した場合又は閲覧申請者以外の相続人全員の委任状及び印鑑証明を持参した一部の相続人が閲覧申請書を提出した場合に限り、閲覧を認める。この場合、死亡した個人と相続人全員の親族関係が確認できる戸籍謄(抄)本又は不動産登記規則(平成17年法務省令第18号)第247条の規定による「法定相続情報一覧図の写し」であることの証明書(申請日前30日以内に発行されたものに限る。以下、併せて「相続関係証明書類」という。)の提出を求める。
         なお、相続放棄した相続人がいる場合には、相続放棄の事実を書面(例: 家庭裁判所が発行した相続放棄申述受理通知書又は相続放棄申述受理証明書)により確認する。この場合、相続放棄した相続人に係る委任は要しない。
    • (注6) 法人に係る申告書等の閲覧申請書に記載された法人の代表者の氏名が、税務署で把握している当該法人の代表者の氏名と異なる場合は、登記事項証明書(商業登記法(昭和38年法律第125号)第10条)により正当な代表者であることの証明を求める。
    • (注7) 除却処理した法人の申告書等については、当該法人が事業を再開した場合など、申告書等を提出する義務があり、これを履行するために必要と認められる場合に限り、閲覧を認める。
    • (注8) 代表清算人又は破産管財人からの閲覧申請については、その目的が「申告書等の作成のため」である場合に限り、閲覧を認める。
  • (2) 閲覧申請者が代理人の場合
    • 代理人による閲覧申請については、上記(1)に掲げる書類のいずれかの提示を求めて代理人本人であることを確認するとともに、次のイ〜ホに掲げる代理人の区分ごとに記載された書類のいずれかの提示(代理人が納税管理人の場合を除く。)を求めて、代理人であることを確認する。
    • さらに、様式1-2「委任状」及び印鑑証明の提出を求めて、申告書等を閲覧することについて納税者等から委任されている事実を確認する。
    • なお、申告書等の種類とその閲覧を認める者は、別表<申告書等の分類と閲覧を認める者の対比表>のとおりである。
      • イ 未成年者又は成年被後見人の法定代理人(納税者が個人である場合に限る。)
         個人情報の保護に関する法律施行令(平成15年政令第507号)第22条第3項に規定する書類(戸籍謄(抄)本、家庭裁判所の証明書(家事事件手続法(平成23年法律第52号)第47条第1項)又は登記事項証明書(後見登記等に関する法律(平成11年法律第152号)第10条第1項)で申請日前30日以内に発行されたものに限る。)
        (注) 上記法定代理人については、委任状及び印鑑証明の提出は要しない。
      • ロ 配偶者及び4親等以内の親族(納税者が個人である場合に限る。)
         戸籍謄(抄)本、住民票の写し(申請日前30日以内に発行されたものに限る。)又は健康保険等の被保険者証等で本人との親族関係が確認できるもの
      • ハ 納税管理人(納税者が個人である場合に限る。)
         署内に保有している納税管理人の届出書
        • (注) 納税管理人については、納税者本人の委任状(※実印以外での押印でも差し支えない。)の提出は要するが、印鑑証明の提出は要しない。
      • ニ 税理士、弁護士、行政書士
         資格士業の証明書(税理士証票、弁護士の身分証明書、行政書士証票)とし、これを持参していない場合には、記章(バッジ)と運転免許証等の証票。
        • (注) 申告書等の閲覧は税務代理行為に当たらないため、税理士(通知弁護士を含む。)が申告書等に添付した税務代理権限証書に基づき、納税者等に代わって閲覧することは認められず、委任状の提出が必要となることに留意する。行政書士については、その業務として作成できる書類(石油ガス税等に係るもの)に限る。
      • ホ 法人の役員又は従業員
          役員又は従業員の地位を証する書類
      • (注1) 共同で提出された相続税申告書について代理人から閲覧申請がなされた場合には、共同提出した納税者全員の委任状及び印鑑証明が添付されている閲覧申請書の提出がされた場合に限り、当該申告書全体を閲覧させることとし、共同提出した納税者全員の委任状及び印鑑証明の添付がない場合は、委任状及び印鑑証明を添付した納税者に係る情報と認められる部分(個人情報保護法第76条に基づく開示請求があった場合の開示の対象となる範囲に準じる。)のみ閲覧に供する。
          なお、各納税者が各別に提出した相続税申告書について、当該申告書を提出した納税者に係る代理人からの閲覧申請があった場合には、当該提出分に限り閲覧に供する。
