平成29年6月
国税庁

○ 国税に関する法律に基づく処分についての納税者の救済制度には、処分庁に対する再調査の請求(改正前:異議申立て)及び国税不服審判所長に対する審査請求という行政上の救済制度(不服申立制度)と、裁判所に対して訴訟を提起して処分の是正を求める司法上の救済制度があります。

○ このうち、「再調査の請求」は、税務署長などが更正・決定や差押えなどの処分をした場合に、その処分に不服がある納税者が税務署長などに対してその処分の取消しや変更を求める手続です。

○ 平成26年6月に行政不服審査法の抜本的な見直しが行われるとともに、国税通則法の改正により、国税不服申立制度についても改正が行われ、「異議申立て」は「再調査の請求」へ名称変更され、平成28年4月1日以後に行われる処分に係る不服申立てから適用されています。

(注)平成28年度における発生・処理件数には、改正前の法律が適用される「異議申立て」が含まれています。

○ 国税庁においては、納税者の権利利益の救済及び行政の適正な運営の確保という制度の趣旨を踏まえた適切な不服申立事務の遂行に努めています。

1 再調査の請求の状況(表1)

=再調査の請求の件数は1,674件で、前年度より47.5%減少=

(表1)
異議申立ての状況のグラフ

○ 平成28年度における再調査の請求の件数は1,674件であり、前年度と比べ47.5%の減少となっています。

2 再調査の請求の処理状況(表2)

=再調査の請求における認容割合は6.8%で、前年度より1.6ポイント減少=

(表2)
異議申立ての処理状況のグラフ

○ 平成28年度における再調査の請求の処理件数は1,805件となっています。

○ このうち、納税者の主張が何らかの形で受け入れられた件数は123件(一部認容100件、全部認容23件)で、その割合は6.8%(一部認容5.5%、全部認容1.3%)となっており、前年度と比べ1.6ポイントの減少となっています。

○ 簡易迅速な手続により納税者の権利利益の救済を図るため、再調査の請求については、迅速な処理に努めており、3か月以内の処理件数割合は95.6%となっています(割合は、相互協議事案、公訴関連事案及び国際課税事案を除いて算出しています。)。

(参考計表)

1 再調査の請求の状況

(単位:件、%)
区分 課税関係 徴収関係 合計
申告所得税等 源泉所得税等 法人税等 相続税
贈与税
消費税等 その他  
27年度 内 237
873
内 28
91
内 73
373
284 1,155 91 2,867 324 3,191
28年度 内 209
574
内 32
67
内 44
185
140 484 0 1,450 224 1,674
前年度比 内 88.2
65.8
内 114.3
73.6
内 60.3
49.6
49.3 41.9 0 50.6 69.1 52.5

(注) 1 「申告所得税等」は、申告所得税及び復興特別所得税の件数であり、内書きは復興特別所得税の件数です。

2 「源泉所得税等」は、源泉所得税及び復興特別所得税の件数であり、内書きは復興特別所得税の件数です。

3 「法人税等」は、法人税、復興特別法人税及び地方法人税の件数であり、内書きは復興特別法人税の件数です。

4 「消費税等」は、消費税及び地方消費税の件数です。

5 27年度の件数は、全て「異議申立て」の件数です。

6 28年度の件数は、「異議申立て」及び「再調査の請求」の合計です。

2 再調査の請求の処理状況

(単位:件、%)
区分 要処理件数 再調査の請求の処理状況 未済 3か月以内処理件数割合
取下げ等 却下 棄却 認容 合計
  一部 全部
27年度(構成比) 3,841 405
(12.7)
375
(11.7)
2,150
(67.2)
270
(8.4)
  3,200
(100.0)
641 99.3
212
(6.6)
58
(1.8)
28年度(構成比) 2,315 275
(15.2)
208
(11.5)
1,199
(66.4)
123
(6.8)
  1,805
(100.0)
510 95.6
100
(5.5)
23
(1.3)
  課税関係 2,059 230 108 1,127 120 100 20 1,585 474 95.1
徴収関係 256 45 100 72 3 0 3 220 36 98.6

(注) 1 3か月以内処理件数割合については、相互協議事案、公訴関連事案及び国際課税事案を除いて算出しています。

2 27年度の件数は、全て「異議申立て」の件数です。

3 28年度の件数は、「異議申立て」及び「再調査の請求」の合計です。