平成28年度における審査請求の概要

平成29年6月
国税不服審判所

○ 審査請求は、税務署長や国税局長などが行った処分に不服がある場合に、その処分の取消しや変更を求めて、国税不服審判所長に対して不服を申し立てる制度です。

○ 審査請求は、再調査の請求（改正前：異議申立て）を経ずに直接行うことができます。また、再調査の請求を行った場合であっても、再調査の請求についての決定（再調査決定）後の処分になお不服がある場合に行うことができます。

○ 国税不服審判所は、賦課徴収を行う税務署や国税局と審査請求人（納税者）との間に立ち、公正な第三者的立場で裁決を行っています。

1 審査請求の状況（表1）

＝審査請求の件数は2,488件で、前年度より18.6％増加＝

（表1）

○ 平成28年度における審査請求の件数は、申告所得税、法人税及び徴収関係等の税目に係る件数が増加したことに伴い、前年度と比べ18.6％の増加となっています。

＝審査請求における認容割合は12.3％で、前年度より4.3ポイント増加＝

（表2）

○ 平成28年度の審査請求の処理件数は、1,959件で前年度比84.8%となっています。

○ 処理件数のうち、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた件数は241件（一部認容192件、全部認容49件）で、その割合は12.3％（一部認容9.8％、全部認容2.5％）であり、前年度と比べ4.3ポイントの増加となっています。

○ 審査請求は、原則1年以内に裁決するよう努めており、審査請求の1年以内の処理件数割合は98.3％となっています。

（単位：件、％）

※1 「申告所得税等」は、申告所得税及び復興特別所得税の件数です。

※2 「源泉所得税等」は、源泉所得税及び復興特別所得税の件数です。

※3 「法人税等」は、法人税、地方法人税及び復興特別法人税の件数です。

※4 「消費税等」は、消費税及び地方消費税の件数です。

※5 「27年度」及び「28年度」の各欄の内書きは、「内直審」が異議申立て又は再調査の請求を経ないで直接審査請求のあった件数で、「内二審」が異議申立て又は再調査の請求を経た審査請求の件数です。

※6 「前年度比」の各欄の数値は、上段から「内直審」の件数の対前年度比、「内二審」の件数の対前年度比及び全件数の対前年度比を表します。

（単位：件、％）

区分		要処理件数	審査請求の処理状況							未済	1年以内処理件数割合
			取下げ	却下	棄却	認容
			取下げ	却下	棄却		一部	全部	合計
27年度(構成比)		3,718	223	289	1,615	184			2,311	1,407	92.4
			223	289	1,615	184	147	37	2,311
			(9.6)	(12.5)	(69.9)	(8.0)	(6.4)	(1.6)	(100.0)
28年度(構成比)		3,895	269	191	1,258	241			1,959	1,936	98.3
			269	191	1,258	241	192	49	1,959
			(13.7)	(9.7)	(64.2)	(12.3)	(9.8)	(2.5)	(100.0)
	課税関係	3,576	172	128	1,191	234	191	43	1,725	1,851	98.5
	徴収関係	319	97	63	67	7	1	6	234	85	97.0