      • (注2) 共同で提出された準確定申告書について、当該申告書を共同で提出した相続人の代理人(当該申告書に署名・押印された相続人全員の代理人であるか、一部の者の代理人であるかは問わない。)からの閲覧申請がなされた場合は、当該申告書全体を閲覧に供する。
           なお、各相続人が各別に提出した準確定申告書について、当該申告書を提出した相続人に係る代理人からの閲覧申請があった場合には、当該提出分に限り閲覧に供する。
      • (注3) 死亡した個人が生前に提出した申告書等についての代理人からの閲覧申請は、相続人全員の委任状及び印鑑証明、死亡した個人と相続人全員の親族関係が把握できる相続関係証明書類の添付がある場合に限り、当該申告書を閲覧に供する。
           なお、相続放棄している者がいる場合には、相続放棄の事実を書面(例:家庭裁判所が発行した相続放棄申述受理通知書又は相続放棄申述受理証明書)により確認する。この場合、当該相続放棄している者に係る委任は要しない。
      • (注4) 運転免許証等の顔写真により代理人本人であることを照合できるものの提示がない場合、委任状に記載されている納税者等の署名の筆跡と閲覧申請書等に記載される閲覧申請者の筆跡が同一である場合(いずれかが肉筆でない場合を含む。)などで疑義が生じたときは、当人が持参した確認書類や納税者又は代理人の申告書等を参照して、生年月日、家族構成、家族の氏名・生年月日などを聴取することにより確認する。それでもなお代理人本人であることの確認ができない場合は、納税者等に対して電話により委任の事実を確認する。
           また、法人の申告書等の閲覧申請の委任状に記載された法人の代表者の氏名が、税務署で把握している当該法人の代表者の氏名と異なる場合は、登記事項証明書により正当な代表者であることの証明を求める。
5 閲覧の実施
  • (1) 閲覧対象の申告書等の準備
    • イ 管理運営部門の対応
      管理運営部門の窓口担当者は、閲覧申請書の税務署整理欄の「窓口処理」欄及び様式2「閲覧等窓口対応整理簿」(以下「整理簿」という。)に必要事項を記載の上、閲覧申請書及び閲覧申請者から提出のあった委任状並びに印鑑証明等を閲覧申請の対象となる申告書等を保有する各部門(個人課税第一部門、法人課税第一部門などをいい、以下「申告書等保有部門」という。)の担当者へ回付し、閲覧申請の対象となる申告書等又はその写しの回付を求める。
    • ロ 申告書等保有部門の対応
      申告書等保有部門の担当者は、閲覧申請の対象となる申告書等を所定の保管場所より取り出し(e−Taxにより提出された申告等については、必要に応じ出力する。)、申告書等に記載されている住所・氏名等と閲覧申請書に記載されている住所・氏名等を照合し、一致することを確認する。特に、複数枚ある申告書等については、全てが閲覧申請者本人に係るものであることを確認する。
       閲覧申請の対象となる申告書等がセンターで保管されている場合には、ファイルサーバ等の活用により、センターへ連絡するとともに閲覧申請書(写)を回付し、対象となる申告書等又はその写しの回付を求める。
       また、申告書等保有部門の担当者は、管理運営部門の窓口担当者から回付された閲覧申請書等の「税務署整理欄」に閲覧に供する文書の枚数、個人番号の記載の有無及びマスキングの要否を記載し、閲覧対象の申告書等又はその写しとともに担当統括官(酒類指導官を含む。以下同じ。)に提示して決裁を受ける。
       なお、閲覧申請の対象となる申告書等に事務処理部分等の閲覧に供さない部分がある場合は、写しを作成し、マスキング処理を施した申告書等を併せて担当統括官に提示する。  担当統括官は、提示された申告書等が閲覧申請の対象となる申告書等であることに誤りがないか、文書枚数は一致するか、また、マスキング部分に誤りがないかを確認し、閲覧申請書の税務署整理欄において決裁を行う。その際、その写しに個人番号の記載がある場合には、平成27年9月11日付官公113「特定個人情報等の適切な取扱いのための措置について」(事務運営指針。以下「特定個人情報取扱指針」という。)に基づき、「特定個人情報等管理記録簿」に個人番号の記載のある文書の写しを作成した旨の事績を記録する。
       決裁を了した後、申告書等保有部門の担当者は、閲覧対象となる申告書等又はその写しについて、各人別にファイルに入れるなど他人の申告書等が混在しないよう十分留意し、閲覧申請書とともに管理運営部門の窓口担当者に回付する。
       申告書等の写しについて、申告書等のイメージデータにより取得が可能な場合には、当該イメージデータを申告書等の写しとして取り扱っても差し支えない。
    • ハ 閲覧の実施前の確認
