【答え】

2 大麦・小麦の収穫高など

【解説】

当時の畑は、輪作体制と呼ばれる栽培方法を採用しており、五穀と商品作物を合わせたローテーションを組み、それぞれの区画では毎年異なる作物を栽培していました。そのため、ある年たまたまその区画で栽培していた作物を元に、地価を算定することは、適切ではありませんでした。
 大麦・小麦は、米に次ぐ主要な農作物の地位にあり、地域を問わずに広く栽培されていました。また、大麦・小麦を取引する地域の市場も発達しており、売買調査も可能でした。このような状況のため、畑の地価算定基準に大麦・小麦が採用されたと考えられます。
 大麦・小麦は、米と同じように、収穫高を計り、日当たりや道からの距離の立地条件を加味し、周辺の売買価格を調査しました。そして、周辺の畑との均衡を図りながら、地価が算定されたのです。例えば、果樹を栽培している場合は、収益性が高い畑になりますが、大麦・小麦として算定されました。また、収益性が低い畑でも、大麦・小麦として算定されました。すべての畑は、輪作体制下にありましたが、等しく大麦・小麦の耕作地として地価が算定され、均衡が図られたのです。

(2024年2月 研究調査員 舟橋 明宏)