平成30年6月
国税不服審判所

○ 審査請求は、税務署長や国税局長などが行った処分に不服がある場合に、その処分の取消しや変更を求めて、国税不服審判所長などに対して不服を申し立てる制度です。

○ 国税不服審判所長に対する審査請求は、再調査の請求(改正前:異議申立て)を経ずに直接行うことができます。また、再調査の請求を行った場合であっても、再調査の請求についての決定(再調査決定)後の処分になお不服がある場合に行うことができます。

○ 国税不服審判所は、賦課徴収を行う税務署や国税局と審査請求人(納税者)との間に立ち、公正な第三者的立場で裁決を行っています。

1 審査請求の状況(表1)

=審査請求の件数は2,953件で、前年度より18.7%増加=
(表1)
審査請求の状況のグラフ

○ 平成29年度における審査請求の件数は、申告所得税、相続税・贈与税及び消費税等の税目に係る件数が増加したことに伴い、前年度と比べ18.7%の増加となっています。


2 審査請求の処理状況(表2)

=審査請求における認容割合は8.2%で、前年度より4.1ポイント減少=
(表2)
審査請求の処理状況のグラフ

○ 平成29年度の審査請求の処理件数は、2,475件で前年度と比べ26.3%の増加となっています。

○ 処理件数のうち、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた件数は202件(一部認容148件、全部認容54件)で、その割合は8.2%(一部認容6.0%、全部認容2.2%)であり、前年度と比べ4.1ポイントの減少となっています。

○ 審査請求は、原則1年以内に裁決するよう努めており、審査請求の1年以内の処理件数割合は99.2%となっています。


(参考計表)

1 審査請求の状況

(単位:件、%)
区分 課税関係 徴収関係
申告所得税等 源泉所得税等 法人税等 相続税
贈与税
消費税等 その他   合計
28年度
内直審239
内二審319
558
内直審45
内二審27
72
内直審376
内二審128
504
内直審58
内二審114
172
内直審599
内二審338
937
内直審8
内二審2
10
内直審1,325
内二審928
2,253
内直審148
内二審87
235
内直審1,473
内二審1,015
2,488
29年度
内直審605
内二審305
910
内直審65
内二審29
94
内直審298
内二審167
465
内直審172
内二審44
216
内直審761
内二審345
1,106
内直審24
内二審3
27
内直審1,925
内二審893
2,818
内直審95
内二審40
135
内直審2,020
内二審933
2,953
前年度比
253.1
95.6
163.1
144.4
107.4
130.6
79.3
130.5
92.3
296.6
38.6
125.6
127.0
102.1
118.0
300.0
150.0
270.0
145.3
96.2
125.1
64.2
46.0
57.4
137.1
91.9
118.7

※1 「申告所得税等」は、申告所得税及び復興特別所得税の件数です。

※2 「源泉所得税等」は、源泉所得税及び復興特別所得税の件数です。

※3 「法人税等」は、法人税、地方法人税及び復興特別法人税の件数です。

※4 「消費税等」は、消費税及び地方消費税の件数です。

※5 「28年度」及び「29年度」の各欄の内書きは、「内直審」が異議申立て又は再調査の請求を経ないで直接審査請求のあった件数で、「内二審」が異議申立て又は再調査の請求を経た審査請求の件数です。

※6 「前年度比」の各欄の数値は、上段から「内直審」の件数の対前年度比、「内二審」の件数の対前年度比及び全件数の対前年度比を表します。

※7 平成28年4月1日の改正法施行後は、青色申告書に係る更正等以外の処分についても、選択により、直接、国税不服審判所長に対して審査請求を行うことができるようになりました。

2 審査請求の処理状況

(単位:件、%)
区分 要処理件数 審査請求の処理状況 未済 1年以内処理件数割合
取下げ 却下 棄却 認容
  一部 全部 合計
28年度(構成比) 3,895 269 191 1,258 241   1,959 1,936 98.3
192 49
(13.7) (9.7) (64.2) (12.3) (9.8) (2.5) (100.0)
29年度(構成比) 4,889 247 186 1,840 202   2,475 2,414 99.2
148 54
(10.0) (7.5) (74.3) (8.2) (6.0) (2.2) (100.0)
  課税関係 4,669 225 129 1,752 189 147 42 2,295 2,374 99.2
徴収関係 220 22 57 88 13 1 12 180 40 99.4

※ 平成29年度以降の1年以内処理件数割合は、相互協議事案や公訴関連事案など、審理を留保すべき事由が生じた事案の留保期間等を除いて算定することとしています。