      申告書等保有部門の担当者から閲覧対象となる申告書等又はその写し及び閲覧申請書を受領した管理運営部門の窓口担当者は、閲覧に供する前に、回付を受けた文書が他人のものでないかを確認し、閲覧申請書の税務署整理欄に記載された文書枚数と閲覧に供する文書の枚数が一致していることを確認する。
       また、閲覧の実施の際には、閲覧申請書に記載された閲覧申請者であることを確認した上で、閲覧申請者に対し閲覧対象文書であることを確認させ、閲覧を実施する。
    • (2) 閲覧の実施の際の留意点
      • イ 閲覧に供する日
        本人確認事務及び事務処理部分のマスキング処理を施した後、原則として、即時に閲覧を実施する。
         申告書等が当該税務署以外のセンター、集中簿書庫等において保管されている場合やマスキング処理に時間を要するなどの理由により、閲覧申請された日に閲覧を実施できない場合は、申告書等保有部門と管理運営部門の担当者間で調整し、事務の繁閑を踏まえた上で、閲覧申請者とも協議して閲覧に供する日を定める。
      • ロ 申告書等の閲覧の実施方法
        申告書等の閲覧は、次の区分に応じて実施する。
        • 1 申告書等に収受日付印(通信日付印を含む。以下同じ。)の押なつ以外の事務処理が表記されていない場合
           対象とする申告書等を台帳等から外し、当該申告書等又はその写しを閲覧に供する。
        • 2 申告書等に収受日付印の押なつ以外の事務処理が表記されている場合その他当該申告書等の全体を閲覧に供することができない場合
           申告書等の写しを作成し、当該事務処理に係る表記等閲覧に供さない部分にマスキング処理を施すなどして閲覧に供する。当該表記等にマスキング処理を施すことが困難である場合は、直接閲覧させず、その内容を口頭で読み聞かせるか、白紙の申告書等の様式に転記して閲覧に供する。
        • (注) 申告書等に個人番号又は法人番号(法人情報の公表に同意していない人格のない社団等に係る法人番号を含む。)が記載されている場合には、当該番号部分も閲覧に供するものとする。
    • (3) 閲覧中の対応
      閲覧に際しては、個人情報の保護及び行政文書の適切な管理の観点から、原則として、管理運営部門の窓口担当者等が立ち会う。
        その際、閲覧申請者が写真撮影を希望している場合には、管理運営部門の窓口担当者等は次の要領で実施する。
      • 1 写真撮影は、デジタルカメラ、スマートフォン、タブレット又は携帯電話など、その場で写真が確認できる機器に限って認める(動画については、音声が録音されるおそれがあるほか、申告内容等は写真で確認が可能であるため認めない。)。
      • 2 閲覧申請者に写真撮影をさせるに当たっては、次のとおりとする。
        • イ 申告書等以外の写り込みを防止する観点から、必要に応じて机上衝立を置く。
        • ロ 申告書等保有部門から回付された閲覧に供する申告書等が、閲覧対象書類であることを閲覧申請者に説明し確認させる。
        • ハ 上記ロの確認後、収受日付印のある書類(e−Taxにより提出されたものについては、紙で提出されていたとしたならば収受日付印を押印する書類。)については、収受日付印、氏名、住所等を被覆(厚紙、封筒、カバーテープ等で覆う。)した上で撮影させる。
        • ニ 被覆によって必要な金額等が隠れる場合には、その部分は書き写しをさせる(申告書等保有部門がマスキングした箇所を除く。)。
        • ホ 撮影の都度又は撮影後、その場で写真を確認し、申告書等以外の写り込みがある場合には、閲覧申請者に消去及び撮り直しをさせる。
      • 3 閲覧申請書の同意事項が遵守されないおそれがある場合には、写真撮影を認めない又は中止することとし、書き写しによる対応とする。
      • 4 閲覧申請書の「税務署整理欄」には写真撮影に関する事項を記載する。
    • (4) 閲覧後の処理
      • イ 管理運営部門の対応
        閲覧終了後、管理運営部門の窓口担当者は、整理簿に閲覧対応事績など必要事項を記載し、閲覧に供した申告書等又はその写しが閲覧申請書の「税務署整理欄」に記載された文書枚数と一致することを確認した上で、閲覧申請書とともに申告書等保有部門に返却する。
         なお、返却に当たっては、整理簿の「受領者」欄に申告書等保有部門の担当者の記名等を受ける。
      • ロ 申告書等保有部門の対応
        返却を受けた申告書等保有部門の担当者は、閲覧に供した申告書等又はその写しが返却されたことを確認し、担当統括官の決裁を受けた上で、申告書等を所定の保管場所に戻す(申告書等の写し等の場合は確実に廃棄する。)。
         なお、担当統括官は、個人番号が記載された申告書等の写しを廃棄する場合には、特定個人情報取扱指針に基づき、廃棄した事績を「特定個人情報等管理記録簿」に記録する。
      • ハ 閲覧申請書等の保存
        閲覧申請書、委任状、印鑑証明等については申告書等保有部門において、また整理簿については管理運営部門において、それぞれ保存する。
    6 閲覧の実施に際しての留意事項
    • (1) 閲覧申請受付時における他の手続の教示
      閲覧申請の目的をよく確認し、例えば、金融機関や地方公共団体など第三者からの申告内容の問合せに対する回答等に使用する場合など、納税者等が申告書等を作成するに当たり、過去に提出した申告書等の内容を確認する必要があると認められる場合に該当しないときは、申告書等閲覧サービスによる閲覧は認めない。この場合は、国税通則法(昭和37年法律第66号)第123条第1項の規定に基づく納税証明制度(納税額用、所得金額用)を教示する。
       また、個人情報保護法第76条の規定に基づく開示請求の申出がなされた場合には、総務課に引き継ぐ。なお、同法に基づく開示請求については、原則として、開示請求手数料が必要であること、写しの交付には手続上日数を要すること、法人に係る申告書又は死亡した個人が生前に提出した申告書等は、いずれもそのほとんどが開示請求の対象とならないことなどに留意する。
    • (2) 第三者の立会いへの対応
      • 納税者等が閲覧する際に、上記4の(2)に掲げる代理人及び税理士、弁護士又は行政書士の各事務所の事務員が立ち会うことについては、納税者等から口頭でその旨の申出があったときは認める。また、代理人である税理士、弁護士又は行政書士が閲覧する際に、各事務所の事務員が立ち会うことについても、代理人から口頭でその旨の申出があったときは認める。これらの場合、立会者が納税者等又は代理人に代わって、書き写し又は写真撮影を行うことを認めても差し支えない。
      • なお、立会いを認める場合には、立会者の本人確認を上記4の(1)に記載した書類又は資格士業の証明書のいずれかにより行い、閲覧申請書の「備考」欄に立会いの事績を記録する。
    • (3) 申告書等のコピーの交付等
      • 申告書等のコピーの交付は原則として認めないが、災害等によって申告書等のみならず帳簿等も消失等しており、関与税理士等にも保存がない、又は、閲覧申請者が高齢者・障害者であり、申告書等を書き写すことが困難と認められるときなど、閲覧のみならずコピーの交付を認めることについてやむを得ないと認められる場合には、り災証明等によりその事実を確認した上で、申告書等の作成に必要な部分(例えば、所得金額、税額、勘定科目内訳など申告書を作成するために必要な部分をいい、収受日付印、住所、氏名等の部分は含まない。)に限り、コピーの交付を認めて差し支えない。この場合、その理由を閲覧申請書の「備考」欄に記載する。
    • (4) 原本証明
      閲覧申請者が申告内容等を書き写した適宜の用紙等について、収受日付印の押なつや、立会者による署名などの原本証明を求められたとしても、申告書等閲覧サービスは申告内容等の証明を行う趣旨で実施するものではないことからこれに応じない。
    • (5) 閲覧場所
      税務署内の個室又は個室に準じた場所(例:パーテーションで区切られた相談スペース)で行うこととし、署において予め場所を決定しておく。
    7 災害等により避難している被災者に対する対応

    災害等により避難している納税者(直接被災した者のみならず避難勧告等により避難している納税者を含む。以下「被災者」という。)から申告書等閲覧サービスに係る相談があった場合は、以下のとおり対応する。

    • (1) 最寄り税務署での閲覧等
      • 被災者及びその代理人(以下、併せて「被災者等」という。)が、避難所等の最寄りの税務署(所轄税務署を除く。以下「最寄り税務署」という。)に対し、申告書等の写しの閲覧を求めた場合において、閲覧の目的が、その被災者が申告書等を作成するに当たり過去に提出した申告書等の内容を確認する必要があると認められるときは、当該申告書等の主管部門において申告書等の写しを所轄税務署から取り寄せ、上記4及び下記の本人確認及び代理権限の確認等を行った上で、閲覧を認めることとして差し支えない。
      • また、被災者が、災害等により申告書等のみならず帳簿等も消失等しており、関与税理士等にも保存がないなど、閲覧のみならずコピーの交付を認めることについてやむを得ないと認められる場合は、り災証明等によりその事実を確認した上で、申告書等の作成に必要な部分(例えば、所得金額、税額、勘定科目内訳など申告書を作成するために必要な部分をいう。)に限り、最寄り税務署において申告書等の写しのコピーの交付を行って差し支えない。この場合、その理由を閲覧申請書の「備考」欄に記載する。
      • 最寄り税務署で閲覧又はコピーの交付を行った場合には、所轄税務署から取り寄せた申告書等の写しは閲覧申請書に添付して保管する。
      • (注) り災証明については、納税者の住所地等により被災の事実が明らかな場合には、その提示を求めないこととして差し支えない。
    • (2) 申告書等の閲覧申請者の本人確認
      • 申告書等の閲覧申請者の本人確認は、原則として、上記4に掲げる本人確認書類の提示を受けることにより行う。
      • なお、閲覧申請者から、本人確認書類を被災により消失等しているとの申出があった場合は、キャッシュカードやクレジットカードなど本人のみが所持していると推定されるものの提示を求めるとともに、申告書情報(本人の生年月日、家族の氏名、続柄、生年月日、勤務先、所得の種類等複数の事実を確認する。)の調査を行った上、本人であることを確認することとして差し支えない。
      • この場合、閲覧申請書の「備考」欄に、当該本人確認方法等について、例えば「○月○日、本人から生年月日、家族の氏名等を聴取し確認」等と記載する。
    • (3) 代理権限の確認
      • 申告書等の閲覧申請者が代理人の場合には、原則として、別添様式1−2の「委任状」及び印鑑証明の提出を求めて、申告書等を閲覧することについて納税者等から委任されている事実を確認するとともに、上記4(2)に準じて代理人本人であることを確認する。
      • なお、災害等により印鑑登録した印鑑を消失等した場合や市区町村の業務に支障が生じている等のため委任者(納税者等)からの印鑑証明の提出が困難と認められる場合で、委任者本人に対し、電話等により委任の事実が確認できたときは、当該印鑑証明の提出を要しないこととして差し支えない。
      • この場合、次の事項に留意する。
    • 印鑑登録した印鑑を消失等している場合であっても、委任状は必要であるが、委任状に押印する印鑑は印鑑登録した印鑑以外の印鑑で差し支えない。
    • 閲覧申請書の「備考」欄に、当該委任者の確認方法等について、例えば「○月○日委任者本人(090-0000-0000)に電話連絡し、委任者本人から生年月日、家族の氏名等を聴取(本人の生年月日、家族の氏名、続柄、生年月日等複数の事実を確認する。)した上で、委任の事実を確認」等と記載する。
    • 代理人本人であることが確認できない場合は、閲覧を認めない。

別表

<申告書等の分類と閲覧を認める者の対比表>

申告書等の分類 本人 代理人
生存する個人に係る申告書等 所得税申告書
個人消費税申告書
贈与税申告書
酒税納税申告書
間接諸税に係る申告書等
納税者 未成年者又は成年被後見人の法定代理人
配偶者及び4親等以内の親族
納税管理人
税理士、弁護士、行政書士(行政書士については、その業務として作成できる書類に限る。)
相続税申告書 納税者(共同提出された相続税申告書について、全体を閲覧するためには、共同提出した納税者全員が来署し、全員の氏名が記載された閲覧申請書を提出するか、閲覧申請者を除く共同提出した納税者全員分の委任状及び印鑑証明が必要) 同上
(共同提出された相続税申告書について、全体を閲覧するためには、共同提出した納税者全員分の委任状及び印鑑証明が必要)
死亡した個人に係る申告書等 準確定申告書 共同提出した相続人(準確定申告書に署名・押印された相続人全員からの申請であるか、一部の者からの申請であるかは問わず、閲覧を認める。) 同上
(準確定申告書に署名・押印された相続人全員の代理人であるか、一部の者の代理人であるかは問わず、閲覧を認める。)
生前に提出されていた申告書等 相続人(相続関係証明書類を持参の上、相続人が複数いる場合に、申告書等を閲覧するには、相続人全員が来署し全員の氏名が記載された閲覧申請書を提出するか、来署しない者全員分の委任状及び印鑑証明が必要) 同上
(相続人が複数いる場合、申告書等を閲覧するには、相続人全員分の委任状、印鑑証明及び相続関係証明書類が必要)
法人に係る申告書等
(法人税、法人消費税申告書等)
法人の代表者 税理士、弁護士、行政書士(行政書士については、その業務として作成できる書類に限る。)
当該法人の役員及び従業員

(注) 申告書等の分類には、それぞれの申告書に係る添付書類及び申請書等を含む。

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